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消防設備士免状の書換えと再交付はどこに定めがあるのか|危険物取扱者免状とは別の政令が適用される理由を解説

消防設備士免状の書換えと再交付はどこに定めがあるのか危険物取扱者免状とは別の政令が適用される理由を解説する記事のアイキャッチ画像

消防設備士免状にも、危険物取扱者免状と同じように記載事項の変更や紛失にそなえた書換え・再交付の手続きがあります。
ただし、根拠になる政令は同じではありません。
危険物取扱者免状は危険物の規制に関する政令が定めていますが、消防設備士免状はそれとは別の政令が定めています。
消防法施行令が消防設備士免状専用の章を設けて交付から再交付までを定めているのがポイントです。

点検を頼んでいる消防設備士さんの免状の住所が変わったそうです。
以前読んだ危険物取扱者免状の記事と同じ手続きでいいですか。

同じではありません。
消防設備士免状は消防法施行令が定める別の手続きになります

条文も申請書の様式も違うということですか。

はい、そのとおりです。
消防設備士免状の書換えと再交付を順番に見ていきましょう。

この記事の結論
  • 消防設備士免状は消防法施行令第36条の3から第36条の8という専用の章で交付・書換え・再交付を定めています
  • 免状の記載事項に変更が生じたときは、遅滞なく書換えを申請しなければなりません(義務)
  • 免状を亡失し、滅失し、汚損し、又は破損したときは、再交付を申請することができます(任意)
  • 申請書の様式は別記様式第一号の四で、危険物取扱者免状の様式第23号とは番号の付け方からして異なります
  • 免状の写真は撮影から10年以内のものでなければならず、これも記載事項として書換えの対象になります

消防設備士免状の書換えと再交付の流れを示す図解。記載事項の変更・書換えか再交付か・写真を添えて申請・新しい免状を受領の4段階を整理

消防設備士免状の手続きは危険物取扱者免状と同じなのか

消防設備士免状と危険物取扱者免状を並べてそれぞれ別の申請書を用意しているイメージ
消防設備士免状は、消防法第17条の7を根拠に都道府県知事が交付します。
交付のあとの書換え・再交付についても、危険物取扱者免状とは別に専用の規定が置かれています。
消防法施行令第36条の3 法第十七条の七第一項の消防設備士免状(以下この章において「免状」という。)の交付を受けようとする者は、申請書に総務省令で定める書類を添えて、当該免状に係る消防設備士試験を行つた都道府県知事に提出しなければならない。
消防設備士免状には専用の章があります
危険物取扱者免状の書換え・再交付は危険物の規制に関する政令が定めていますが、消防設備士免状は消防法施行令そのものの中に専用の章(第36条の3〜第36条の8)を持っています。
条文の場所そのものが違うため、危険物取扱者免状の記事で読んだ条番号をそのまま消防設備士免状に当てはめることはできません。
点検業者や自社の消防設備士が複数の免状を持っている場合は、どちらの制度の話をしているのかをまず確認する必要があります。

危険物取扱者と消防設備士の両方の免状を持っている人もいますよね。

います。
免状ごとに手続きが分かれているので注意が必要です

記載事項が変わったらどうすればよいのか

消防設備士免状の記載事項の変更を都道府県の窓口へ届け出るイメージ
消防設備士免状には、氏名や生年月日、本籍地の属する都道府県などが記載されています。
これらが変わったとき、免状をそのまま使い続けてよいわけではありません。
消防法施行令第36条の5 免状の交付を受けている者は、免状の記載事項に変更を生じたときは、遅滞なく、当該免状に総務省令で定める書類を添えて、当該免状を交付した都道府県知事又は居住地若しくは勤務地を管轄する都道府県知事にその書換えを申請しなければならない
記載事項の変更は義務として書換えが必要です
「遅滞なく」とあるとおり、これは任意ではなく法律上の義務です。
申請先は免状を交付した都道府県知事に限らず、居住地または勤務地を管轄する都道府県知事でもかまいません。
対象になる記載事項には氏名・生年月日・本籍地の属する都道府県・免状の種類のほか、規則第33条の5第2項が定める写真も含まれます。
引っ越しや転勤のたびに交付元の都道府県まで出向く必要はないということです。

本籍地の都道府県が変わっただけでも書換えの対象になるんですか。

はい、対象になります。
記載事項であれば内容の大小を問わず書換えが必要です

免状をなくしたり傷めたりしたらどうなるのか

汚損した消防設備士免状と紛失して困っている様子を対比したイメージ
記載事項そのものではなく、免状という現物をなくしたり傷めたりしたときは、書換えとは別の手続きになります。
消防法施行令第36条の6 免状の交付を受けている者は、免状を亡失し、滅失し、汚損し、又は破損した場合には、総務省令で定めるところにより、当該免状の交付又は書換えをした都道府県知事にその再交付を申請することができる
現物の亡失や破損は再交付で対応します
書換えが「申請しなければならない」という義務規定であるのに対し、再交付は「申請することができる」という任意規定にとどまります。
汚損・破損での再交付は、申請書に当該免状そのものを添えて提出することが求められ、亡失のときだけ免状を添付できません。
免状を亡失してから再交付を受けたあとで元の免状を見つけた場合には、勝手に処分せず10日以内に再交付をした都道府県知事へ提出する義務があります。

免状を落として汚してしまったら、これは書換えと再交付のどちらになりますか。

汚損は再交付にあたります。
申請書に汚れた免状を添えて都道府県知事へ提出してください。

危険物取扱者免状と混同しやすいのはどこか

算用数字の申請書様式と漢数字の申請書様式を見比べているイメージ
書換え・再交付という手続きの名前が同じなので、危険物取扱者免状の知識をそのまま流用してしまいがちです。
しかし申請書の様式番号からして違います。
消防法施行規則第33条の6第1項 令第三十六条の五に規定する免状の書換えの申請は、別記様式第一号の四の申請書によつて行なわなければならない。
様式の番号の付け方そのものが違います
危険物取扱者免状の書換え・再交付は危険物の規制に関する規則が定める様式第23号(算用数字)ですが、消防設備士免状は消防法施行規則が定める別記様式第一号の四(漢数字)です。
再交付の申請書も同じ様式第一号の四を使い、汚損・破損のときは当該免状を、それ以外のときは写真を添えて提出します。
どちらの免状も持つ消防設備士が多い現場では、申請書を取り違えると窓口で受理されないことがあるため、様式番号まで確認したほうが確実です。

以前教わった様式第23号の申請書を、消防設備士さんにも渡してしまうところでした。

それは危険物取扱者免状用の様式です。
消防設備士免状には別記様式第一号の四を使ってください

明日からなにをすればよいのか

消防設備士免状の交付日を確認するチェックリストを持つ担当者のイメージ
制度を知っただけでは手続きは進みません。
まずは免状の状態を確かめるところから始めます。
消防法施行規則第33条の6第4項 (略)都道府県知事が住民基本台帳法の規定によりマイナンバーカードに係る本人確認情報の提供を受けるとき又は利用するときは、前項第二号に掲げる書類を添付することを要しない
まずは免状の交付日と記載事項を確認しましょう
免状に書かれた交付年月日から写真の撮影後10年が近ければ、記載事項の変更がなくても書換えを検討する時期です。
氏名変更にともなう書換えは、都道府県知事がマイナンバーカードの情報連携を利用する場合、証明書類の添付を省略できることがあります。
窓口に出向く前に、居住地・勤務地・交付元のどの都道府県知事に申請できるかと、様式が別記様式第一号の四であることをあわせて確認しておくと二度手間になりません。

マイナンバーカードがあれば、消防設備士免状の書換えでも書類を減らせるんですね。

氏名変更の書換えでは省略できる場合があります。
詳しくは申請先の都道府県の窓口で確認してください

よくある質問

Q消防設備士免状の書換えは危険物取扱者免状と同じ様式で申請できますか?
Aできません。消防設備士免状は消防法施行規則が定める別記様式第一号の四を使い、危険物取扱者免状の様式第23号とは別のものです。
Q記載事項が変わったら、いつまでに書換えを申請すればよいですか?
A消防法施行令第36条の5は「遅滞なく」書換えを申請しなければならないと定めています。具体的な日数は示されていませんが、変更に気づいたら速やかに申請するのが原則です。
Q免状を汚してしまっただけでも再交付を申請できますか?
Aできます。消防法施行令第36条の6は汚損・破損も再交付の事由として定めており、この場合は申請書に汚れた免状そのものを添えて提出します。
Qなくした免状の再交付を受けたあとで元の免状が見つかったらどうすればよいですか?
A消防法施行令第36条の6第2項により、発見した日から10日以内に再交付を受けた都道府県知事へ提出しなければなりません。

まとめ

消防設備士免状は消防法施行令第36条の3〜第36条の8という専用の章で定められています
記載事項が変わったら遅滞なく書換えを申請する義務があります
免状の亡失・滅失・汚損・破損は再交付で対応します(任意)
申請書の様式は危険物取扱者免状の様式第23号とは異なる別記様式第一号の四です
免状の写真は撮影から10年以内のものでなければなりません
亡失後に発見した免状は10日以内に都道府県知事へ提出する義務があります
申請先は交付元に限らず居住地・勤務地を管轄する都道府県知事でもかまいません

危険物取扱者免状と消防設備士免状は、根拠になる条文も申請書の様式も別だとわかりました。
消防設備士さんにも様式を確認してもらいます

記載事項の変更は書換え、紛失や破損は再交付です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防法第17条の7(消防設備士免状の交付・第13条の2第4項〜第7項の準用)
  • 消防法施行令第36条の3(免状の交付の申請)・第36条の5(免状の書換え)・第36条の6(免状の再交付)・第36条の7(総務省令への委任)
  • 消防法施行規則第33条の5(免状の様式及び記載事項)・第33条の6(免状の書換えの申請書の様式等)・第33条の7(免状の再交付の申請書の様式等)
  • 危険物取扱者・消防設備士 免状の書換え・再交付(東京消防庁)

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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