屋内給油取扱所の自動火災報知設備は、閉店後の警備をどう扱うのか、感知器はどこに設置すべきなのか、誘導灯のサイズに指定はあるのか、消防計画書と予防規程はどこまでの範囲で作成すればよいのかなど、実務上まとまった論点がいくつもあります。この記事では、これらを実際の質疑応答をもとに解説します。
閉店した後って、自動火災報知設備の対応は誰がするんですか?無人にしても平気ですか?
閉店後は警備会社に警備を委託することができますよ。
誘導灯って、大きいサイズじゃないとダメなんですか?
そんなことはないですよ。大形・中形・小形のいずれの種類でも差しつかえありません。
この記事の結論
- 屋内給油取扱所の自動火災報知設備は、閉店後に警備会社へ警備を委託することができる
- 一面開放の屋内給油取扱所(上階なし)の感知器は、事務所等の区画部分に加え給油又は灯油の詰替え作業場の用途に供する部分にも設置する
- 誘導灯は大形・中形・小形のいずれの種類でも差しつかえない
- 消防計画書は防火対象物全体として作成するが、予防規程は屋内給油取扱所の部分のみでよい
- 法改正で技術上の基準が付加された部分は、予防規程の変更が必要
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目次
自動火災報知設備の警備は閉店後に警備会社へ委託できる
屋内給油取扱所に自動火災報知設備を設置した場合、閉店後、警備会社に警備を委託してもよいか、という照会がありました。
委託することは可能です。営業時間中は常時従業員等が対応する前提であっても、閉店後の無人時間帯については、警備会社に警備を委託する運用が認められています。自動火災報知設備が発する警報への対応主体を、営業時間の内外で切り替えること自体は問題とされていません。
一面開放の屋内給油取扱所の感知器は事務所等と作業場の両方に設置する
一面開放の屋内給油取扱所(上階なし)の自動火災報知設備の感知器の設置場所についても、具体的な照会がありました。
| 選択肢 | 内容 |
|---|---|
| (1) | 事務所等、壁・床で区画された部分のみ |
| (2) | (1)に加えて、規則第25条の4第1項第1号の用途に供する部分(給油又は灯油の詰替えのための作業場) |
この照会に対しては、(2)によられたいと回答されています。事務所等の区画部分だけでなく、給油作業を行う作業場の用途に供する部分にも感知器を設置する必要があり、火災の発生をより広い範囲でカバーする考え方が示されています。
誘導灯は大形・中形・小形のいずれでも差しつかえない
給油取扱所に規則第38条の2に規定する誘導灯を設置する場合、大形・中形・小形のいずれのものとすべきか、という照会もありました。
いずれの種類のものでも差しつかえないとされています。給油取扱所という用途に応じた特定のサイズ指定はなく、設置場所の状況に応じて大形・中形・小形の中から適切なものを選定すればよい、という整理です。
消防計画書は防火対象物全体、予防規程は屋内給油取扱所の部分のみでよい
消防計画書と予防規程の作成範囲についても、実務上重要な照会がありました。
- 消防計画書は、屋内給油取扱所の上階の収容人員を含めて当該防火対象物全体として作成する必要がある
- 予防規程は、屋内給油取扱所の部分のみ作成すればよい
消防計画書と予防規程では、作成範囲の考え方が異なります。消防計画書は建物全体の防火管理を対象とするため上階を含めた防火対象物全体をカバーしますが、予防規程は危険物施設としての屋内給油取扱所の部分に限定して作成すればよいとされています。両者を混同して同一範囲で作成してしまわないよう注意が必要です。
技術上の基準が付加された部分は予防規程の変更が必要
法令の改正に伴い従来定められていなかった技術上の基準が付加された部分については、予防規程を変更する必要があるか、という照会もありました。
予防規程の変更が必要です。既存の予防規程がそのまま維持されるわけではなく、改正によって新たに付加された技術上の基準に対応する形で、予防規程の内容も見直し・変更することが求められます。法令改正時には、条文の変更点だけでなく、自社の予防規程が最新の基準に対応できているかも併せて確認する必要があります。
よくある質問
Q. 自動火災報知設備を設置していれば閉店後は無人でも問題ありませんか?
閉店後は警備会社に警備を委託することが認められています。常時従業員等が対応できない時間帯の対応方法として、警備会社への委託は問題ありません。
Q. 一面開放の屋内給油取扱所では感知器は事務所だけに設置すればよいですか?
事務所等の区画部分だけでは不足です。給油又は灯油の詰替えのための作業場の用途に供する部分にも感知器を設置する必要があります。
Q. 誘導灯は必ず大形にしなければなりませんか?
必ずしも大形である必要はありません。大形・中形・小形のいずれでも差しつかえないとされています。
まとめ
- 屋内給油取扱所の自動火災報知設備は閉店後に警備会社へ委託できる
- 一面開放の屋内給油取扱所の感知器は事務所等と作業場の両方に設置する
- 誘導灯は大形・中形・小形のいずれでも差しつかえない
- 消防計画書は防火対象物全体、予防規程は屋内給油取扱所の部分のみで作成する
- 法改正で技術上の基準が付加された場合は予防規程の変更が必要
消防計画書と予防規程って同じ範囲で作ればいいんですよね?
実は違うんです。消防計画書は防火対象物全体、予防規程は屋内給油取扱所の部分のみで作成しますよ。
参考・出典
- 危険物の規制に関する規則第25条の4、第38条の2 e-Gov法令検索
- 「消防実務六法 質疑応答編」(消防実務研究会編・東京法令出版)屋内給油取扱所の警備委託・誘導灯・消防計画書と予防規程に関する質疑応答を参考に、独自に解説を作成
※本記事は2026年6月時点の法令解釈に基づく一般的な解説です。個別の設計内容については所轄消防署にご確認ください。





