自動火災報知設備の点検で、感知器を一つずつ天井まで確認して回っていませんか。
実は自動試験機能や遠隔試験機能を持つ感知器なら、中継器や受信機に外部試験器をつなぐだけで機能確認ができます。
ただしこの外部試験器には構造や表示、5年ごとの校正まで細かな基準が定められています。
点検票の記載まであわせて、通知の中身を確認しておきましょう。
点検業者さんが感知器に機械をつないでピッと確認するだけで済ませていました。
あれでも点検したことになるんですか。
なります。
遠隔試験機能付きの感知器なら、決まった基準を満たす外部試験器を使えば正式な確認方法です。
その機械なら何でも使っていいわけじゃないんですね。
はい。
外部試験器そのものにも構造や表示、校正の基準が定められています。
- 平成7年の省令改正で自動試験機能・遠隔試験機能付きの感知器が導入され、中継器や受信機に外部試験器を接続して機能確認を行う点検方式が認められました
- この方式が使えるのは遠隔試験機能付感知器だけで、通常の感知器には使えません
- 外部試験器には構造・機能・表示の基準があり、「外部試験器」の文字・型式番号・製造年月などの表示が義務付けられています
- 外部試験器は5年ごとの校正が必要で、校正基準も別に定められています
- 点検を行ったときは、点検票や試験結果報告書に外部試験器の型式番号・校正年月日を記載するよう指導されています
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目次
外部試験器という点検方法はなぜ認められることになったのか

平成7年の省令改正で、その手間を大きく減らす仕組みが加わっています。
きっかけは平成7年の省令改正(平成7年自治省令第27号〜第29号)で、感知器・中継器・受信機に自動試験機能と遠隔試験機能が導入されたことでした。
それを受けて平成8年、外部試験器そのものの取扱いを定める通知が発出されています。
点検のたびに脚立で感知器へ近づく必要が減り、作業の安全性と効率が大きく変わりました。
ただしこの方式が使えるのは、限られた条件を満たす感知器だけです。
感知器の点検って、脚立に上って加熱試験器を当てるやつだと思ってました。
それも今も行われています。
遠隔試験機能付きの感知器なら、その手間を省ける仕組みがあるんです。
外部試験器はどの感知器の点検でも使えるのか

使える範囲は通知の中ではっきり線引きされています。
自動試験機能はあっても遠隔試験機能を持たない感知器や、旧来型の感知器にはこの方式は使えません。
中継器または受信機の側にも遠隔試験機能が備わっていることが前提になります。
現場でどちらのタイプか分からないときは、点検業者や設備の仕様書で確認するのが確実です。
対象を取り違えると、点検そのものが成立しなくなってしまいます。
うちの受信機、古いタイプなんですけど、それでも外部試験器って使えるんでしょうか。
遠隔試験機能が無い機種では使えません。
点検業者に対応の可否を確認してもらいましょう。
外部試験器そのものにはどんな基準が求められているのか

構造・機能・表示のそれぞれに細かな基準があります。
このほか、正常・異常を確認できること、電源の状態や電池の良否を判別できること、周囲温度や振動、絶縁性能に関する基準まで細かく定められています。
つまり外部試験器はただの通電チェッカーではなく、規格に適合した専用の測定器だということです。
点検の場に持ち込まれた機械に、これらの表示があるかどうかが最初の確認ポイントになります。
表示が読み取れない、あるいは無いものは基準を満たしていない可能性があります。
型式番号とか製造年月って、機械のどこかに書いてあるものなんですか。
本体に消えないように表示することが基準で決まっています。
次はその管理面を見てみましょう。
外部試験器の管理で見落としやすいのはどこか

見落としやすいのは校正のサイクルです。
校正が切れた外部試験器では、感知器側の異常を正しく検出できているかどうかの裏付けがなくなります。
本体に貼られた校正期限のシールを見れば、いつまで使える機器かはすぐに分かります。
表示だけ整っていて校正が切れている、という状態が実務でいちばん見落とされやすいところです。
点検の依頼主としても、機器の型式番号だけでなく校正の有効期限まで確認しておくと安心です。
校正のシールなんて、正直今まで気にしたことがなかったです。
多くの方がそうです。
5年ごとという期限が決まっているので、次からはそこも見てみてください。
点検のときに明日から何を確認すればよいのか

点検票の記載までセットで押さえておきましょう。
点検の現場では、外部試験器本体の「外部試験器」の文字・型式番号・製造年月の表示を見て、次に校正期限のシールが有効期限内かどうかを確認します。
そのうえで、点検票や試験結果報告書の所定欄に型式番号と校正年月日が記載されているかをチェックしましょう。
記載が漏れていると、あとから「その点検が本当に基準どおり行われたか」を確かめる手立てがなくなってしまいます。
小さな確認の積み重ねが、点検結果の信頼性を支えています。
次の点検のときは、機械の表示とシールをちゃんと見てみます。
それだけで十分です。
点検票の記載もあわせて確認してもらうと安心ですよ。
よくある質問
まとめ
次の点検報告書が届いたら、外部試験器の表示欄も見てみます!
それが一番大事な確認です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 自動火災報知設備の遠隔試験機能に係る外部試験器の取扱いについて(平成8年5月24日消防予第105号、改正:平成25年3月消防予第123号)
- 消防法施行令(昭和36年政令第37号)第21条
- 中継器に係る技術上の規格を定める省令(昭和56年自治省令第18号)第2条第13号・第3条の3
- 受信機に係る技術上の規格を定める省令(昭和56年自治省令第19号)第13条の2
※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





