セルフ式のガソリンスタンドで、顧客が使ってよい給油機はどれでも同じなのでしょうか。
危険物の規制に関する規則第四十条の三の十は、顧客が使える設備をあらかじめ限定していると定めています。
あわせて、一回に給油できる量や時間にも上限を設定する義務があります。
この記事では、顧客用設備の限定と表示の仕組み、そして上限を決める考え方を条文から整理します。
うちのセルフスタンドは、どの給油機を使っても同じだと思っていました。
実は顧客用固定給油設備だけに限られています。
見分け方や上限の決め方も、規則で決まっているんですか。
はい、表示の義務と数値の決め方が条文にあります。
順番に見ていきましょう。
- 顧客が自ら給油してよいのは顧客用固定給油設備・顧客用固定注油設備だけです(規則第四十条の三の十第一項第一号・第一号の二)。
- 顧客用の設備には「顧客が自ら使える」旨、それ以外には「使えない」旨の表示義務があります(規則第二十八条の二の五第五号イ・ハ)
- 一回あたりの給油量・給油時間には、適正な数値の上限を設定する義務があります(同規則第四十条の三の十第一項第二号)。
- 上限は顧客の一回あたりの利用実態を勘案して決める必要があります
- 上限を設定できる構造の要件と、数値そのものを決める判断は別の話です
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目次
セルフ給油所で顧客が使ってよい給油設備はどれか

基準になるのは、令第二十七条第六項第一号の三に基づく規則です。
従業員が操作する側の固定給油設備で、顧客自身が給油することは認められていません。
容器への詰替えも同じ考え方で、顧客用固定注油設備に限られます。
この区切りが、次に見る表示の仕組みの前提になります。
顧客用の設備以外では、給油できないんですね。
はい、顧客用固定給油設備に限られます。
次は見分け方を見ましょう。
顧客用の設備とそれ以外はどうやって見分けられるようにするのか

条文を確認します。
あわせて周囲の地盤面には、自動車等の停止位置まで表示することが義務づけられています。
ハ号は逆に、顧客用以外の設備がある場合、「顧客が自ら用いることができない」旨の表示を求める規定です。
この二重の表示があって初めて、前のセクションで見た限定使用が現場で守れる仕組みになります。
停止位置の表示も、規則で決まっていることだったんですね。
はい、地盤面の表示も義務の一部です。
次は上限の話に移ります。
一回に給油できる量や時間にも上限はあるのか

条文を確認します。
対象は顧客用固定給油設備・顧客用固定注油設備の両方で、量と時間の両方に上限が必要です。
上限は「適正な数値」でなければならず、根拠なく大きい値や小さい値を設定してよいわけではありません。
その数値をどう決めるかは、次のセクションで具体的に見ます。
上限は、店ごとに自由に決めていいと思っていました。
いいえ、適正な数値にする義務があります。
決め方を次で見ましょう。
上限の数値はどうやって決めればよいのか

確認します。
思いつきの数値ではなく、一回あたりの給油量・給油時間の実態を勘案する作業が求められます。
極端に大きい上限は想定外の長時間給油を止められなくし、極端に小さい上限は通常の利用者が給油を終えられなくします。
上限を設定できる構造の要件(規則第二十八条の二の五第二号ト)とは別に、この数値の判断は運用側の責任として残ります。
具体的には、何を根拠に数値を決めればいいんですか。
顧客の実際の利用実態を勘案します。
最後に確認の手順をまとめます。
明日からなにを確認すればよいのか

順番にチェックしてください。
- 自店の顧客用固定給油設備・顧客用固定注油設備が、従業員用の設備と明確に区別されているかを確認する
- 顧客用の設備に「顧客が自ら使える」旨の表示があるかを確認する
- 顧客用以外の設備がある場合、「顧客が自ら用いることができない」旨の表示があるかを確認する
- 給油量・給油時間(注油量・注油時間)の上限が設定されているかを確認する
- その上限が実際の利用実態を根拠にした数値になっているかを確認する
表示と上限の両方を確認すればよいのですね。
はい、表示と上限設定で確認してください。
よくある質問もあわせてご確認ください。
よくある質問
まとめ
顧客用の設備と上限の設定を、まず確認してみます!
まずは表示と上限設定から確認してください。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 危険物の規制に関する政令第二十七条第六項第一号の三
- 危険物の規制に関する規則第四十条の三の十第一項第一号・第一号の二・第二号
- 危険物の規制に関する規則第二十八条の二の五第五号
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





