マンションの隣に、住宅とはつながっていない独立した車庫の建物が建っているのを見たことはありませんか。
車庫は建物に附属させなければ建てられないと思われがちですが、第一種中高層住居専用地域では話が違います。
建築基準法別表第二(は)項第六号は、住宅などに附属しない独立した自動車車庫を、一定の条件のもとで正面から許容しています。
この記事では条文の中身を確認しながら、独立車庫が建てられる条件と、附属車庫との違いを整理します
うちの近所に、住宅とはつながっていない独立した車庫の建物があるんですが、あれは特別な許可を取っているんでしょうか。
いいえ、別表第二(は)項第六号という条文で正面から認められています。
まず条文を確認しましょう。
車庫って、家にくっついていないと建てられないものだと思っていました。
面積の条件を満たせば、独立していても建てられます。
順番に見ていきましょう。
- (は)項第六号は独立した自動車車庫でも床面積の合計が300平方メートル以内なら建築できます
- 三階以上の部分を車庫にする場合は対象から除かれます
- 300平方メートルを超えても、都市計画として決定された駐車場であれば上限は外れます
- (い)項・(ろ)項では車庫は附属建築物としてしか認められません
- 附属車庫の例外は施行令第百三十条の五が根拠で、六号とは仕組みが異なります
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目次
中高層住居専用地域は独立した車庫をどこまで認めているのか

その中の第六号に、自動車車庫に関する規定があります。
ここでいう「独立した」とは、住宅などの主たる建築物に附属していない単体の車庫という意味です。
根拠は建築基準法第48条第3項で、第一種中高層住居専用地域では(は)項に掲げる建築物以外は原則建築できないと定めています。
六号は(は)項の中で、車庫そのものを独立した用途として正面から許容する号です。
まずは面積の基準から詳しく見ていきます。
300平方メートル以内か、都市計画で決定されているか、どちらか一方でいいんですか。
はい、どちらか一方を満たせば足ります。
次は300平方メートルの数え方を見てみましょう。
300平方メートルはどこまでの範囲で数えるのか

条文の中身をもう少し詳しく確認します。
車庫が複数棟に分かれていても、敷地内の車庫部分をすべて合算して判定します。
階数の面では、三階以上の部分を車庫にすると、面積の合計が300平方メートル以内でもこの号の対象から外れます。
つまり車庫として使えるのは実質的に一階と二階までで、平屋でも二階建てでも面積の合計だけで判定します。
次は、なぜ独立した車庫がこの号でだけ認められているのかを確認します。
車庫が何棟かに分かれていても、合計で300平方メートルを見るんですね。
はい、敷地内の車庫部分の合計で判定します。
次はなぜ独立した車庫が認められるのかを見てみましょう。
なぜ附属していない車庫でもここでは建てられるのか

低層住居専用地域側の条文を確認します。
さらに施行令第百三十条の五第三号により、附属車庫であっても二階以上の部分に設けることは一律に禁止されています。
一方、第一種中高層住居専用地域の六号は、附属を条件とせず独立した車庫そのものを用途として掲げ、二階までの車庫を認めています。
これは、中高層のマンションが立ち並ぶ地域では、各住戸に附属させる形では対応しきれない規模の駐車需要が想定されているためと考えられます。
ただし面積の上限があることに変わりはありません。
低層住居専用地域では、車庫は住宅にくっついていないと駄目なんですね。
はい、附属していることが前提です。
次は300平方メートルを超える場合の道を見てみましょう。
300平方メートルを超える車庫はどうすれば建てられるのか

条文の後半を確認します。
都市計画法第十一条第1項第1号は、道路や都市高速鉄道と並んで駐車場を都市施設の一つとして挙げています。
公共性の高い駐車場として都市計画に位置づけられれば、300平方メートルという面積の上限は適用されません。
ただしこの場合も、三階以上の部分を車庫にすることは認められません。
一般の民間車庫がこの道を使う場面は限られており、実務の多くは300平方メートル以内の基準で判断することになります。
都市計画で決まっている駐車場なら、広さは関係なくなるんですか。
はい、都市施設としての駐車場であれば上限は外れます。
次は確認の手順を整理しましょう。
明日から何を確認すればよいのか

確認すべき点を整理します。
- 敷地が第一種中高層住居専用地域に指定されているかを都市計画図で確認する
- 車庫の用途に供する部分の床面積の合計が300平方メートル以内かを図面で確認する
- 車庫部分が三階以上に配置されていないかを確認する
- 300平方メートルを超える計画の場合は、都市計画法上の都市施設として決定されているかを特定行政庁に確認する
- 住宅などに附属させる形にする場合は、(い)項・(ろ)項側の施行令第百三十条の五の基準に切り替わることに注意する
面積と階数と、都市計画かどうか。
三つを順番に見ればいいんですね。
はい、どれか一つでも外れると対象外になります。
迷ったらよくある質問も参考にしてください。
よくある質問
まとめ
300平方メートルという基準がはっきり分かりました。
次の車庫の相談でも迷わず判断できそうです。
独立車庫の判断に迷ったら、㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 建築基準法第48条第3項
- 建築基準法別表第二(は)項第六号・(い)項第十号
- 建築基準法施行令第百三十条の五
- 都市計画法第十一条第1項第1号
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





