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避難器具の標識はどんな大きさで掲げるのか|掲げる場所と地色や文字の色の基準を解説

避難器具の標識はどんな大きさで掲げるのか

マンションやビルの廊下で避難器具の格納箱の上に小さな板が掲げてあるのを見たことがあるはずです。
あれは避難器具の標識で掲げる場所も大きさも文字の色も消防庁の告示で決められています。
点検で標識を見るときもなにを満たしていれば足りるのかは告示の第五まで降りないと分かりません。
標識そのものにも条文の側から決められた形があります

格納箱の上の小さな板にも決まりがあるんですか。
ただ貼ってあるだけかと思っていました。

避難器具の標識といって消防庁の告示に決まりがあります。
掲げる場所も大きさも文字の色も書かれています。

大きさまで決まっているとは思いませんでした。
うちのが足りているのか気になってきました。

数字が出てくるのは縦と横の長さだけなのでその場で測れますよ。
掲げる場所から順に見ていきましょう。

この記事の結論
  • 避難器具の標識は直近の見やすい箇所と設置箇所に至る廊下や通路等に設けます
  • 標識の大きさは縦0.12メートル以上横0.36メートル以上とすることとされています
  • 記載するのは避難器具または避難もしくは救助の文字を有する器具名です
  • 地色と文字の色は相互に対比色として文字が明確に読みとれるものにします
  • 使用方法を表示する標識は使用方法の簡便なものにあっては設置しないことができます

避難器具の標識に決められた掲げる場所と縦横の長さと地色と文字の色を並べた図解

避難器具の標識はどこに掲げるのか

避難器具の格納箱の上に掲げた標識と通路の壁に続けて掲げた標識を並べた図
標識は器具のそばに一枚あればよいとは限りません。
たどり着くまでの通路にも掲げることが求められています。
避難器具の設置及び維持に関する技術上の基準の細目(平成8年4月16日消防庁告示第2号)第五 一 (一) 標識の設置場所は、避難器具の直近の見やすい箇所及び避難器具の設置箇所に至る廊下、通路等に設けること。ただし、避難器具の設置場所が容易にわかる場合にあっては、この限りでない。
掲げる場所は二つ書かれています
一つは避難器具の直近の見やすい箇所で、もう一つはそこに至る廊下や通路等です。
器具の前まで来た人に見せる標識と、器具のある場所まで導く標識では役割が違うからこう書き分けられています。
ただし避難器具の設置場所が容易にわかる場合にあってはこの限りでないというただし書きが付いています。
自分の建物では格納箱の真上だけでなくそこへ向かう通路の壁も一度歩いて見上げてみてください。

器具の真上に一枚あれば足りると思っていました。
通路のほうは見落としていたかもしれません。

通路の標識は器具まで導くためのものです。
格納箱から階の入口まで歩いて確かめるのが早いですよ。

標識の大きさはどれだけ必要なのか

避難器具の標識の縦と横の長さを物差しで測っている図
大きさにも数字が決められています。
好きな大きさの板を貼ればよいわけではありません。
同告示 第五 一 (二) 標識の大きさは、縦〇・一二メートル以上横〇・三六メートル以上とすること
決められているのは下限だけです
縦は0.12メートル以上で横は0.36メートル以上とされています。
センチメートルに直すと縦12センチメートル以上で横36センチメートル以上ですから、かなり横長の板を思い浮かべるとよいと思います。
上限のほうは書かれていないので、これより大きい標識を掲げることは妨げられません。
いま掲げてある標識に物差しを当ててみて、縦か横のどちらかが足りていないものが無いかを確かめてみてください。

物差しを当てたことは一度もありませんでした。
横長の板だと聞いて形が想像できました。

縦のほうが足りないことが多いので先に測ってみてください。
一枚測れば同じ建物の他の標識も見当が付きます。

標識にはなにを書けばよいのか

文字を書いた標識と器具名を書いた標識とシンボルマークの標識を並べた図
書く言葉にも決まりがあります。
ただし図記号を使う道も用意されています。
同告示 第五 一 (三) 標識には、「避難器具」又は「避難」若しくは「救助」の文字を有する器具名を記載すること。ただし、避難器具である旨が容易にわかるシンボルマークを表示した場合には、この限りでない。
言葉の選び方まで決められています
標識には避難器具と書くか、または避難もしくは救助の文字を有する器具名を記載することとされています。
避難はしごや救助袋のように器具の名前そのものが避難や救助を含んでいれば、その名前を書けば足りるという読み方になります。
ただし避難器具である旨が容易にわかるシンボルマークを表示した場合にはこの限りでないとされ、文字に代えて図記号を掲げる道も残されています。
自分の建物の標識に書かれている言葉がこの三つのどれかに当てはまるかを読み直してみてください。

つまり器具の名前を書いておけばよいということですね。

避難や救助の文字が入っている名前ならそれで足ります。
入っていない呼び名を使っているときだけ気をつけてください。

標識の地色と文字の色はどう決めるのか

地色と文字の色がはっきり分かれた標識と見分けにくい標識を並べた図
色にも一行だけ決まりがあります。
読めなければ掲げていないのと変わらないからです。
同告示 第五 一 (四) 標識の地色と文字の色は、相互に対比色となる配色とし、文字が明確に読みとれるものであること
色の名前までは決められていません
求められているのは地色と文字の色が相互に対比色となる配色であることと、文字が明確に読みとれることです。
何色にしなさいという指定ではなく、結果として読めるかどうかで判断する書き方になっています。
色あせて地色と文字の差が小さくなった古い標識は、掲げてあっても求められている状態から離れていきます。
標識から少し離れた位置に立って文字が読めるかどうかを確かめてみてください。

色が薄くなった標識が何枚か思い当たります。
あれは貼り替えたほうがよいということでしょうか。

読みとれるかどうかが基準ですから読めないなら替えどきです。
離れた位置から見て判断するのがおすすめです。

使用方法の標識は省けることがあるのか

使用方法を図と文字で示した標識と確かめている点検者を並べた図
標識は位置を示すものだけではありません。
使い方を示すものにも別の決まりが置かれています。
同告示 第五 二 二 避難器具の使用方法を表示する標識は、次によること。 (一) 標識は、避難器具の直近の見やすい箇所に設置すること。ただし、使用方法の簡便なものにあっては、設置しないことができる。 (二) 使用方法は、図及び文字等を用いてわかりやすく表示すること。
省けることがあると書かれています
使用方法の標識は避難器具の直近の見やすい箇所に設置するのが原則ですが、使用方法の簡便なものにあっては設置しないことができるとされています。
掲げる場合は図及び文字等を用いてわかりやすく表示することとされているので、文字だけで済ませる形は想定されていません。
一方で消防法施行規則第27条第1項第三号ロは避難器具設置等場所に避難器具である旨とその使用方法を表示する標識を設けることを求めていますから、省けるかどうかは器具ごとに慎重に見ることになります。
判断に迷う器具があれば掲げたままにして所轄の消防署に相談するのが確実です。

使い方の板が掲げていない器具がありました。
あれは簡便なものという扱いなんでしょうか。

簡便かどうかは器具の使い方で決まります。
迷うなら掲げたままにして所轄の消防署に確かめてください。

よくある質問

Q避難器具の標識は器具のそばだけに掲げれば足りますか?
A告示は避難器具の直近の見やすい箇所に加えて避難器具の設置箇所に至る廊下や通路等にも設けることとしています。ただし避難器具の設置場所が容易にわかる場合にあってはこの限りでないとされています。
Q標識の大きさに上限はありますか?
A告示に書かれているのは縦0.12メートル以上横0.36メートル以上という下限だけで上限は定められていません。これより大きい標識を掲げることは妨げられません。
Q文字を書かずに図記号だけの標識にしてもよいのですか?
A避難器具である旨が容易にわかるシンボルマークを表示した場合には文字を記載することを求める規定はこの限りでないとされています。
Q使用方法の標識はどんな器具でも省けますか?
A設置しないことができるのは使用方法の簡便なものに限られます。掲げる場合は図及び文字等を用いてわかりやすく表示することとされています。

まとめ

標識は避難器具の直近だけでなくそこに至る廊下や通路等にも設ける
避難器具の設置場所が容易にわかる場合についてはただし書きが付いている
標識の大きさは縦0.12メートル以上横0.36メートル以上とする
決められているのは下限で上限のほうは書かれていない
記載するのは避難器具または避難もしくは救助の文字を有する器具名
地色と文字の色は相互に対比色とし文字が明確に読みとれるものにする
使用方法の標識は使用方法の簡便なものなら設置しないことができる

今度の見回りで格納箱の上の板を物差しで測ってきます。
通路のほうも一緒に見てきます。

それだけでも十分な一歩です。
判断に迷うところが出てきたら㈱防災屋でもご相談を承っております。

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監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第27条(避難器具に関する基準の細目)第1項第三号・同条第2項
  • 避難器具の設置及び維持に関する技術上の基準の細目(平成8年4月16日消防庁告示第2号・最終改正 平成18年5月19日消防庁告示第16号)第五

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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