立入検査で感知器の数を数えられることは知っていても、取り付けの位置まで見られると身構える方は少なくありません。
感知器は決められた数だけ天井に付いていれば足りるというものではなく、消防法施行規則が置き場所そのものにも決まりを並べています。
空調の吹出し口からの距離や天井からの下がり方、傾きの角度まで条文に書かれています。
数がそろっていても位置がずれていれば直すことになります。
うちの事務所はエアコンの吹出し口のすぐ横に感知器が付いています。
これは直さないといけないのでしょうか。
感知器は換気口等の空気吹出し口から一・五メートル以上離すことになっています。
ただし対象から外れる種類もあるので順に見ていきましょう。
数さえ足りていればよいと思い込んでいました。
位置まで決まっているとは知りませんでした。
位置の決まりは省令の号に並んでいます。
まずどこに何が書かれているのかから確かめましょう。
- 感知器の設置は数だけでなく取り付ける位置まで省令で決まっている
- 感知器は換気口等の空気吹出し口から一・五メートル以上離した位置に設ける
- 煙感知器は天井が低い居室や狭い居室では入口付近に設ける
- 天井付近に吸気口のある居室では その吸気口の付近に設けることとされている
- 廊下は歩行距離三十メートル、階段は垂直距離十五メートルにつき一個以上である
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目次
感知器の設置には数のほかになにが決められているのか

ところが省令はその前に どう設けるのか を並べています。
同項第9号 スポット型の感知器(炎感知器を除く。)は、四十五度以上傾斜させないように設けること。
第4項は感知器の設置について 次に定めるところによらなければならない と書き、そのうしろに号を並べています。
その中には床面積いくつにつき一個という数の決まりもあれば、傾きや距離のような置き場所の決まりもあります。
第9号は天井に付けるスポット型の感知器を四十五度以上傾けてはならないと定めています。
数が足りていても傾いた付け方をしていれば、その感知器は省令の求める設け方になっていないことになります。
傾いていても感知器は感知器だと思っていました。
角度まで決まっているのですね。
角度は省令が明記している数少ない決まりの一つです。
まず天井の感知器がまっすぐ付いているか見上げてみてください。
空調の吹出し口から感知器はどれだけ離すのか

そこに感知器があると煙や熱が届く前に流されてしまいます。
条文は換気口等の空気吹出し口と書いているので、事務所や店舗の空調の吹出し口もこれに当たります。
測るのは吸い込む側ではなく吹き出す側からの距離である点に気をつけてください。
対象から外れているのは差動式分布型と光電式分離型と炎感知器の三つで、それ以外の感知器はこの距離を守ることになります。
天井の空調を入れ替えたり吹出し口の位置を動かしたりしたときは、感知器との距離が崩れていないかを確かめてください。
空調の入れ替えのときは感知器の位置も見ないといけませんね。
去年の工事のあとを確かめてみます。
設備を入れ替えたあとに距離が変わることがあります。
吹出し口を動かしたら感知器との間を測っておきましょう。
天井が低い部屋や吸気口のある部屋ではどこに付けるのか

部屋の形と空気の流れによって置き場所が変わります。
イ 天井が低い居室又は狭い居室にあつては入口付近に設けること。
ロ 天井付近に吸気口のある居室にあつては当該吸気口付近に設けること。
ハ 感知器の下端は、取付け面の下方〇・六メートル以内の位置に設けること。
天井が低い居室や狭い居室では入口付近に設けることとされています。
天井付近に吸気口のある居室では、その吸気口付近に設けることとされています。
条文は理由まで書いていませんが、吸気口は部屋の空気を吸い込む側の開口です。
下端は取付け面の下方〇・六メートル以内に収めることとされているので、天井から離して吊っている感知器は下がり寸法を測ってみてください。
倉庫の感知器が入口付近に寄っているのは間違いではなかったのですね。
ずれているように見えて理由があったのですね。
条文がその位置を求めている場合があります。
図面で部屋の天井高と吸気口の位置を先に確かめておきましょう。
廊下と階段では感知器の数え方がどう変わるのか

階段はそこからさらに別の物差しになります。
廊下と通路は歩行距離三十メートルにつき一個以上とされています。
階段と傾斜路は垂直距離十五メートルにつき一個以上とされています。
三種の感知器を使うときは、それぞれ二十メートルと十メートルに縮まります。
廊下が折れ曲がっている建物では、直線の距離ではなく歩いて進む距離で測ることになるので図面の上をなぞって数えてください。
廊下の長さは歩行距離で見るのですね。
まっすぐの距離で数えるものだと思っていました。
曲がった廊下ほど差が出ます。
図面の上を実際に歩く線でなぞって測ってみてください。
明日からなにを確かめればよいのか

階段と廊下はとくに種類が指定されています。
一 階段及び傾斜路
二 廊下及び通路(令別表第一(一)項から(六)項まで、(九)項、(十二)項、(十五)項、(十六)項イ、(十六の二)項及び(十六の三)項に掲げる防火対象物の部分に限る。)
階段と傾斜路は煙感知器を設けることとされています。
廊下と通路は煙感知器か熱煙複合式スポット型感知器のどちらかです。
確かめる順番は、どの場所にどの種類が要るのか、次にその数、最後に取り付けの位置という三つになります。
天井を見上げて位置が怪しいところがあれば、点検を頼んでいる業者か所轄消防署に図面を持って相談してください。
種類と数と位置の順に見ればよいのですね。
まず図面を出してきます。
その順番なら抜けにくくなります。
天井を触る工事の前後は必ず見直しておきましょう。
よくある質問
まとめ
天井を見上げるところから始めてみます。
位置がずれていないか図面と合わせて確かめます!
位置の決まりは号ごとに分かれているので、一つずつ当たっていくのが近道です。
ご不安があれば㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第23条第4項第7号・第8号・第9号
- 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第23条第5項
- 消防法施行令(昭和36年政令第37号)第21条
- e-Gov法令検索
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





