パチンコ店やマージャン店を新しく計画するとき、建てられる用途地域かどうかで最初につまずくことがあります。
この業種は、住居系の第一種住居地域と、工業系の工業専用地域という、性格の異なる二つの用途地域で名指しに禁止されています。
建築基準法別表第二(ほ)項第二号と(わ)項第八号は、それぞれ別の理由からこの用途を禁止の対象としているのです。
なぜ両極端の用途地域だけにこの規制が置かれているのかを解説します
計画している土地が第一種住居地域なんですが、パチンコ店は建てられないと言われました。
それは別表第二(ほ)項第二号の禁止規定ですね。
まず中身を確認しましょう。
別の候補地は工業専用地域なんですが、そちらなら問題ないですよね。
実はそちらも同じ号で禁止されています。
次はなぜ両方で禁止されるのか確認しましょう。
- 第一種住居地域内では、建築基準法別表第二(ほ)項第二号によりマージャン屋、ぱちんこ屋、射的場、勝馬投票券発売所、場外車券売場その他これらに類するものを用途とする建築物は建築してはならないと定められています(建築基準法第48条第5項)。
- この用途には床面積の上限も政令による除外規定も置かれておらず、規模を問わず一律に禁止されます。
- 同じ業種は、工業系の工業専用地域を定める別表第二(わ)項第八号でも名指しで禁止されています(建築基準法第48条第13項)。
- 第二種住居地域から工業地域までの中間の用途地域には、この業種を名指しで禁止する号が置かれていません。
- どうしても計画したい場合は、それぞれの用途地域について特定行政庁が許可する道が第48条第5項・第13項のただし書に置かれています。
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目次
ぱちんこ屋やマージャン屋はなぜ第一種住居地域で建てられないのか

第一種住居地域では、この用途そのものが建築基準法によって禁止されています。
第一種住居地域は良好な住居の環境を保護するために設けられた用途地域で、別表第二(ほ)項に掲げる建築物は原則として建築できません。
(ほ)項には複数の号があり、その第二号がマージャン屋やぱちんこ屋などを名指しで挙げています。
ただし書のとおり特定行政庁の許可という例外の道はありますが、これは個別の審査を要する特別な手続です。
次は、この禁止規定が具体的にどんな用途を対象にしているかを確認しましょう。
計画している土地が第一種住居地域なんですが、パチンコ店は建てられないと言われました。
それは別表第二(ほ)項第二号の禁止規定ですね。
次はどんな用途が対象になるか確認しましょう。
この号が禁止する用途はどこまで及ぶのか

名指しされている業種と、その範囲を確認します。
二 マージャン屋、ぱちんこ屋、射的場、勝馬投票券発売所、場外車券売場その他これらに類するもの
条文が名指しするのはマージャン屋、ぱちんこ屋、射的場、勝馬投票券発売所、場外車券売場の5業種です。
「その他これらに類するもの」という文言により、名指しされた業種と同じ性格を持つ遊技・射幸性のある用途も対象に含まれます。
この号には「政令で定めるものを除く」という除外規定は置かれていません。
次は、同じ業種が別の用途地域ではどう扱われるかを確認しましょう。
マージャン屋やぱちんこ屋だけでなく、射的場や勝馬投票券の発売所も同じ扱いになるのですか。
はい、5業種とこれに類するものがすべて第二号で一律禁止されています。
次は別の用途地域での扱いを確認しましょう。
同じ業種はなぜ工業専用地域でも禁止されるのか

ところがこの用途地域でも、同じ業種が名指しで禁止されています。
八 マージャン屋、ぱちんこ屋、射的場、勝馬投票券発売所、場外車券売場その他これらに類するもの
工業専用地域を定める(わ)項第八号は、(ほ)項第二号とまったく同じ5業種を条文上そのまま列挙しています。
根拠となる第48条の項も異なり、第一種住居地域は第5項、工業専用地域は第13項がそれぞれ規定しています。
ただし書の許可基準も、第一種住居地域は「住居の環境を害するおそれがない」こと、工業専用地域は「工業の利便を害するおそれがない」ことと、判断基準そのものが異なります。
次は、この二つの用途地域の間にある用途地域ではどう扱われるかを確認しましょう。
住居地域で禁止されるのは分かりますが、工業専用地域でも禁止される理由が分かりません。
用途地域ごとに許可の基準も別々に定められています。
次はその中間の用途地域を確認しましょう。
中間の用途地域では建てられるのか

しかし条文を一つずつ確認すると、そうではないことが分かります。
第二種住居地域を定める(へ)項、準住居地域の(と)項、近隣商業地域の(り)項、商業地域の(ぬ)項、準工業地域の(る)項、工業地域の(を)項のいずれにも、マージャン屋やぱちんこ屋を名指しで禁止する号は見当たりません。
つまりこの5業種は、第一種住居地域と工業専用地域という両極端の用途地域だけで禁止され、その間の用途地域ではおおむね建築が可能ということになります。
用途地域の規制を「住居寄りか工業寄りか」という一本の物差しだけで考えると、この規制構造を見誤ります。
次は、実務で明日から確認すべき手順を整理しましょう。
用途地域が中間なら大丈夫と思っていましたが、両端で禁止されるとは知りませんでした。
はい、規制は住居から工業への一本道では並んでいません。
次は確認の手順を整理しましょう。
明日からなにを確認すればよいのか

着工前に確認しておくべき点を整理します。
- 計画地が第一種住居地域または工業専用地域のどちらかに該当するかを都市計画図で確認する
- 該当する場合、計画する施設がマージャン屋、ぱちんこ屋、射的場、勝馬投票券発売所、場外車券売場その他これに類するものに当たらないかを用途で確認する
- それ以外の用途地域(第二種住居地域から工業地域まで)であれば、この号による禁止は無いことをあわせて確認する
- 該当性の判断に迷う場合や、どうしても計画したい場合は、特定行政庁の建築指導窓口へ許可の可能性を確認する
第一種住居地域や工業専用地域を外れる用途地域であれば、同じ建築物が認められる場合もあります。
判断に迷う用途は、特定行政庁の建築指導窓口で個別に確認しておくと安全です。
次はよくある質問を見ていきましょう。
まず用途地域と用途の該当性、この2点を確認します。
はい、その2点が出発点です。
次はよくある質問を見ていきましょう。
よくある質問
まとめ
まず用途地域を確認して、計画を見直します!
用途の該当性の確認も含めて、㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 建築基準法第48条第5項・第13項(e-Gov法令検索)
- 建築基準法別表第二(ほ)項第一号・第二号(e-Gov法令検索)
- 建築基準法別表第二(わ)項第八号(e-Gov法令検索)
- 建築基準法別表第二(へ)項・(と)項・(り)項・(ぬ)項・(る)項・(を)項(e-Gov法令検索)
※本記事は公表されている法令に基づく一般的な解説です。該当性の判断や規定の適用範囲は個別の土地の状況によって異なる場合があります。個別の判断は所轄の特定行政庁にご確認ください。





