連結送水管は、消防隊が地上の送水口からポンプ車の水を送り込み、上の階の放水口にホースをつないで消火するための設備です。
放水口をどの階のどこに付けるのか、送水口をいくつ設けるのかは、建物の形によって迷いやすいところです。
昭和46年から昭和53年にかけて、消防庁はスキップ型式の共同住宅やアーケードについての照会に回答しました。
そこから読み取れるのは放水口は消防隊が使える位置に置き送水口は立管ごとに設けるという考え方です。
うちの共同住宅は、階段が止まる階にしか共用廊下がありません。
廊下のない階にも放水口を付けないといけないのでしょうか。
スキップ型式の住棟については、4つの事項を満たせば共用廊下のある階のみでよいと回答されています。
まずは放水口から各住戸までの歩行距離を図面で測ってみてください。
送水口のほうも聞かせてください。
敷地に棟が2つあるので、まとめて1か所にできると助かります。
そちらは認められないと回答されています。
昭和46年から昭和53年に示された5つの照会を、順に見ていきます。
- スキップ型式の共同住宅の放水口は4つの事項を満たせば共用廊下のある階のみに設けてさしつかえないとされました
- 相離れた位置に2以上の連結送水管を設ける場合の送水口はそれぞれの立管ごとに設けなければならないとされました
- 2棟に連結送水管を設ける場合に送水口を1ケ所で両棟兼ねることは認められないとされています
- 7階建の防火対象物は7階部分がビル所有者の住居であっても連結送水管の設置が必要とされました
- 延長50メートル以上のアーケードは構造のいかんにかかわらず原則として全て設置を要するとされました
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目次
スキップ型式の共同住宅では共用廊下のある階だけに放水口を設けてよいか

廊下のない階の放水口を省略できるかが問われました。
根拠は消防法施行令第32条の規定を適用するという考え方です。
条件は、放水口をエレベーター乗降ロビーに設けること、防火対象物の各部分から一つの放水口までの歩行距離が50m以下であること、放水口が双口形であること、放水口の上部に赤色の位置表示燈を設けることの4つです。
照会は日本住宅公団建築部からの申し入れを受けて東京都が出したもので、回答はお見込みのとおりとされました。
ご自分の住棟では、まず各住戸の玄関から最も近い放水口までの歩行距離を図面で追ってみてください。
階の数ではなく、距離と設備の形で見るのですね。
廊下が無い階でも、近くの階から届けばよいということでしょうか。
そのとおりです。
この回答は4つの事項をすべて満たすことが前提になっています。
位置表示燈が点いているかも、あわせて見ておいてください。
離れた位置に2つの連結送水管を設けるとき送水口は立管ごとに要るか

そのとき地上の送水口を何か所にするかが問われました。
連結送水管は、送水口から立ち上がる立管を通って各階の放水口へ水を届ける仕組みです。
立管が2系統に分かれていれば、水を入れる口もそれぞれに必要になるという整理です。
設問は大規模防火対象物で相離れた位置に2以上の連結送水管を設ける場合を尋ねたもので、回答はお見込みのとおりとされました。
系統図を開いて、立管の本数と送水口の数が一致しているかを数えてみてください。
立管が2本あるのに送水口が1つだと、片方に水が行きませんね。
数を合わせておく必要があるということですね。
そのとおりです。
系統図の立管と、外壁に付いている送水口を突き合わせてください。
数が合わないときは所轄消防署にご相談ください。
2棟に連結送水管を設けるとき送水口は1か所で兼ねられるか

送水口を1か所にまとめて両棟で共用できるかという問いです。
前段の立管ごとという整理を、棟の単位にも当てはめた回答です。
2棟に連結送水管を設けるのであれば、送水口もそれぞれの棟に必要になります。
敷地の入口に近いところへ1ケ所だけ設けて済ませるという設計は、この回答では認められないとされました。
複数棟をお持ちの場合は、棟ごとに送水口があるかを現地で確かめてください。
つまり、棟が別なら送水口も別ということですね。
まとめて置いたほうが分かりやすいと思っていました。
消防隊はその棟の前にポンプ車を着けて送水します。
だからこそ棟ごとに口が要るという整理です。
まずは棟の数と送水口の数を数えてみてください。
7階建で7階が所有者の住居でも連結送水管は必要か

住居部分だからという理由で外せるのかが問われました。
連結送水管は消防隊が使う消火活動上必要な施設で、そこに誰が住んでいるかで要否が変わるものではありません。
設問は7階建の防火対象物で7階部分がビル所有者の住居である場合を尋ねたもので、回答は必要とされました。
所有者の自宅だから点検も要らないと考えてしまうと、未点検のまま年数が過ぎることになります。
上階を自宅にしている建物では、住居部分の放水口も点検の対象に入っているかを確かめてください。
自分の家だから別扱いになる、ということはないのですね。
点検のときに立ち入りを断っていたかもしれません。
設備としては建物全体で1つのものです。
次回の点検では、住居部分の放水口まで見てもらってください。
延長50メートル以上のアーケードにも連結送水管は必要か

道路の片側だけを覆うものまで含まれるのかが問われました。
根拠は令第29条で、延長50メートル以上のアーケードが対象になります。
道路の両側を覆うものも、片側だけを覆うものも、原則としてどちらも設置を要するとされました。
ただし当該アーケードと側面建築物との関係からみて、令第32条の規定を適用することは可能であるとも示されています。
商店街の管理に関わっている方は、アーケードの延長が50メートルを超えていないかをまず測ってください。
片側だけの屋根でも対象になるのですね。
それでも緩和の余地は残されているということでしょうか。
側面の建築物との関係次第では令第32条を適用できるとされています。
判断は所轄消防署が行いますので、延長を測ったうえでご相談ください。
よくある質問
まとめ
放水口と送水口の置き方が整理できました。
まずは系統図で立管の本数を数えてみます。
ぜひそうしてください。
放水口は消防隊が使える位置に置き送水口は立管ごとに設けるのが基本です。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- スキップ型式共同住宅に設置する連結送水管について(昭和46年5月17日 消防予第76号 予防課長から東京都あて回答)
- 連結送水管の設置について(昭和48年10月23日 消防予第140号・消防安第42号 予防課長・安全救急課長から各都道府県消防主管部長あて回答)
- 同前(昭和48年10月23日 消防予第140号・消防安第42号 予防課長・安全救急課長から各都道府県消防主管部長あて回答)
- 連結送水管〔アーケードに設置する連結送水管について〕(昭和53年9月9日 消防予第179号〔13〕 予防救急課長から各都道府県消防主管部長あて)
- 消防法施行令第29条/消防法施行令第32条
- 消防実務六法 質疑応答編
※本記事は公表されている法令および通達に基づく一般的な解説です。掲載した回答は各通知が発出された当時のもので、通知番号や機関の名称等は当時のものです。その後の改正により運用が変わっている場合があります。個別の事案についての適用は、所轄消防署にご確認ください。





