「マイホームを建てようと思ったら、工務店から消防の同意が必要になるかもしれないと言われた」——そんな相談は珍しくありません。
建築確認のたびに毎回消防署の同意が要るとなると、着工までの日程も気になるところです。
実は消防法には、一定の条件を満たす一戸建て住宅であれば、この同意そのものが不要になる規定があります。
この記事では、どんな住宅が対象外になり、どんな場合に対象へ戻るのかを条文から確認します。
家を建てるだけでも消防の同意がいるんですか。
知らずに設計を進めていました。
原則は必要ですが、一戸建て住宅なら対象から外れることもあります。
まずは建てる場所の地域指定を確認しましょう。
地域指定だけで決まるなら、実家にも関係あるかもしれません。
どんな条件か教えてください。
もちろんです。
条文にそって順番に見ていきましょう。
- 建築確認や許可には、原則として消防長又は消防署長の同意が必要です。
- 防火地域及び準防火地域の外に建つ一戸建て住宅は、消防同意の対象から外れます。
- 住宅以外の用途部分が延べ面積の二分の一以上、または五十平方メートルを超えると対象に戻ります。
- 長屋や共同住宅には、この対象外の扱いはそもそも適用されません。
- 対象になるかどうかは、着工前に必ず確認しておく必要があります。
▼

目次
家を建てるときも消防の同意は必要なのか

このとき消防法は、確認の前に消防長又は消防署長の同意を得ることを義務づけています。
これは消防法第7条第1項に基づく仕組みで、建築主事や指定確認検査機関は、同意が得られない限り確認や許可を行うことができません。
つまり建築確認と消防同意はセットの手続きだということです。
戸建て住宅を新築する場合も、この原則がまず出発点になります。
ただし次に見るとおり、住宅には例外の規定が用意されています。
確認と同意はセットだったんですね。
知りませんでした。
はい、原則はそうです。
例外もあるので次で確認しましょう。
どんな住宅なら消防同意の対象から外れるのか

一戸建て住宅が一定の区域にあれば、この同意の手続きそのものが省略されます。
防火地域・準防火地域は都市計画法上の指定で、市区町村の都市計画図で確認できます。
この指定の外側にある住宅であれば、消防長等の同意を経ずに確認手続きへ進めます。
ここでいう住宅は、区分所有や賃貸ではない、いわゆる一戸建てを指します。
次の章では、この一戸建てという条件が崩れるケースを見ていきます。
土地が防火地域に入っているかは、どこで見ればいいですか。
市区町村の都市計画図で地域指定を確認できます。
窓口や公式サイトで調べられますよ。
店舗を併設すると同意の扱いはどう変わるのか

用途や規模によっては、対象外の扱いから外れて同意が必要に戻ります。
延べ面積の半分以上を住宅以外の用途が占める場合、または住宅以外の部分が五十平方メートルを超える場合は、この施行令の規定により消防同意が必要な住宅に戻ります。
店舗併用住宅や、一部を事務所にしている住宅は特に注意が必要です。
増築やリフォームで用途の割合が変わったときも、判定をやり直す必要があります。
建てたときは対象外でも、あとから戻ることがある点は見落としやすいところです。
一階だけ店舗にする計画なんですが、これも対象になりますか。
店舗部分の床面積次第です。
延べ面積の割合と五十平方メートルの両方を確認しましょう。
長屋や共同住宅も同じように扱われるのか

長屋や共同住宅は、この対象外の規定の入り口にすら立てません。
条文はかっこ書きで「長屋、共同住宅その他政令で定める住宅を除く」と明記しており、防火地域の外にあっても同意は必要なままです。
二世帯住宅のように見えても、各住戸が独立した長屋の構造であれば同じ扱いになります。
建物の名称や見た目ではなく、構造上の区分で判定される点に注意してください。
迷う場合は、設計段階で建築士や消防署に確認しておくと安心です。
二世帯住宅は長屋になるんでしょうか。
各住戸の独立性など構造で判断されます。
設計段階で確認しておきましょう。
着工前に何を確認すればよいのか

仮に消防同意が必要になった場合の手続きの目安も押さえておきましょう。
都市計画図で防火地域・準防火地域の指定を、設計図で住宅以外の用途部分の床面積をそれぞれ確認します。
対象外に当たらず同意が必要な場合でも、消防長等は三日または七日以内に同意するかどうかを回答する仕組みになっています。
着工スケジュールへの影響を減らすためにも、早い段階で確認しておくことが大切です。
判断に迷うときは、設計担当者や所轄消防署に相談してください。
地域指定と床面積、両方を早めに調べておきます。
それが一番の近道です。
迷ったら㈱防災屋にもご相談ください。
よくある質問
まとめ
消防の同意が必要かどうか、まず自分の土地を確認してみます。
お役に立てたなら何よりです。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法第7条
- 消防法施行令第1条
- 都市計画法第8条第1項第5号
※本記事は公表されている法令に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





