点検で、自家発電設備の冷却水が茶色く濁り、錆やスケールが見つかることがあります。
放置すると冷却水通路や熱交換部へ堆積し、災害時の長時間運転で冷却水温度が上がるおそれがあります。
BCPでは運転を止め、冷却水の性状と冷却系統を確認します。
冷却水の錆やスケールを指摘されました。
少しなら運転してええですか。
運転を止めて状態を残します。
冷却水の色だけ見たら足りますか。
試料と冷却水通路も確認します。
- 錆やスケールが見つかったら運転を停止します
- 冷却水温度と色と発見時刻を操作前に記録します
- 冷却水試料と通路と熱交換部を確認します
- 性状の判定は製造者の指定値に従います
- 洗浄後は管理下で温度と負荷を確認します
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目次
冷却水に錆やスケールが見つかったら運転してよいのか

錆やスケールを確認したまま運転を再開しません。
冷却水の劣化で腐食生成物や析出物が増えると、冷却水通路や熱交換部に堆積して放熱を妨げるおそれがあります。
消防庁の検討資料は、冷却水温度異常高の要因として冷却水の劣化による錆やスケールの堆積を挙げています。
冷却水の性状分析により、内部の腐食や堆積につながる状態を確認する考え方です。
見た目だけで性状を判定せず、色、濁り、沈殿物、濃度、pH、腐食生成物、冷却水温度を設備仕様に応じて照合します。
色が戻っただけでは判断できへんのですね。
性状と冷却水温度まで確認しましょう。
どの冷却水と冷却系統を確認するのか

冷却方式、冷却水の種類、交換時期、管理値は機種で異なります。
完成図書、取扱説明書、整備要領書で、その設備の冷却方式と指定冷却液を確認します。
- 発見時刻、冷却水温度、色、濁り、沈殿物
- 冷却水量と漏れの有無
- ラジエータ、冷却水ポンプ、機関の水路
- 膨張タンク、ホース、配管、継手
- 潤滑油冷却器と給気冷却器の熱交換部
- 温度計、警報、停止装置
- 製造者が指定する冷却液、濃度、交換時期、管理値
試料だけでなく、通路や熱交換部への堆積、冷却水温度、負荷を組み合わせて確認します。
冷却水の性状と放熱状態を一続きで確認します。
試料だけ見ても足りませんか。
冷却系統と冷却状態まで見ます。
指摘から停止と専門点検までどう進めるのか

運転停止、状態記録、採取、分析、洗浄、再試験の順で進めます。
- 漏れ、蒸気、異音、温度上昇を確認する
- 運転を止めて再始動禁止を周知する
- 冷却水温度、色、濁り、沈殿物、負荷、発見時刻を記録する
- 設備責任者と保守事業者へ連絡する
- 指定された方法で冷却水を採取して性状を分析する
- 通路や熱交換部を点検し、必要な洗浄と冷却液交換を行う
- 管理下で始動し、冷却水温度、電圧、負荷を確認する
運転を止めている間は、非常電源を受ける消防用設備への影響を確認します。
必要に応じて巡回、火気制限、代替電源、所轄消防署への相談を組み合わせます。
停止前の色と温度を残します。
停止中の安全措置も決めましょう。
冷却水だけを入れ替えると何を見落とすのか

冷却水を入れ替えて見た目がきれいになっても、通路や熱交換部に錆やスケールが残る場合があります。
劣化原因が異種冷却液の混合、補給水、交換期限超過、腐食や漏れにあれば再発します。
- 色が戻っただけで復旧扱いにする
- 採取場所と採取時刻を記録しない
- 高温時にキャップや配管を開ける
- ラジエータや機関水路の堆積を見落とす
- 冷却器の熱交換部を確認しない
- 指定外の冷却液や水を混ぜる
- 無負荷運転だけで放熱状態を判断する
消防庁資料は、冷却水の性状と冷却装置の内部状態を確認する考え方です。
始動できただけで正常と決めず、負荷時の冷却水温度が安定することまで確認します。
入れ替えるだけでは終わりやないんですね。
冷却と出力まで確認します。
明日から冷却水の劣化にどう備えるのか

平常時から、冷却水の種類、交換日、補給量、温度、色、濁りを同じ条件で記録します。
正常時と比較できる記録があれば、災害後の異常を早く絞り込めます。
- 指定冷却液と交換期限を確認する
- 正常な色、濃度、pH、冷却水温度を記録する
- 採取場所と試料容器を決める
- ラジエータ、ポンプ、機関水路、冷却器を図示する
- 補給量、漏れ、整備履歴をそろえる
- 停止中の代替電源と安全措置を決める
- 分析から洗浄、再試験、復旧承認まで訓練する
運転停止から代替措置、点検、再試験、復旧承認までをBCPへ組み込みます。
消防計画の初動とBCPの事業継続をつなぐ担当者も決めます。
正常な色と濃度を確認票へ入れます。
迷わない手順にしておきましょう。
よくある質問
まとめ
表示だけで判断せず状態を残します。
性状と冷却系統を一式で確認しましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- e-Gov法令検索 消防法第17条・第17条の3の3
- 総務省消防庁 自家発電設備の基準 昭和48年消防庁告示第1号
- 総務省消防庁 別表第24 非常電源 自家発電設備の点検の基準
- 総務省消防庁 消防用設備等の点検要領 第24 非常電源 自家発電設備
- 総務省消防庁 自家発電設備・消火ポンプ等の劣化点検
- 総務省消防庁 自家発電設備の点検方法に関する改善案 資料4-3
- 内閣府 事業継続ガイドライン 令和5年3月
※本記事は公表されている法令および公的資料に基づく一般的な解説です。冷却水の錆やスケールを指摘された場合は、自己判断で調整、始動、運転継続をせず、設備仕様を把握した専門業者へ相談してください。個別の点検、整備、再始動、負荷試験、代替措置、復旧判断は、設備の仕様と施設の運用状況に応じて所轄消防署や専門家へご確認ください。





