危険物を保管する貯蔵所では、種類が違う危険物を同じ場所に置いてはいけないという原則があります。
ところが規則を読み進めると、条件を満たせば同時に貯蔵できる組み合わせがいくつも定められています。
屋内貯蔵所や屋外貯蔵所の現場では、この例外を正しく知っているかどうかで管理のしかたが変わります。
この記事では、類を異にする危険物を同時貯蔵できる組み合わせと、その適用範囲を条文から整理します。
うちの倉庫、違う類の危険物を近くに置いてしまっているかもしれません。
それは規則第三十九条の例外に当てはまるか確認したほうがいいですね。
順番に見ていきましょう。
例外があるなら、うちも使えるかもしれないですね。
はい、ただし組み合わせと間隔の両方を満たす必要があります。
まず原則から確認しましょう。
- 類を異にする危険物は、屋内貯蔵所・屋外貯蔵所であっても同一の貯蔵所(または同一の室)で貯蔵しないことが原則です。
- 規則第三十九条第一号は、7つの組み合わせに限って例外を認めています
- 例外を使うには、危険物の類ごとに取りまとめて貯蔵し、かつ相互に1メートル以上の間隔を置く必要があります
- 屋内貯蔵所で告示の基準に適合した容器に収納していれば、類を異にする危険物を収納した容器のまま貯蔵できる例外もあります。
- この例外が使えるのは屋内貯蔵所と屋外貯蔵所だけで、屋外タンク貯蔵所など他の区分には適用されません
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目次
屋内貯蔵所や屋外貯蔵所ではなぜ類の違う危険物を同時に置けないのか

実はこの並べ方自体が、基準に触れている場合があります。
消防法別表第一が分ける類の異なる危険物は、同じ貯蔵所や同じ室に置いてはいけないというのが基準です。
異なる類の危険物が混ざり合うと、思わぬ化学反応や火災の拡大につながるおそれがあるためです。
ただし条文には総務省令で定める場合というただし書きがあり、次の見出しからその中身を見ていきます。
うちの貯蔵所、種類ごとに分けているつもりですが、厳密には合っているか不安です。
規則第三十九条が例外の組み合わせを具体的に定めています。
次で確認しましょう。
どの組み合わせなら屋内貯蔵所や屋外貯蔵所で同時貯蔵できるのか

決まった組み合わせと、間隔の条件がセットになっています。
たとえば第一類の危険物と第五類の危険物、第二類の危険物のうち引火性固体と第四類の危険物など、イからトまでの組み合わせに該当するものだけが対象です。
一覧に無い組み合わせは、この規定では同時貯蔵できません。
さらに、組み合わせに該当していても、類ごとに取りまとめて貯蔵し、かつ相互に1メートル以上の間隔を置くことが同時に求められます。
第一類と第五類は同じ棚に置いても大丈夫なんですね。
組み合わせが合っていても、1メートル以上の間隔が無いと例外になりません。
両方をセットで確認してください。
運搬用の容器に入れたまま貯蔵する場合の例外とは

容器そのものの基準を満たしていれば認められる方法です。
規則第四十三条の三第一項第五号は、運搬容器には類を異にする危険物を収納しないことを原則としつつ、告示で定める場合はただし書きで例外を認めています。
この告示の基準に適合した容器であれば、屋内貯蔵所において類の異なる危険物を収納したまま貯蔵することができます。
第一号の「組み合わせ+間隔」とは別の枠組みなので、混同しないよう区別しておく必要があります。
運搬のときの容器の基準が、貯蔵にも関係してくるんですね。
はい、ただしこちらは屋内貯蔵所に限られます。
屋外貯蔵所には使えません。
この例外が使えるのはどんな貯蔵所に限られるのか

使える貯蔵所の種類そのものが限定されているのです。
規則第三十九条第一号は、条文の冒頭で屋内貯蔵所又は屋外貯蔵所と対象を限定しています。
屋外タンク貯蔵所や地下タンク貯蔵所など、他の区分の貯蔵所にはこの例外は適用されません。
また第一号の例外は、組み合わせに該当していても取りまとめと間隔のどちらか一方だけでは認められない点にも注意が必要です。
うちはタンク式の貯蔵所なので、この例外は使えないということですね。
そのとおりです。
貯蔵所の区分を最初に確認してください。
明日から貯蔵所で何を確認すればよいのか

条文の要件を、そのままチェック項目に置き換えます。
- 貯蔵所が屋内貯蔵所か屋外貯蔵所かを確認する(それ以外の区分には例外が使えません)
- 保管している危険物の組み合わせが、規則第三十九条第一号のイからトのいずれかに当てはまるかを確認する
- 類ごとに取りまとめて貯蔵し、かつ相互に1メートル以上の間隔を確保する
- 容器のまま貯蔵する場合は、告示の基準に適合した容器かどうかを確認する
- 判断に迷う組み合わせがあれば、所轄消防署に相談する
どちらか一方だけでは例外は成立しません。
容器での貯蔵を選ぶ場合も、告示の基準を満たしているかを個別に確認しておく必要があります。
チェック項目、さっそく確認してみます。
組み合わせと間隔、両方の確認を忘れないでください。
迷ったら早めに相談してくださいね。
よくある質問
まとめ
類の違う危険物、これだけ細かく組み合わせが決まっているんですね!
組み合わせと間隔の両方を満たすことが大切です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法第十条第三項
- 危険物の規制に関する政令第二十六条第一項第一号の二
- 危険物の規制に関する規則第三十九条
- 危険物の規制に関する規則第四十三条の三第一項第五号(参照)
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





