ガスを扱っていれば必ずガス漏れ火災警報設備が要る、というわけではありません。
すでに別の法律で警報設備を入れている建物もあります。
燃やさずに使うガスもあります。
質疑応答が示したのは同じ機能があるなら重ねて求めないという整理です。
ガス会社の指導で警報設備をすでに入れています。
それとは別に消防法のものも要るのでしょうか。
条件を満たせば重ねて要りません。
ガス漏れ火災警報設備を設置したものとみなしてさしつかえないという回答が出ています。
その条件が知りたいです。
検定と検査に合格したものかどうかです。
対象になるガスと建物の範囲を、5つの回答で順に見ていきます。
- ガス事業法により設置された警報設備は、検定と検査に合格したものであれば設置したものとみなしてさしつかえないとされました
- 冷凍用の熱交換器に使い燃焼させないガスは設置対象となりません
- 液化石油ガスを3000キログラム以上消費するものは燃料用として消費する場合に設置を要します
- 消防長又は消防署長が指定するものは令第21条の2第1項各号の防火対象物又はその部分に限られます
- ガス導管の貫通部は図の形によって設置を要する部分が変わります
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目次
ガス事業法の警報設備があれば足りるか

その建物が消防法の対象にもなる場合、二重に設置することになるのか。
理由が明快です。条件を満たしたガス漏れ警報設備はガス漏れ火災警報設備と同一のものである、と言い切っています。
条件は部位ごとに分かれています。中継器と受信機は検定に合格していること。検知器は、都市ガス用と液化石油ガス用で確認する団体が違います。
つまり機器の由来ではなく、合格しているかどうかで見ています。ガス会社の指導で入れた設備でも、条件を満たせば消防法の設備として数えられます。
建物側でやることは1つです。既設の警報設備について、受信機と検知器の合格の表示を業者に確認してもらう。それが二重投資を避ける根拠になります。
入れた経緯ではなく合格しているかで見るんですね。
そのとおりです。
既設の受信機と検知器の合格表示を確認してもらってください。
燃やさずに使うガスは対象になるか

冷凍設備の熱交換器のように、燃やさずに使う場合もあります。
回答は短く、対象とはならないと言い切っています。条件は問いの中に書かれた燃焼はしないという点です。
ガス漏れ火災警報設備は名前のとおり火災を想定した設備です。燃焼させない使い方であれば、火源と結びつきません。
ただし消防法の対象外というだけで危険がないという意味ではありません。高圧ガス保安法など別の法律の管理は残ります。
建物側で気をつけたいのは、後から燃焼機器を足したときです。同じ建物で用途が増えれば前提が変わります。設備を追加するときは消防設備の側も見直してください。
対象外でも別の法律の管理は残るということですね。
そこは切り離して考えてください。
後から燃焼機器を足したときは消防設備の側も見直します。
液化石油ガスを大量に消費する場合はどうか

その区分に当たる建物には、消防法の設備も要るのか。
そのままお見込みのとおりとは書かれていません。燃料用として消費する場合という限定が付いています。
前の項目と裏表の関係です。燃やさずに使うなら対象外。燃料として使うなら対象になる。量ではなく使い方で線を引いています。
3000キログラムという数字は、あくまで問いの側の前提です。回答はその数字に触れず、使い方だけを条件にしました。
自分の建物では、液化石油ガスを何に使っているかを整理しておいてください。厨房なのか、工程で加熱に使うのか、それとも冷媒なのか。答えが分かれます。
量ではなく使い方で決まるというのが一本通っていますね。
この章はその考え方で貫かれています。
液化石油ガスを何に使っているか整理しておいてください。
消防長が指定するものの範囲はどこまでか

その指定は、どの建物にも及ぶのか。
すべての防火対象物ではありません。令第21条の2第1項各号に掲げる防火対象物又はその部分に限られます。
つまり、そもそも設置義務がかかり得る範囲の中での指定だということです。義務のない建物を指定で引き込むことはできません。
実務では歯止めとして働きます。指導を受けたときに根拠を確かめる材料になります。
自分の建物が令第21条の2第1項各号のどれに当たるのか。あるいは当たらないのか。指定の話が出たときは、まずそこから確認してください。
指定にも上限があるというのは初めて知りました。
指導を受けたときの確認材料になります。
自分の建物がどの号に当たるかを先に押さえてください。
ガス導管の貫通部には設置が要るか

その貫通部に検知器が要るのかが問われました。
(1) 令別表第一(16の3)項に掲げる防火対象物で下図の場合(Ⓐ〜Ⓓはそれぞれ8メートル以上離れている。)
ア 地下道の上に対象物Aと対象物Bが並び、ガス導管がⒶⒷⒸⒹを通る場合
イ 対象物Aと対象物Bにそれぞれ外壁があり密着している場合
(2) 令別表第一(5)項イに掲げる防火対象物で下図の場合(地階平面図。耐火構造の壁で仕切られたA室B室C室にガス導管がⒶⒷⒸⒹを通り、Ⓓは外壁の位置にある)
(2) Ⓓの部分に設置を要する。
(1)は地下街に複数の防火対象物が並ぶ形です。この場合はⒶ〜Ⓓの各部分、つまりすべての貫通部に設置を要するとされました。
(2)は1つの建物の地階を耐火構造の壁で仕切った形です。こちらはⒹの部分だけでよいとされています。図ではⒹが外壁の位置にあたります。
同じ貫通部でも、別の防火対象物との境なのか、同じ建物の中の間仕切りなのかで扱いが分かれています。
これは図が前提の回答です。自分の建物に当てはめるときは、ガス導管の経路を平面図に落として所轄に相談してください。言葉だけでは話がかみ合いません。
うちのガス導管がどこを通っているか、把握していませんでした。
そこが出発点になります。
ガス導管の経路を平面図に落としてから相談してください。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
よくある質問
まとめ
要る要らないの線引きが一本につながりました。
すっきりしました。
既設の設備の合格表示、ガスの使い方、そして導管の経路。
この3つを押さえれば二重投資を避けられます。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
- ガス漏れ火災警報設備に係る疑義について(昭和56年12月18日 消防予第299号 消防庁予防救急課長から各都道府県消防主管部長あて回答)
- 消防法施行令第21条の2
- 消防法施行規則第24条の2の2
- 消防法施行規則第24条の2の3
- ガス事業法
- 高圧ガス取締法第24条の2(当時)
- 消防実務六法 質疑応答編
※本記事は公表されている法令および通達に基づく一般的な解説です。掲載した回答は昭和56年当時のもので、法令名や通知番号、機関の名称等は当時のものです。高圧ガス取締法は現在の高圧ガス保安法にあたります。その後の改正により運用が変わっている場合があります。個別の事案についての適用は、所轄消防署にご確認ください。





