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第一種住居地域でカラオケボックスはなぜ建てられないのか|建築基準法別表第二(ほ)項第三号の規制を解説

住宅地の街並みを背景にカラオケボックスは第一種住居地域だけ禁止されることを示す記事のアイキャッチ画像

住宅地の一角に、防音設備を備えたカラオケボックスを出店しようと考える方は少なくありません。
しかし用途地域が第一種住居地域に当たる場合、この計画は建築基準法によってそもそも認められません。
建築基準法別表第二(ほ)項第三号は、カラオケボックスその他これに類するものを名指しで禁止しています。
この規制がどこまで及び、なぜ第二種住居地域とは扱いが違うのかを解説します

住宅地に防音設備のカラオケボックスを出そうと思ったら、役所でこの用途地域では建てられないと言われました。

それは別表第二(ほ)項第三号の禁止規定かもしれません。
まず制度の中身から確認しましょう。

隣の敷地は第二種住居地域なので、同じ建物を建てても問題ないですよね。

実は第一種住居地域だけに上乗せされた規制です。
次はどの建築物が対象になるかを確認しましょう。

この記事の結論
  • 第一種住居地域内では、建築基準法別表第二(ほ)項第三号によりカラオケボックスその他これに類するものを用途とする建築物は建築してはならないと定められています(建築基準法第48条第5項)。
  • 対象は用途そのもので判断され、床面積や個室数の大小、営業形態を問わず該当します
  • 同じ(ほ)項第二号は、マージャン屋・ぱちんこ屋・射的場・勝馬投票券発売所・場外車券売場その他これらに類するものも並んで一律禁止しています。
  • 第二種住居地域を定める(へ)項にはカラオケボックスやマージャン屋等を禁止する号が置かれておらず、この二つの用途は第一種住居地域だけに上乗せされた規制です
  • 面積の大小を問わない一律禁止ですが、特定行政庁が住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可する道が第48条第5項ただし書に置かれています。

カラオケボックスは第一種住居地域だけ禁止され面積の大小を問わず一律に扱われることを示す図解

第一種住居地域でカラオケボックスが建てられないとはどういうことか

住宅地の一角に看板を掲げたカラオケボックスの建物と用途地域図のイラスト
住宅地の一角に防音設備を備えたカラオケボックスを出店しようと考える方は少なくありません。
しかし用途地域が第一種住居地域に当たる場合、建築基準法はこの用途そのものを認めていません。
建築基準法第48条第5項 第一種住居地域内においては、別表第二(ほ)項に掲げる建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が第一種住居地域における住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。
この規定は用途そのものを理由に建築を禁止する点で、面積や高さの規制とは性格が異なります
第一種住居地域は良好な住居の環境を保護するために設けられた用途地域で、別表第二(ほ)項に掲げる建築物は原則として建築できません。
(ほ)項には複数の号があり、その第三号が「カラオケボックスその他これに類するもの」を名指しで挙げています。
ただし書のとおり特定行政庁の許可という例外の道はありますが、これは個別の審査を要する特別な手続です。
次は、この禁止規定が具体的にどんな建築物を対象にしているかを確認しましょう。

住宅地に防音設備のカラオケボックスを出そうと思ったら、この用途地域では建てられないと言われました。

それは別表第二(ほ)項第三号の禁止規定かもしれません。
次はどんな建築物が対象になるかを確認しましょう。

どの建築物が禁止の対象になるのか

看板を掲げたカラオケボックスの建物と丸い玉が並ぶ建物のイラスト
(ほ)項の禁止規定は1つの用途だけを挙げているわけではありません。
カラオケボックスと並んで名指しされている用途を確認します。
建築基準法別表第二(ほ)項 第一種住居地域内に建築してはならない建築物
二 マージャン屋、ぱちんこ屋、射的場、勝馬投票券発売所、場外車券売場その他これらに類するもの
三 カラオケボックスその他これに類するもの
禁止されるのは「カラオケボックスその他これに類するもの」という用途区分そのもので、規模の大小は問われません
第二号はマージャン屋・ぱちんこ屋・射的場・勝馬投票券発売所・場外車券売場その他これらに類するものを挙げ、第三号はこれと並んでカラオケボックスを挙げています。
どちらの号にも「政令で定めるものを除く」という除外規定は置かれていません。
床面積が小さく個室数の少ない店舗であっても、用途がこれらに該当すれば規制の対象になります。
次は、なぜこの規制が第二種住居地域には無いのかを確認しましょう。

マージャン屋やぱちんこ屋も同じ扱いになるのですか。

はい、第二号で同じように一律禁止されています。
次は第二種住居地域との違いを確認しましょう。

なぜ第二種住居地域とは扱いが違うのか

用途地域図の2区画に同じ建物が並び片方に禁止マーク片方に許可マークが付いたイラスト
第一種住居地域と第二種住居地域は、どちらも住居系の用途地域です。
しかし禁止される建築物の範囲には明確な差があります。
建築基準法別表第二(ほ)項 一 (へ)項第一号から第五号までに掲げるもの
建築基準法別表第二(へ)項 第二種住居地域内に建築してはならない建築物
一 (と)項第三号及び第四号並びに(り)項に掲げるもの(略)
第一種住居地域は、第二種住居地域の禁止対象をすべて引き継いだうえで、さらに規制が上乗せされています
(ほ)項第一号は(へ)項第一号から第五号までに掲げる建築物をそのまま準用しており、第二種住居地域で禁止される工場や劇場、自動車車庫なども第一種住居地域では同じく禁止されます。
一方で(へ)項にはマージャン屋・ぱちんこ屋・カラオケボックスを名指しで禁止する号が置かれていません。
つまりこの二つの用途は、第二種住居地域であれば建築できる可能性がある一方、第一種住居地域では一律に建築できないという違いが生じます。
次は、面積の大小を理由に例外が認められるかを確認しましょう。

隣の敷地は第二種住居地域なので、同じ建物を建てても問題ないと思っていました。

用途地域が変われば結論も変わります。
次は面積の大小で扱いが変わるかを確認しましょう。

面積を小さくすれば建てられるのか

小さな平屋のカラオケボックスの建物と大きな複合ビルの建物どちらにも禁止マークが付いたイラスト
建築基準法の用途規制には、床面積の限度を超えた部分だけを禁止するものが少なくありません。
この禁止規定にも同じような救済があるのか確認します。
建築基準法別表第二(ほ)項 四 (は)項に掲げる建築物以外の建築物の用途に供するものでその用途に供する部分の床面積の合計が三千平方メートルを超えるもの(政令で定めるものを除く。)
第二号・第三号には、床面積の限度も政令による除外も置かれていません
(ほ)項第四号は延べ床面積3,000平方メートルを超える建築物だけを禁止し、政令で定めるもの(消防署等)は除外される仕組みです。
これに対しカラオケボックスやマージャン屋等を禁止する第二号・第三号には、こうした面積要件も除外規定もありません。
小さな個室が1室だけの店舗であっても、用途に該当すれば禁止の対象になります。
次は、実務で明日から確認すべき手順を整理しましょう。

個室を1つだけにして小さく出店すれば問題ないと思っていました。

面積の大小は関係なく、用途そのもので判断されます。
次は確認の手順を整理しましょう。

明日からなにを確認すればよいのか

製図机の設計図面と役所の受付窓口のイラスト
カラオケボックスの出店を計画するときは、設計の初期段階で用途地域を確認することが欠かせません。
着工前に確認しておくべき点を整理します。
  • 計画地が第一種住居地域に該当するかを都市計画図で確認する
  • 該当する場合、計画する施設がカラオケボックスその他これに類するものに当たらないかを用途で確認する
  • マージャン屋・ぱちんこ屋等の類似業態も同じく(ほ)項第二号で禁止されることをあわせて確認する
  • 該当性の判断に迷う場合や、どうしても計画したい場合は、特定行政庁の建築指導窓口へ許可の可能性を確認する
用途地域の確認と用途の該当性、この2点を早い段階で押さえることが出発点です
第二種住居地域や準住居地域など、周辺の用途地域であれば同じ建築物が認められる場合もあります。
判断に迷う用途は、特定行政庁の建築指導窓口で個別に確認しておくと安全です。
次はよくある質問を見ていきましょう。

まず用途地域と用途の該当性、この2点を確認します。

はい、その2点が出発点です。
次はよくある質問を見ていきましょう。

よくある質問

Qカラオケボックスは第一種住居地域では規模を問わず建てられませんか?
A建てられません。建築基準法別表第二(ほ)項第三号は床面積や個室数を問わず、カラオケボックスその他これに類するものを用途とする建築物を一律に禁止しています。
Q第二種住居地域でもカラオケボックスは禁止されますか?
A禁止されません。第二種住居地域を定める(へ)項にはカラオケボックスを名指しで禁止する号が無く、この規制は第一種住居地域の(ほ)項だけに置かれています。
Qマージャン屋やぱちんこ屋も同じ扱いになりますか?
A同じ扱いです。(ほ)項第二号がマージャン屋・ぱちんこ屋・射的場・勝馬投票券発売所・場外車券売場その他これらに類するものを、第三号と並んで一律に禁止しています。
Qどうしても計画したい場合に許可を受ける方法はありますか?
Aあります。建築基準法第48条第5項ただし書により、特定行政庁が住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合は建築できますが、個別の審査を要する特別な手続です。

まとめ

第一種住居地域内では建築基準法別表第二(ほ)項第三号により、カラオケボックスその他これに類するものを用途とする建築物の建築が禁止されています。
対象は用途そのもので判断され、床面積や個室数の大小を問わず一律に禁止対象になります
同じ(ほ)項第二号は、マージャン屋・ぱちんこ屋・射的場・勝馬投票券発売所・場外車券売場その他これらに類するものも一律に禁止しています。
第二種住居地域を定める(へ)項にはこの二つの用途を名指しで禁止する号が無く、第一種住居地域だけに上乗せされた規制です
(ほ)項第一号は(へ)項第一号から第五号までに掲げるものも準用するため、第一種住居地域は第二種住居地域の禁止対象をすべて引き継いだうえでさらに規制が加わります。
(ほ)項第四号の延べ床面積3,000平方メートル超の禁止には政令で定める例外がありますが、第二号・第三号にはこうした面積要件や政令上の例外がありません。
どうしても計画したい場合は、特定行政庁が住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可する道が第48条第5項ただし書に置かれています。

まず用途地域を確認して、計画を見直します!

用途の該当性の確認も含めて、㈱防災屋でもご相談を承っております。

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監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 建築基準法第48条第5項(e-Gov法令検索)
  • 建築基準法別表第二(ほ)項第一号・第二号・第三号・第四号(e-Gov法令検索)
  • 建築基準法別表第二(へ)項第一号から第五号まで(e-Gov法令検索)

※本記事は公表されている法令に基づく一般的な解説です。該当性の判断や規定の適用範囲は個別の土地の状況によって異なる場合があります。個別の判断は所轄の特定行政庁にご確認ください。

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