ガス漏れ火災警報設備は、配線の地絡や工事の振動くらいでは警報を出さないように設計されています。
一方で、本物のガス漏れが起きたときは、検知から表示まで一定の時間内に伝える基準もあります。
どちらも消防法施行規則に定められた技術上の基準の細目に基づくものです。
今回は消防法施行規則を読み解き、なぜ無関係な変化には反応せず本物だけを素早く伝えられるのかを確認します。
うちのガス漏れ警報、点検業者が配線をいじるたびに誤作動しないか心配なんです。
ご安心ください、配線の地絡や振動くらいでは警報を出さない設計になっています。
でも本物のガス漏れのときは、ちゃんとすぐ伝わるんですよね。
はい、検知から表示まで60秒以内に伝わるという基準もあります。
- ガス漏れ火災警報設備は、検知器と受信機の標準遅延時間の合計が60秒以内と定められています
- 配線の1線に地絡が生じても、受信機はガス漏れが発生した旨の表示をしません
- 振動又は衝撃を受けたときも、同じように表示をしない設計です
- ガス漏れ検知器や中継器の回路は、ガス漏れ信号の伝達に影響しない場合を除き他の設備と配線を共用できません
- 電源も蓄電池又は交流低圧屋内幹線から他の配線を分岐させず専用でとる必要があります
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目次
ガス漏れ検知から警報表示まで何秒以内と決まっているのか

まずは検知器と受信機、それぞれの反応時間を見ていきます。
検知器が反応してから信号を発するまでの時間と、受信機がその信号を受けて表示するまでの時間、それぞれの標準遅延時間を合計した数字です。
つまり検知器単体の速さだけでなく、受信機側の反応時間も含めて管理されています。
この基準があるからこそ、ガス漏れが起きたときに関係者へすぐ知らせることができます。
検知器だけじゃなくて、受信機側の速さも決まってるんですね。
はい、両方合わせて60秒以内という基準です。
配線が地絡してもなぜガス漏れ警報は鳴らないのか

まずは配線の異常が起きたときの取り扱いを見ていきます。
地絡とは電線が大地とつながってしまう状態を指し、工事や経年劣化で起こり得ます。
これは誤報を防ぐための仕組みであり、装置が壊れているわけではありません。
地絡が疑われるときは、点検業者に配線の状態を確認してもらうことが大切です。
配線トラブルと本物のガス漏れ、ちゃんと区別されてるんですね。
はい、地絡だけでは表示しない設計です。
工事や地震の振動を受けてもなぜガス漏れ警報は鳴らないのか

近くで工事をしているときの心配にも関わる基準です。
壁の工事や地震のような揺れが原因で誤って作動しないようにするための基準です。
地絡と同じく、この場合も装置は正常な状態のままです。
ただし工事のあとは、実際に検知器や受信機が正しく作動するかを点検で確かめておくと安心です。
近くで工事があるたびに止まったら困るので、助かります。
はい、通常の工事程度では反応しない設計です。
ガス漏れ警報の配線はなぜ他の設備と共用できないのか

ここでは配線の共用について見ていきます。
禁止されるのは同一の配線を共用する回路方式で、共用によってガス漏れ信号の伝達が妨げられることを防ぐためです。
ただし、ガス漏れ信号の伝達に影響を及ぼさないものは除かれています。
配線工事や増設のときは、この回路が独立しているかを図面で確認しておく必要があります。
他の設備の配線と一緒にしてしまうと、危ないんですね。
はい、ガス漏れ信号が伝わらなくなる恐れがあるためです。
ガス漏れ警報設備の電源はなぜ他の配線と分けなければならないのか

配線と同じく、電源も専用にする必要があります。
蓄電池、または交流低圧屋内幹線から直接とることが条件です。
さらに、電源の開閉器にはガス漏れ火災警報設備用である旨を表示することも求められています。
これらは、他の設備の電源トラブルに巻き込まれず、確実に作動させるための基準です。
分電盤を見れば、専用の電源かどうか分かるんですね。
はい、表示があるかどうかを確認してみてください。
よくある質問
まとめ
誤作動しない理由がよく分かりました!
気になる作動があれば点検業者への確認が確実です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法施行規則第24条の2の3第1項第5号
- 消防法施行規則第24条の2の3第1項第6号
- 消防法施行規則第24条の2の3第1項第8号
- 消防法施行規則第24条の2の3第1項第9号
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





