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消防の同意の期限はなぜ3日と7日に分かれるのか|建築確認の審査期間に合わせた消防法第7条の仕組みを解説

消防の同意の期限はなぜ3日と7日に分かれるのか|建築確認の審査期間に合わせた消防法第7条の仕組みを解説

建物を増築したり用途を変えたりするとき、建築確認の前に消防長または消防署長の同意を得る必要があります。
この同意には、建築確認そのものの審査期間に合わせて決められた期限があります。
ところが実務では、この期限がいつから数えられ、何日以内なのかが曖昧なまま進んでしまうことがあります。
消防法第七条が定める同意の期限の仕組みを、条文から読み解きます

うちのテナントを増築する話が出ていて、工事店から「消防の同意がまだ来ていません」と言われました。
どのくらい待てばいいのか分からず困っています。

それは消防法第7条が定める同意の手続きですね。
実は同意にも法律で決まった期限があります

期限があるとは知りませんでした。
建物の大きさで違ったりするんでしょうか。

はい、変わります。
条文を順に見ていきましょう。

この記事の結論
  • 消防法第七条第二項は、消防長または消防署長が同意を与える期限を、同意を求められた日から3日以内または7日以内と定めています
  • 建築基準法第六条第一項第三号に係る場合は3日以内、それ以外の場合は7日以内です。
  • この違いは、建築主事等が確認をする期間が建物の規模や用途によって7日または35日に分かれていることに対応しています
  • 消防長または消防署長は、期限内に同意して通知するか、同意できない事由を通知しなければなりません。
  • 期限の起算点は同意を求められた日であって、建築主が確認申請を出した日ではありません

消防の同意の期限が建築基準法第六条第一項の号によって3日または7日に分かれ、期限内に同意か理由の通知が必要になる流れを示した図解

消防の同意にはなぜ期限が定められているのか

設計図の書類とその横に置かれた砂時計を並べたイメージ
建築確認は、消防長または消防署長の同意を得なければ進められません。
その同意そのものにも、法律で区切られた期限があります。
消防法第七条第二項 消防長又は消防署長は、前項の規定によつて同意を求められた場合において、当該建築物の計画が法律又はこれに基く命令若しくは条例の規定(略)で建築物の防火に関するものに違反しないものであるときは、(略)建築基準法第六条第一項第三号に係る場合にあつては、同意を求められた日から三日以内に、その他の場合にあつては、同意を求められた日から七日以内に同意を与えて、その旨を当該行政庁若しくはその委任を受けた者又は指定確認検査機関に通知しなければならない。
同意には3日または7日という上限があります
建築確認は建築主事等が審査する期間そのものにも法律上の上限があり、同意の手続きだけがそれより長く続くと、確認全体が止まってしまいます。
そこで消防法は、消防長または消防署長が同意するかどうかを判断する期間にも上限を設けました。
上限は建物の種類によって3日7日の二段階に分かれています。
どちらに当てはまるかは次の見出しで確認します。

同意にも期限があるなんて知りませんでした。
審査自体にも期限があるんですね。

はい、建築確認の審査期間に合わせて設計されています。
次は建物の種類でどちらの期限になるかを見てみましょう。

どんな建築物が3日以内の対象になるのか

小さな一戸建てと大きな事務所ビルをそれぞれ書類の枚数とともに並べたイメージ
3日以内の対象になるかどうかは、建物の種類で決まります。
建築基準法第六条第一項の号のどれに当たるかが分かれ目です。
建築基準法第六条第一項 建築主は、第一号若しくは第二号に掲げる建築物を建築しようとする場合(略)、第三号に掲げる建築物を建築しようとする場合においては(略)確認の申請書を提出して建築主事又は建築副主事(略)の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。
一 別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が二百平方メートルを超えるもの
二 前号に掲げる建築物を除くほか、二以上の階数を有し、又は延べ面積が二百平方メートルを超える建築物
三 前二号に掲げる建築物を除くほか、都市計画区域若しくは準都市計画区域(略)内又は都道府県知事が(略)指定する区域内における建築物
3日以内になるのは第三号の建築物だけです
第一号は延べ床面積200平方メートルを超える特殊建築物、第二号は2階以上または延べ面積200平方メートル超の建築物で、この二つは同意の期限が7日以内になります。
第三号は、この第一号・第二号に当てはまらない、都市計画区域内などにある比較的小規模な建築物です。
3日以内になるのはこの第三号に係る場合に限られ、規模や用途で確認の対象になっている第一号・第二号の建物は7日以内のままです。
自分の建物がどの号に当たるかは、設計を頼む建築士に確認してもらうのが確実です。

うちは2階建ての事務所なので、7日のほうに当たりそうです。

はい、その場合は7日以内が上限になります。
次は、期限内に何が起きるのかを見てみましょう。

期限内に消防長は何をしなければならないのか

同意の通知書と不同意の理由を記した通知書の二つの書類を並べたイメージ
期限が来たとき、消防長または消防署長がすることは一つではありません。
条文は二つの通知のどちらかを期限内に行うよう求めています。
消防法第七条第二項(略) (略)同意を与えて、その旨を当該行政庁若しくはその委任を受けた者又は指定確認検査機関に通知しなければならない。この場合において、消防長又は消防署長は、同意することができない事由があると認めるときは、これらの期限内に、その事由を当該行政庁若しくはその委任を受けた者又は指定確認検査機関に通知しなければならない
期限内に行うのは同意の通知か不同意の理由の通知のどちらかです
計画が防火に関する規定に違反しないと判断すれば、期限内に同意を与えてその旨を通知します。
逆に同意できない事由があると認めるときは、その理由を期限内に通知しなければなりません。
条文には、期限を過ぎても何も通知しなかった場合に同意したものとみなす規定は書かれていません。
期限内に通知が来ない状態が続いているときは、行政庁を通じて消防の担当窓口に進捗を確認するとよいでしょう。

期限を過ぎても何も言われないままなら、それは同意されたということですか。

いいえ、条文にそうしたみなし規定はありません。
音沙汰がないときは、行政庁を通じて進捗を確認してください。

実務で見落としやすいのはどこか

窓口に書類を出す人と時間差のあとに書類を受け取る建物を並べたイメージ
3日や7日は、建築主が確認申請を出した日から数えるわけではありません。
条文が示す起算点は別のところにあります。
消防法第七条第二項(略) 消防長又は消防署長は、前項の規定によつて同意を求められた場合において(略)同意を求められた日から三日以内に、その他の場合にあつては、同意を求められた日から七日以内に同意を与えて(略)通知しなければならない。
起算点は同意を求められた日であって確認申請を出した日ではありません
同意を求めるのは建築主ではなく、確認をする行政庁や指定確認検査機関の側です。
建築主が申請書を窓口に出してから、行政庁が実際に消防長へ同意を求めるまでには、内部の処理でタイムラグが生じることがあります。
そのため、申請日を基準に期限を数えると、実際の期限より早く来ると誤解してしまいます。
工事の日程を組むときは、消防への同意依頼が実際にいつ行われたのかを工事店や設計者に確認しておくと安心です。

申請を出した日から3日待てば同意が来ると思っていました。

その日ではなく、消防が同意を求められた日から数えます。
いつ依頼が届いたか、工事店に確認してもらいましょう。

増改築を計画するとき明日から何を確認すればよいのか

書類を指し示す担当者と建物の模型を並べたイメージ
消防の同意は建築確認のスケジュールに直結します。
計画の早い段階で確認しておきたいことをまとめます。
  • 自分の建物が建築基準法第六条第一項のどの号に当たるか、設計士に確認する
  • 号によって同意の期限が3日以内か7日以内かが変わることを把握しておく
  • 確認申請がいつ提出され、消防長への同意依頼がいつ行われたかを工事店に確認する
  • 期限を過ぎても連絡がないときは、行政庁を通じて進捗を確認する
期限を知っておくだけで、工程の遅れに早く気づけます
消防の同意は建築主が直接申請する手続きではありませんが、工程全体を左右します。
号の違いによる期限の長さを把握しておけば、想定より時間がかかっているときに早めに動けます。
特に増改築で用途が変わる場合は、規模の号が変わることもあるので注意してください。
気になる点があれば、早い段階で㈱防災屋にご相談ください。

期限の仕組みが分かったので、工事店にも確認してみます。

それがいいと思います。
号の違いと期限の長さを押さえておけば、工程の見通しが立てやすくなります。

よくある質問

Q消防の同意の期限を過ぎても連絡がないときはどうすればよいですか?
A消防法第七条には、期限を過ぎても同意したものとみなす規定はありません。行政庁または指定確認検査機関を通じて、消防の担当窓口に進捗を確認するのが確実です。
Q3日以内と7日以内はどちらが基本になりますか?
A建築基準法第六条第一項第一号または第二号に係る場合が7日以内で、第三号に係る場合だけが3日以内です。延べ面積や階数の基準を満たす建物は7日以内が基本になります。
Q同意の期限は建築確認の審査期間とどう関係していますか?
A建築基準法第六条第四項は、建築主事等の審査期間を第一号・第二号は35日以内、第三号は7日以内と定めています。消防の同意期限もこれに合わせて設計されています。
Q住宅を建てるときも同意の期限は適用されますか?
A消防法第七条第一項ただし書に当たる住宅は、そもそも同意そのものが不要になります。ただし書の範囲は別の記事で解説していますので、あわせてご確認ください。

まとめ

消防長または消防署長の同意には、建築確認の審査期間に合わせた期限があります
期限は同意を求められた日から数えます。
建築基準法第六条第一項第一号・第二号に係る場合は7日以内です。
同じく第三号に係る場合は3日以内です。
期限内に同意するか、同意できない事由を通知しなければなりません
期限を過ぎても同意したものとみなす規定は条文にありません
増改築を計画するときは、号の違いと期限の長さを設計士や工事店に確認しておきましょう。

消防の同意の期限の考え方がよく分かりました。
ありがとうございました!

こちらこそご相談ありがとうございます。
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監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防法(昭和23年法律第186号)第七条
  • 建築基準法(昭和25年法律第201号)第六条

※本記事は公表されている法令に基づく一般的な解説です。個別の建物への適用や特定行政庁の運用は異なる場合があります。個別の判断は所轄の消防署または建築主事にご確認ください。

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