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危険物は種類が違えば一緒に積んでよいのか|規則第46条が定める混載禁止表と例外を解説

危険物は種類が違えば一緒に積んでよいのかを解説する記事のアイキャッチ画像

危険物を車に積んで一緒に運ぶとき、種類の違う危険物ならどれでも積んでよいわけではありません。
消防法施行令と危険物の規制に関する規則には、どの類とどの類を組み合わせてよいかを定めた早見表があります。
知らずに組み合わせると、荷崩れや事故のときに危険な反応を起こすおそれがあります。
今回は規則第46条が定める混載禁止表と、少量なら適用されない例外を解説します

うちの資材置き場から灯油と洗浄剤をまとめてトラックに積もうとしたら、業者に「その組み合わせは積めません」と止められました。

類の違う危険物には、一緒に積んではいけない組み合わせが決まっているんです。

見た目もにおいもただの薬品なのに、何を基準に決まっているんでしょうか。

規則が定める早見表があります。
まずは類ごとの相性から見ていきましょう。

この記事の結論
  • 危険物は令第29条第6号と規則第46条により、類を異にする危険物や高圧ガスと混載できません
  • 第一類と第六類、第二類と第四類・第五類、第三類と第四類は例外的に混載できる組み合わせです
  • 組み合わせは危険物の規制に関する規則別表第4の表で一目でわかります
  • 指定数量の10分の1以下の危険物には、この表そのものが適用されません
  • 運搬中の混載表とは別に、貯蔵中の類の組み合わせは政令第26条・規則第39条という別の規定で決まっています

危険物の混載可否確認の手順として類を確認する・別表第4の表で照合する・数量が10分の1を超えるか確認する・迷ったら危険物取扱者へ確認するの4ステップを示した図解

危険物の運搬になぜ混載禁止のきまりがあるのか

性質の違う危険物を離して積む倉庫のイメージ
危険物を車で運ぶときの基準は、消防法第16条に定められています。
その基準の一つが、性質の違う危険物同士を一緒に積んではいけないという決まりです。
危険物の規制に関する政令第29条第6号 危険物は、総務省令で定めるところにより、類を異にするその他の危険物又は災害を発生させるおそれのある物品と混載しないこと
相性の悪い危険物同士は同じ車に乗せません
理由は事故のときにあります。走行中の振動や衝突で容器が破損し、中身が漏れて混ざり合うと、発火や有毒ガスの発生につながる組み合わせがあるからです。
たとえば酸化性の強い危険物と可燃性の危険物が同じ荷台で漏れ合えば、平常時には起きない反応が起きます。
この規定は運搬(車両での輸送)のときの基準で、消防法第16条に基づく積載方法の一つとして定められています。
まずは自分の会社がどの類の危険物を扱っているかを、容器のラベルで確認しておくことが出発点になります。

同じトラックに乗せるだけで、そんなに変わるものなんですね。

はい、走っている間はずっと振動していますから。
荷台に積む前に組み合わせを確認するのが確実です。

どの類とどの類が組み合わせ禁止になるのか

相性のよい危険物どうしを近づけて積むイメージ
危険物は性質によって第一類から第六類まで分かれています。
どの組み合わせが混載できて、どの組み合わせができないのかは、規則が表で定めています。
危険物の規制に関する規則第46条第1項 令第二十九条第六号の規定により、危険物と混載することができない物品は、次のとおりとする。 一 別表第四において、混載を禁止されている危険物 二 高圧ガス保安法第二条各号に掲げる高圧ガス(告示で定めるものを除く。)
第一類第二類第三類第四類第五類第六類
第一類××××
第二類×××
第三類××××
第四類××
第五類×××
第六類××××
○が付いた組み合わせだけが混載できます
表の×は積んではいけない組み合わせ、○は積んでも差し支えない組み合わせを示しています。
たとえば第四類(ガソリンや灯油などの引火性液体)は第二類・第三類・第五類とは混載できますが、酸化性の強い第一類・第六類とは積めません。
逆に第一類と第六類はどちらも酸化性の危険物どうしで、この組み合わせだけは○になっています。
現場で確かめるときは、まず自分が積む危険物の類を確認し、この表で相手の類との交点を探すのが早道です。

うちは第四類の灯油しか扱っていませんが、他の類と積み合わせることは考えたこともなかったです。

多くの現場ではそうです。
ただ別の業者の荷物と積み合わせる委託運搬のときは、相手の類も確認してください。

少量の危険物なら組み合わせを気にしなくてよいのか

少量の危険物を手押し台車で運ぶ様子と通常量をトラックに積む様子を対比したイメージ
混載禁止の表には、量にかかわる例外が一つ用意されています。
少しの量でも同じように厳格に適用されるのか、確かめておきます。
危険物の規制に関する規則別表第4備考 この表は、指定数量の10分の1以下の危険物については、適用しない。
指定数量の10分の1以下なら表そのものが働きません
ここでいう10分の1は、積む危険物ごとの指定数量に対する割合です。総量をまとめて見るのではなく、それぞれの危険物が自分の指定数量の10分の1を超えているかどうかで判断します。
ただし10分の1以下だからといって、他の積載基準(容器の収納率や表示、転落防止など)まで免除されるわけではありません。
免除されるのは別表第4の混載表だけです。
少量だからと油断せず、量を測った記録を残しておくと、立入検査のときにも説明がしやすくなります。

少量の見本品を配達するときも、いちいち計算しないといけないんですか。

配達する量が指定数量の10分の1を超えるかどうかだけ確認してください。
超えていなければ混載表は気にしなくて大丈夫です。

保管中の危険物にも同じ表があてはまるのか

貯蔵所の棚と運搬中のトラックを対比したイメージ
ここまでは車で運ぶときの話でした。
では、倉庫で保管している間も、この混載表がそのまま使えるのでしょうか。
危険物の規制に関する政令第26条第1項第一号の二 法別表第一に掲げる類を異にする危険物は、同一の貯蔵所(耐火構造の隔壁で完全に区分された室が二以上ある貯蔵所においては、同一の室)において貯蔵しないこと。ただし、総務省令で定める場合は、この限りでない。
保管中の組み合わせは、運搬の表とは別の規定で決まっています
貯蔵の基準は政令第26条にあり、類の違う危険物を同じ貯蔵所や同じ室で保管することを、原則として禁止しています。
例外は規則第39条が個別に列挙しており、たとえば第一類と第五類(アルカリ金属の過酸化物を除く)は、類ごとにまとめて1メートル以上の間隔を置けば同時貯蔵できるとされました。ところが、この組み合わせは運搬の別表第4では×(混載禁止)です。
つまり運搬の可否と貯蔵の可否は一致しません。倉庫で許されている組み合わせを、そのままトラックに積む理由にはできないということです。
建物側で確認するなら、貯蔵所の配置図と運搬時の積み合わせ計画を、別々の基準として見比べる必要があります。

倉庫で隣り合わせに置いているから、運ぶときも一緒でいいと思っていました。

そこが一番間違えやすいところです。
貯蔵と運搬は別の基準だと覚えておいてください。

実際に運ぶときはなにを確認すればよいのか

積み込み前にクリップボードで確認する担当者のイメージ
最後に、実際にトラックへ積み込む前の確認手順を整理します。
明日から使える形にしておきます。
消防法第16条 危険物は、政令で定める技術上の基準に従つてこれを運搬しなければならない。
積む前に3つを確認すれば大きく外しません
一つ目は、積む危険物それぞれのです。ラベルや譲渡書類に書かれた類別を、荷物ごとに拾い出します。
二つ目は、その組み合わせが別表第4の表で○になっているかどうかです。×の組み合わせなら、車両を分けるか、積む日を分けます。
三つ目は、量が指定数量の10分の1を超えているかどうかです。超えていなければ表の適用外ですが、記録は残しておきます。
迷ったときは、危険物取扱者に積み合わせの可否を確認してから出発する体制にしておくと、現場任せにならずに済みます。

類・組み合わせ・量の3つを積む前にチェックすればいいんですね。

はい、それだけで大きな失敗は防げます。
迷ったら危険物取扱者に確認する体制を作っておいてください。

よくある質問

Q危険物はどんな組み合わせでも混載できませんか?
A回答は、規則第46条が定める別表第4の表に基づき、×の組み合わせだけが禁止されています。○の組み合わせ(第一類と第六類など)は混載できます。
Q少量の危険物なら混載表は関係ありませんか?
A回答は、指定数量の10分の1以下の危険物には別表第4の表そのものが適用されません。ただし他の積載基準までは免除されません。
Q倉庫で隣り合わせに保管している危険物は、そのままトラックに積んでもよいですか?
A回答は、貯蔵の基準(政令第26条・規則第39条)と運搬の基準(規則第46条・別表第4)は別の規定で、貯蔵で許された組み合わせがそのまま運搬でも許されるとは限りません。
Q混載できるかどうかを確認する担当は誰でもよいですか?
A回答は、法令上の担当は明示されていませんが、類別の判断を誤ると事故につながるため、危険物取扱者に確認してから積み込む体制が実務上安全です。

まとめ

危険物は令第29条第6号・規則第46条により、類を異にする危険物や高圧ガスと混載できません
混載の可否は別表第4の表で一目でわかります
表の×は禁止、○は第一類と第六類など例外的に混載できる組み合わせです
指定数量の10分の1以下の危険物には表そのものが適用されません
免除されるのは混載表だけで、収納や表示など他の基準は免除されません
貯蔵中の類の組み合わせは政令第26条・規則第39条という別の規定で決まっています
積む前に類・組み合わせ・量の3つを危険物取扱者と確認するのが確実です

組み合わせを一つずつ確かめればいいと分かりました。
すっきりしました。

類・組み合わせ・量の3つを確認する。
この3つを積む前に見れば大きく外しません
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監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防法第16条
  • 危険物の規制に関する政令第29条第6号
  • 危険物の規制に関する規則第46条・別表第4
  • 危険物の規制に関する政令第26条第1項第一号の二
  • 危険物の規制に関する規則第39条

※本記事は公表されている法令に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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