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検知区域警報装置はなぜ機械室に付いていないことがあるのか|70デシベルの音圧基準と省略できる3つの場所

ビル機械室の配管とガス漏れ検知器を撮影した写真

ガス漏れ火災警報設備には、検知器がガス漏れを捉えたことを音で知らせる検知区域警報装置があります。
基準は1メートル離れた位置で70デシベル以上と、意外と具体的な数字で決まっています。
ただし機械室や貫通部など、条件を満たせばこの装置自体を省略できる場所もあります。
今回は消防法施行規則を読み解き、音圧の基準と省略できる3つの場所を確認します

うちの機械室には検知器はあるのに、警報のスピーカーが無いんです。
これは違反ではないですか。

条件を満たせば、検知区域警報装置は省略が認められています

省略できる場所には条件があるんですね。

それでは順番に見ていきましょう。

この記事の結論
  • 検知区域警報装置は、検知器の作動と連動して音で防火対象物の関係者に知らせる装置です
  • 音圧の基準は、装置から1メートル離れた位置で70デシベル以上です
  • 警報機能を有する検知器を設置する場合は、検知区域警報装置を省略できます
  • 機械室その他常時人がいない場所や、配管が外壁を貫通する貫通部も省略の対象です
  • 省略できるかどうかは検知器の仕様と場所の使われ方を確認してから判断する必要があります

検知区域警報装置が検知器と連動して1メートル先で70デシベル以上鳴る基準と警報機能を持つ検知器や無人の機械室で省略できる仕組みを示した図解

検知区域警報装置とは何を指すのか

天井の検知器と壁に設置されたスピーカー型の警報装置が配線でつながり検知区域の範囲を示す境界線が描かれたイメージ
ガス漏れ火災警報設備には、検知器のほかにもいくつかの装置があります。
まずは「検知区域警報装置」がどんな役割を持つのかを見ていきます。
検知器の作動と連動し、音響によりガス漏れの発生を検知区域(1の検知器が有効にガス漏れを検知することができる区域をいう。以下同じ。)において防火対象物の関係者に警報する装置(以下「検知区域警報装置」という。)(消防法施行規則第24条の2の3第1項第4号ハ)
検知区域警報装置は、音でガス漏れを知らせる役割です
条文がいう「検知区域」とは、1の検知器が有効にガス漏れを検知できる範囲を指します。
似た装置に「ガス漏れ表示灯」がありますが、あちらは通路にいる人へ光で知らせるものです。
検知区域警報装置は、その検知器が担当する区域の中にいる人へ音で知らせる、という役割分担になっています。

表示灯と警報装置は役割が違うんですね。

はい、表示灯は目、警報装置は耳に訴える仕組みです

どのくらいの音圧で鳴らす基準になっているのか

検知区域警報装置から1メートル離れた場所で人が測定機器を使って音圧を測っているイメージ
検知区域警報装置は、ただ音が鳴ればよいわけではありません。
条文には具体的な数値の基準が定められています。
当該検知区域警報装置から1メートル離れた位置で音圧が70デシベル以上となるものであること。(消防法施行規則第24条の2の3第1項第4号ハ)
基準は1メートル離れた位置で70デシベル以上です
70デシベルは、目安として掃除機や騒がしい事務所の中程度の音量とされます。
これだけの音量があれば、多少の作業音や換気の音に紛れても気づける計算です。
点検のときは、実際にその場に立って聞こえるかどうかを確かめるのが確実です。

70デシベルと言われても、感覚がつかめません。

掃除機くらいの音量が目安です
実際に鳴らして確認しましょう。

どんな場所なら設置しなくてよいのか

警報ブザーを内蔵した検知器と壁を貫通する配管を並べて示したイメージ
音圧の基準を満たす装置を、どこにでも設置しなければならないわけではありません。
条文には、設置を省略できる場合がただし書として用意されています。
ただし、警報機能を有する検知器を設置する場合並びに機械室その他常時人がいない場所及び貫通部には、検知区域警報装置を設けないことができる。(消防法施行規則第24条の2の3第1項第4号ハ)
省略できる場所は3つに整理できます
1つ目は、検知器自体に警報機能が内蔵されている場合です。
2つ目は、機械室のように常時人がいない場所です。
3つ目は、ガス管が外壁を貫通する貫通部で、そもそも人が立ち入らない場所です。
どれも「人に音で知らせる必要が薄い」という共通の考え方でつながっています。

3つとも人がいないか、他で代用できる場所なんですね。

はい、省略には理由があることを押さえておきましょう

機械室に警報装置が無いのはすぐに違反といえるのか

常時無人の機械室に検知器だけが設置され許可を示すマークが付き人が出入りする厨房には検知器と警報装置がともに必要で禁止マークが付いたイメージ
立入検査で機械室を見て「スピーカーが無い」と気づくことがあります。
これがすぐに違反と判断できるものなのかを整理します。 「無いから違反」と決めつけないことが大切です
機械室に検知器はあっても警報装置が無い場合、常時人がいない場所として省略している可能性があります。
検知器自体に警報機能が内蔵されていれば、別に警報装置が無くても基準を満たしています。
逆に、人が日常的に出入りする調理場や作業場は常時人がいない場所に当たらないため、警報装置が無ければ見直しの対象になります。
迷ったときは所轄消防署に確認するのが確実です。

見た目だけで違反と決めつけたら危ないですね。

はい、確認してから判断することが大切です

立入検査ではどこをどう確認すればよいのか

担当者が図面と検知器の仕様書を確認しながら機械室の点検をしているイメージ
最後に、実際の点検や立入検査でどこを見ればよいかをまとめます。
確認する順番を押さえておくと、判断に迷いません。 仕様書と現地確認の両方が欠かせません
まず検知器のカタログや仕様書で警報機能の有無を確認します。
次に設置場所が常時人がいない場所や貫通部に該当するかを、図面と現地の両方で確かめます。
機械室の使われ方は、増築や用途変更で常時人がいない場所ではなくなることもあります。
点検のたびに、設置当初の前提が今も成り立っているかを確かめておくと安心です。

点検のたびに前提を見直すんですね。

はい、使われ方が変わっていないかも確認しましょう

よくある質問

Q検知区域警報装置とは何ですか?
A検知器の作動と連動し、音でガス漏れの発生を知らせる装置です。ガス漏れ表示灯のような視覚的な警報とは役割が異なります。
Q検知区域警報装置の音圧の基準はどれくらいですか?
A装置から1メートル離れた位置で70デシベル以上となるように設ける基準です。
Q検知区域警報装置を省略できる場所はありますか?
A警報機能を有する検知器を設置する場合や、機械室その他常時人がいない場所、配管が外壁を貫通する貫通部では省略できます。
Q機械室に警報装置が無いのはすぐに違反になりますか?
A常時人がいない場所として省略している可能性があるため、検知器の仕様と場所の使われ方を確認してから判断します。

まとめ

検知区域警報装置は、検知器の作動と連動して音で知らせる装置です
音圧の基準は装置から1メートル離れた位置で70デシベル以上です
警報機能を有する検知器を設置する場合は省略できます
機械室その他常時人がいない場所も省略の対象です
ガス管が外壁を貫通する貫通部も同様に省略できます
「無いから違反」と決めつけず、検知器の仕様と場所の使われ方を確認することが大切です
増築や用途変更で前提が変わっていないか点検のたびに確かめましょう

省略できる場所の考え方がよく分かりました!

迷ったときは現地確認が確実です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

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お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
主な活動

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

参考・出典

  • 消防法施行規則第24条の2の3第1項第4号ハ

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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