ガス漏れ検知器は、置く場所で性能が決まる設備です。
基準には燃焼機器等からの水平距離が書かれていますが、どこを起点に測るのかまでは書かれていません。
吸気口の付近に要るのかどうかも、ガスの重さで答えが変わります。
質疑応答が示したのはガスがどう流れるかで置き場所を決めるという考え方です。
検知器までの距離を測るとき、コンロのどこから測ればいいのでしょうか。
機器の端なのか、火が出るところなのか分かりません。
火が出るところです。
バーナー部分の中心からの水平距離とするという回答が出ています。
換気の吸気口の近くにも必ず要ると聞きました。
そこは条件付きです。
ガスの比重と吸気口の高さで変わります。5つの回答を順に見ていきます。
- 距離の起点はバーナー部分の中心で、未使用ガス栓はガス栓の中心です
- 水平距離は空気より重いガスで4メートル、軽いガスで8メートルとされました
- 密閉式バーナーは空気取り入れ口が室内側に面していなければ免除して差し支えないとされました
- 比重が1を超えるガスなら吸気口付近に検知器を設ける必要はありません
- 吸気口付近に設ける場合の距離はおおむね1.5メートル以内です
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目次
検知器までの距離はどこから測るか

しかし機器のどの部分を起点にするのかまでは書かれていません。
(1) 単一バーナーの燃焼機器(ア 調理用一口ガスコンロ、ガスオーブン/イ ボイラー等の大型のもの)
(2) 複数バーナーを有する燃焼機器(ア 調理用(営業用のものを含む。)ガスコンロ/イ 焼却炉等)
(3) 未使用ガス栓
(4) ガス栓からゴムホース等により燃焼機器に接続されているため、燃焼機器の位置が定まらないもの
(2) バーナー部分の中心からの水平距離とする。なお、次の図を参照されたい。(図2。ℓ=バーナー部分の中心からの水平距離。空気より重いガスの場合4メートル、軽いガスの場合8メートル。注)この場合、検知器は斜線部分の範囲内に設ければ2個で足りる。)
(3) ガス栓の中心からの水平距離とする。なお、次の図を参照されたい。(図3)
(4) ウの未使用ガス栓の例によられたい。
機器の外形ではありません。バーナー部分の中心から水平距離を測ります。
大型のボイラーでも、営業用の複数口コンロでも同じです。機器が大きいほど外形との差が出るので、ここを取り違えると距離が足りなくなります。
未使用のガス栓には燃焼機器がありません。その場合はガス栓の中心からの水平距離とされました。ホースでつないでいて位置が定まらない機器も、同じくガス栓を起点にします。
建物側で確かめておきたいのは、厨房の図面に検知器とバーナーの位置が両方書き込まれているかどうかです。片方しかない図面では距離を検証できません。
大きいボイラーだと、端から測るか中心から測るかで結構ちがいますね。
そこが分かれ目になります。
厨房の図面に検知器とバーナーの位置が両方あるか見てください。
密閉式バーナーの空気取り入れ口にも要るか

その空気取り入れ口の付近にも検知器が要るのか。
条件は1つだけです。空気取り入れ口が室内側に面していないこと。
理由は素直です。密閉式バーナーは燃焼室が室内と切り離されています。取り入れ口が屋外を向いていれば、そこから室内にガスが漏れ出す経路になりません。
逆にいえば取り入れ口が室内を向いていれば免除の対象になりません。同じ密閉式でも据付け方で結論が変わります。
自分の建物でやることは1つです。給湯器の給排気がどちらを向いているかを現物で見る。図面では分からないことがあります。
同じ給湯器でも、据え付け方で変わるということですね。
そのとおりです。
給排気がどちらを向いているか現物で見てください。
図面では分からないことがあります。
重いガスでも吸気口付近に要るか

しかしガスが空気より重ければ、天井や床面付近の吸気口へは流れません。
判断の材料は空気に対する比重です。1を超えるガス、つまり空気より重いガスであれば、設ける必要はないとされました。
液化石油ガスがこれにあたります。漏れれば下に溜まるので、上向きの気流に乗って吸気口へ向かうという想定が立ちません。
逆に都市ガスのように空気より軽いガスでは吸気口付近が意味を持ちます。同じ建物でもガス種が変われば設計が変わります。
建物側で押さえておきたいのは、自分の建物で使っているガスが重いのか軽いのかです。都市ガスと液化石油ガスが混在している建物もあります。
ガスが上に行くか下に溜まるかで設計が変わるんですね。
そこがすべての出発点です。
都市ガスと液化石油ガスが混在している建物もあるので確かめてください。
吸気口と検知器の距離はどれくらいか

では、その付近とはどのくらいの距離を指すのか。
数値はおおむね1.5メートル以内。付近という言葉に具体的な物差しが与えられました。
そのうえで条件がもう1つ付きます。ガスの流動方向に沿う方向に設けること。
距離だけを満たしても、燃焼機器と吸気口を結ぶ流れから外れた位置に置けば意味がありません。向きまで含めて条件です。
点検のときに確かめられます。燃焼機器と吸気口と検知器が一直線の関係になっているか。図面に3点を書き込んで業者に説明してもらってください。
距離が足りていても向きが外れていたら意味がないわけですね。
回答にはっきり書かれています。
燃焼機器と吸気口と検知器の3点を図面に書き込んでもらってください。
天井から少し下がった吸気口にも要るか

天井から少し下がった壁面にある場合はどう扱うのか。
(下図の注)検知対象ガスの空気に対する比重が1未満の場合。
比重が1未満、つまり空気より軽いガスの場合の話です。前の項目と条件が入れ替わっている点に注意してください。
軽いガスは天井に溜まります。だから天井付近の吸気口には意味があります。しかし0.6メートル下がった位置になると、溜まった層から外れます。
つまり吸気口があるかどうかではなく高さで決まるということです。壁面の吸気口を一律に対象と考える必要はありません。
自分の建物では、吸気口の高さを実測しておくと業者との話が早くなります。天井付近か、下がっているか。それだけで結論が分かれます。
吸気口があれば全部対象だと思い込んでいました。
そこは高さで決まります。
吸気口の高さを実測しておくと話が早くなります。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
よくある質問
まとめ
置き場所の理屈が分かると点検票の見え方が変わりますね。
すっきりしました。
ガスの重さ、バーナーの位置、そして吸気口の高さ。
この3つを図面に書き込めば設計の根拠が追えます。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
- ガス漏れ火災警報設備に係る疑義について(昭和56年12月18日 消防予第299号 消防庁予防救急課長から各都道府県消防主管部長あて回答)
- 消防法施行令第21条の2
- 消防法施行令第32条
- 消防法施行規則第24条の2の3
- 消防実務六法 質疑応答編
※本記事は公表されている法令および通達に基づく一般的な解説です。掲載した回答は昭和56年当時のもので、通知番号や機関の名称等は当時のものです。その後の改正により運用が変わっている場合があります。個別の事案についての適用は、所轄消防署にご確認ください。





