銀行の窓口や美容室、動物病院を訪ねた消防の担当者から「ここは(15)項になります」と言われて、ぴんとこなかったことはないでしょうか。
消防法施行令の別表第一には(1)項から(14)項まで具体的な用途が並んでいますが、そのどれにも当てはまらない建物は最後にまとめて(15)項として扱われます。
業種の名前だけでは判断できず、建物の使われ方を一つずつ確かめて初めて分かる区分です。
この記事では(15)項の判定基準と、防火管理者や防炎規制がどう関わってくるのかを整理します。
うちは店舗じゃないので、消防とは関係ないと思ってました。
物品を売らない建物でも、(15)項として消防法の対象になります。
まずは自分の建物がどの用途に当たるか、一緒に確認していきましょう。
うちの事務所も(15)項になるんでしょうか。
事務所や銀行、美容室の多くは(15)項に区分されます。
どんな考え方で判定するのか、この記事で順番に見ていきます。
- (15)項は「(1)項から(14)項までに当てはまらない事業所」をまとめて受け止める区分です
- オフィス・銀行・美容室のように、物品を販売しない事業所の多くがここに含まれます
- 収容人員は従業者数と床面積按分で算定し、50人以上になると防火管理者の選任が必要になります
- 防炎規制の義務は原則ありませんが、高さ31mを超える高層建築物では別の規定で義務が生じます
- 店舗など他の用途が混ざると複合用途の(16)項に切り替わり、設備基準が変わることがあります
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目次
(15)項とはどんな防火対象物を指すのか

その一覧のどれにも当てはまらない建物だけが、最後に残る区分として扱われます。
消防法施行令別表第一は(1)項から(14)項まで、用途ごとに細かく分かれています。
そのどれにも当てはまらない建物が、最後に(15)項として扱われる仕組みです。
つまり(15)項という業種があるわけではなく、消去法で決まる区分だと考えると分かりやすくなります。
自分の建物がここに入るかどうかは、まず(1)項から(14)項までの一覧に当てはまらないかを確認することから始まります。
うちは店を持ってるわけじゃないので、これまで気にしたことがなかったです。
業種の名前ではなく、消去法で決まる区分です。
まずは(1)項から(14)項までの一覧に当てはまらないかを確認してみましょう。
どんな業種が実際に(15)項として扱われるのか

具体例で見ていくと、意外な業種がここに入ることが分かります。
たとえば銀行の窓口や事務所ビルは、商品を並べて販売する店舗ではないため(4)項には当たりません。
美容室やエステサロンも、施術というサービスの提供が中心で物品販売が主目的ではないため、多くは(15)項として扱われます。
動物病院も、(6)項イが対象とする病院・診療所は人の患者を診る施設を指すため、当てはまりません。
このように(1)項から(14)項までの用途に一つも当てはまらないかを一つずつ確かめていくのが、実務での判定の進め方です。
美容室とエステサロンって、扱いが違ったりするんでしょうか。
どちらも施術というサービスが中心であれば、多くは(15)項として扱われます。
迷うときは所轄消防署に確認するのが確実です。
(15)項に区分されると収容人員や防火管理者はどう決まるのか

防炎規制についても、あわせて整理します。
消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第1条の3 令別表第一(十五)項に掲げる防火対象物 従業者の数と、主として従業者以外の者の使用に供する部分の床面積を三平方メートルで除して得た数とを合算して算定する。
(15)項の収容人員は、従業者の数と、来客など従業者以外が使う部分の床面積を3平方メートルで割った数を合算して数えます。
この合計が50人以上になると、令第1条の2第3項第1号ハにより防火管理者を選任する義務が生じます。
防炎規制については、防炎防火対象物の一覧に(15)項は含まれておらず、原則として防炎物品を使う義務はありません。
ただし高さ31mを超える高層建築物に当たる場合は、別の規定で防炎物品の使用が義務になる点には注意が必要です。
収容人員ってどうやって数えればいいんですか。
従業者数と、来客が使う部分の床面積を3平方メートルで割った数を足し合わせます。
合計が50人以上になるかどうかで、防火管理者の要否が変わります。
物品を売る店舗が入ると用途はどう変わるのか

複合用途の考え方を確認しておきましょう。
この規定は、(1)項から(15)項までのいずれかの用途が混ざっている建物を「二以上の用途」として扱うと定めています。
つまりオフィスフロアに物品販売の店舗が一つでも入居すると、建物全体は複合用途の(16)項として扱われる可能性があります。
複合用途になると、加わった用途の性質によっては自動火災報知設備などの設置基準が建物全体に広がることもあります。
テナントの入れ替えがあるたびに、用途構成が変わっていないかを確認しておくことが欠かせません。
テナントに新しく雑貨屋さんが入ることになったんですが、何か変わりますか。
物品を売る店舗が加わると、建物全体が複合用途の(16)項として扱われることがあります。
契約前に一度、設備基準への影響を確認しておきましょう。
自分の建物がどちらか迷ったらどうすればよいのか

今日から始められる4つの確認を、順番に見ていきましょう。
- 自分の建物が(1)項から(14)項までの用途のどれかに当てはまらないか、一つずつ確認する
- 従業者数と、来客が使う部分の床面積を3平方メートルで割った数を合算し、収容人員を数え直す
- 収容人員が50人以上になりそうなら、防火管理者の選任が必要かどうかを確認する
- 店舗など別の用途が加わる予定があるときは、契約前に所轄消防署へ相談する
用途の判定は建物の使われ方一つで変わり、テナントの入れ替えのたびに見直しが必要になることもあります。
分からないまま放置せず、早めに確認する習慣をつけておきましょう。
とりあえず自分の建物がどれに当たるか、順番に数えてみます。
それが一番確実な進め方です。
よくある質問もまとめておきます。
よくある質問
まとめ
業種の名前だけで判断せず、用途の実態を見ることが大事だと分かりました。
まずは自分の建物の収容人員を数え直してみます。
迷ったときは所轄消防署か、私たちにご相談ください。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 消防法施行令(昭和36年政令第37号)別表第一(4)項・(15)項
- 消防法施行令第1条の2第2項・第3項第1号ハ
- 消防法施行令第4条の3第1項
- 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第1条の3
- e-Gov 法令検索
※本記事は公表されている法令に基づく一般的な解説です。個別の建物がどの用途に当たるかの最終判断は所轄消防署が行います。条例や運用は市町村ごとに異なる場合がありますので、個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





