試運転中、自家発電設備のクランクケース通気管から白い油煙が多く出ることがあります。
ブローバイガスの増加は、ピストンリングやシリンダ摺動面の摩耗などを疑う手掛かりです。
BCPでは運転を止め、発生状況と機関内部を確認します。
通気管から油煙が多く出ています。
このまま運転してええですか。
運転を止めて発生状態を残します。
煙が消えたら再始動できますか。
機関内部と通気経路を確認します。
- ブローバイガスが多いときは運転を停止します
- 油煙の量と色と発生時刻を操作前に記録します
- 通気経路と機関内部を確認します
- 判定は製造者の整備要領に従います
- 整備後は管理下で再試験します
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目次
ブローバイガスが多く出たら運転してよいのか

油煙が多い状態で運転を続けません。
ブローバイガスは、燃焼ガスやミスト状の潤滑油が通気管から外へ出るものです。
消防庁資料は、ピストンリングの摩耗や軸受などの損傷で多量のブローバイガスや異臭が生じる場合を示しています。
発生量の増加は機関内部の摩耗や損傷を疑う手掛かりになります。
見た目だけで復旧を決めず、異音、振動、油圧、油温、排気色、潤滑油分析を設備仕様に応じて確認します。
煙が弱まっただけでは判断できへんのですね。
内部損傷の兆候まで確認しましょう。
どの通気経路と機関内部を確認するのか

通気方式や油分分離器の構造は機種で異なります。
完成図書、取扱説明書、整備要領書で、その設備の通気経路と点検箇所を確認します。
- 通気管から出るガスの量、色、臭い
- 発生時の回転数、負荷、運転時間
- 油量、油圧、油温、潤滑油の状態
- 通気管、油分分離器、接続部
- ピストンリング、シリンダ摺動面
- 軸受、クランクケース内部
- 異音、振動、排気色、整備履歴
通気管だけでなく、ガスの発生源となる部品と潤滑状態を組み合わせて確認します。
発生状態と機関内部を一続きで確認します。
通気管だけ見ても足りませんか。
ピストン周りと潤滑状態まで見ます。
発見から停止と専門点検までどう進めるのか

運転停止、状態記録、経路点検、内部観察、整備、再試験の順で進めます。
- 油煙の量、色、臭い、異音、振動を確認する
- 運転を止めて再始動禁止を周知する
- 油圧、油温、負荷、運転時間、発見時刻を記録する
- 設備責任者と保守事業者へ連絡する
- 通気管と油分分離器の詰まりや損傷を確認する
- 内部観察と潤滑油分析で発生源を絞る
- 整備後に管理下で始動し負荷を確認する
運転を止めている間は、非常電源を受ける消防用設備への影響を確認します。
必要に応じて巡回、火気制限、代替電源、所轄消防署への相談を組み合わせます。
停止前の油煙と計器値を残します。
停止中の安全措置も決めましょう。
通気管だけを清掃すると何を見落とすのか

通気管を清掃して油煙が減っても、摩耗や損傷した内部部品は直りません。
逆に通気経路の詰まりがあれば、クランクケース内の圧力や漏油にも影響するため原因を分けて確認します。
- 通気管の清掃だけで復旧扱いにする
- 発生時の負荷と運転時間を記録しない
- 油量、油圧、油温を確認しない
- 異音、振動、排気色を見落とす
- ピストンリングやシリンダを点検しない
- 潤滑油分析を過去値と比較しない
- 無負荷運転だけで復旧を判断する
消防庁資料は、内部観察や潤滑油の金属成分分析を組み合わせる考え方を示しています。
油煙が消えただけで正常と決めず、内部損傷の有無まで確認します。
通気管を掃除するだけでは終わりやないんですね。
内部状態と出力まで確認します。
明日からブローバイガスの増加にどう備えるのか

平常時から、通気管の状態、油煙の有無、油量、油圧、油温を同じ条件で記録します。
正常時と比較できる記録があれば、災害後の変化を早く見つけられます。
- 通気管と油分分離器の位置を確認する
- 正常時の油煙、油圧、油温を記録する
- 負荷と運転時間をそろえて比較する
- 異音、振動、排気色の確認項目を決める
- 内部観察と潤滑油分析の依頼先を決める
- 停止中の代替電源と安全措置を決める
- 点検から整備、再試験、復旧承認まで訓練する
運転停止から代替措置、内部点検、再試験、復旧承認までをBCPへ組み込みます。
消防計画の初動とBCPの事業継続をつなぐ担当者も決めます。
正常時の通気状態を確認票へ入れます。
迷わない手順にしておきましょう。
よくある質問
まとめ
油煙だけで判断せず状態を残します。
通気経路と機関内部を一式で確認しましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- e-Gov法令検索 消防法第17条・第17条の3の3
- 総務省消防庁 自家発電設備の基準 昭和48年消防庁告示第1号
- 総務省消防庁 別表第24 非常電源 自家発電設備の点検の基準
- 総務省消防庁 消防用設備等の点検要領 第24 非常電源 自家発電設備
- 総務省消防庁 自家発電設備の点検方法に関する改善案 資料4-3
- 内閣府 事業継続ガイドライン 令和5年3月
※本記事は公表されている法令および公的資料に基づく一般的な解説です。ブローバイガスの増加を確認した場合は、自己判断で調整、始動、運転継続をせず、設備仕様を把握した専門業者へ相談してください。個別の点検、整備、再始動、負荷試験、代替措置、復旧判断は、設備の仕様と施設の運用状況に応じて所轄消防署や専門家へご確認ください。





