マンションの音声警報は、設備ごとに装置を分けるのかで手が止まります。
共同住宅用スプリンクラー設備と共同住宅用自動火災報知設備は、どちらも音声で知らせる仕組みを持っています。
盤のほうも、住棟受信機で足りるのか総合操作盤まで要るのかが読み取りにくいところです。
質疑応答が示したのは音声警報と監視の装置をどこまで一つで兼ねられるかです。
うちのマンションはスプリンクラー設備と自動火災報知設備の両方が入っています。
音声警報のスピーカーも別々に要るのでしょうか。
片方の音声警報で兼ねられる場合があります。
ただし基準を満たしていることが条件です。
盤のほうも気になっています。
高層のマンションだと総合操作盤まで必要になると聞きました。
原則は必要ですが令第32条で外せる場合もあります。
5つの回答で、音声警報と盤の考え方が一度に整理できます。
- 共同住宅用自動火災報知設備の音声警報装置は共同住宅用スプリンクラー設備の音声警報装置の基準を満たす必要があります
- 音声警報を停止できる機能を共同住宅用受信機に設けた場合でもその音声警報装置を用いることができます
- エレベーターの昇降路を含む区域は籠内又は昇降路部分から水平距離8メートル以内の音声警報装置でよいとされました
- 高層建築物や大規模建築物に当たる特定共同住宅等には総合操作盤の設置が必要です
- 同一敷地内の複数の棟を防災センター等で一括監視していれば棟ごとの住棟受信機は要しません
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目次
自動火災報知設備の音声警報でスプリンクラーの音声警報を兼ねられるか

そのとき自動火災報知設備の側の装置がどこまでの性能を求められるのかが問われました。
回答はお見込みのとおりとして、共同住宅用自動火災報知設備の音声警報装置が共同住宅用スプリンクラー設備の音声警報装置の基準を満たすことが必要であるとしました。
装置を一つで済ませられるのは、両方の基準を満たしている場合に限られることになります。
片方の基準しか満たさない装置を置いて、もう一方を省くという組み立ては通りません。
設計図書のスピーカーの仕様がどちらの告示に沿ったものかを先に確かめておくと、着工後に置き直す手戻りを防げます。
一つで済むなら安いほうを選びたくなります。
選ぶ物差しは値段ではなく満たす基準の側です。
仕様書がどちらの告示に沿った装置かを先に見てください。
音声警報を止められる受信機でも代わりに使えるか

その機能を共同住宅用受信機の側に持たせた場合の扱いが問われました。
回答は、共同住宅用受信機に音声警報を停止できる機能を設けた場合でも、お見込みのとおりとしました。
共同住宅用スプリンクラー設備の音声警報装置に代えて、その受信機の音声警報装置を用いることができることになります。
音声警報を止められること自体は、装置として使えない理由にはならないという整理です。
更新の見積りを取るときは、停止機能があることを理由に機種を外す前に、この取扱いを踏まえて候補を並べ直すと選択肢が広がります。
止められる盤は使えないものだと思い込んでいました。
止められること自体は妨げになりません。
手元の受信機の仕様書をもう一度開いてみてください。
エレベーターの昇降路を含む区域はどこから鳴らせばよいか

昇降路の中まで装置を入れることになるのかが問われました。
回答は当該警報について、エレベーター籠内又はエレベーターの昇降路部分から水平距離8メートル以内に設置された音声警報装置によることとしてよいとしました。
昇降路そのものに装置を新設しなくても、乗場の側にある近い装置でまかなえることになります。
距離の起点は籠内か昇降路部分で、そこから水平距離8メートル以内という線引きです。
各階の平面図に乗場の位置と既設のスピーカーの位置を重ねて測っておくと、増設が要るかどうかをその場で判断できます。
昇降路の中に付けるのかと身構えていました。
乗場の側の装置で足りるという整理です。
平面図で距離を測るところから始めてください。
高層建築物に当たる特定共同住宅等に総合操作盤は要るか

特定共同住宅等がこれに当たる場合の扱いが問われました。
回答は、規則第12条第1項第8号に規定する高層建築物や大規模建築物に該当する特定共同住宅等について、総合操作盤の設置が必要であるとしました。
ただし、監視・制御する設備が特定共同住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等のみで、住棟受信機等に表示を並列するだけで監視・制御が行える場合は、令第32条を適用し設置しないことができるとされています。
外せるかどうかを決めるのは建物の高さや規模ではなく、監視・制御の対象になる設備の顔ぶれのほうです。
自分の建物にどの設備が入っているかを一覧にしてから所轄消防署に相談すると、話が一度で進みます。
建物の高さだけで決まる話だと思っていました。
見るのは入っている設備の中身です。
設備の一覧を作ってから相談すると早く進みます。
同じ敷地に複数の棟があるとき住棟受信機は棟ごとに要るか

その円滑な対応ができる場合とは何を指すのかが問われました。
回答は、同一敷地内に存する複数の特定共同住宅等を防災センター等において一括で監視しており、火災発生時に迅速な対応を講ずる体制が構築されている場合等をいうとしました。
盤を一か所にまとめただけでは足りず、迅速な対応を講ずる体制まで含めて見られることになります。
監視する場所と、火災を知ってから誰がどう動くかの手順とが対になっている状態が想定されています。
消防計画の中で棟ごとの初動の担当と連絡の順番を書き出しておくと、体制があることをそのまま説明できます。
盤を一か所に集めれば済む話ではないのですね。
監視と初動の体制がそろって認められます。
消防計画の初動の手順を見直してみてください。
よくある質問
まとめ
音声警報と盤の考え方が一本につながりました。
まずは仕様書と設備の一覧をそろえてみます。
兼ねられる条件、鳴らす範囲、盤を外せる場合。
この3つを押さえれば相談が早く進みます。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 消防用設備等に係る執務資料の送付について(平成18年11月30日 消防予第500号 消防庁予防課長から各都道府県消防防災主管部長・東京消防庁・各指定都市消防長あて)
- 共同住宅用スプリンクラー設備の設置及び維持に関する技術上の基準を定める件(平成18年消防庁告示第17号)
- 共同住宅用自動火災報知設備の設置及び維持に関する技術上の基準を定める件(平成18年消防庁告示第18号)
- 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第12条
- 消防法施行令(昭和36年政令第37号)第32条
- 消防実務六法 質疑応答編
※本記事は公表されている法令および通達に基づく一般的な解説です。掲載した回答は平成18年当時のもので、告示番号や機関の名称等は当時のものです。その後の改正により運用が変わっている場合があります。個別の事案についての適用は、所轄消防署にご確認ください。





