BLOG

BCPで災害後に破損した太陽光パネルへ近づいてよいのか|感電と二次火災を防ぐ立入管理を解説

被災した太陽光パネルを立入禁止にして確認する施設担当者の現場写真を使ったアイキャッチ

地震や台風のあと、屋上の太陽光パネルが割れたり傾いたりしていたら、施設担当者が近づいて確認してよいのでしょうか。
建物が停電していても、太陽光発電設備は光が当たれば発電することがあります。
破損や浸水を見つけたら触らず立入範囲を管理します
復旧を急ぐ場面でも、自己判断の接触より感電と二次火災の防止を優先します。

停電してたら、パネルも電気は来てへんのですか?

いいえ。
光があれば発電する可能性があります。

割れた部分を近くで見るのも危ないんですね。

まず離れて、立入禁止と専門者への連絡です。

この記事の結論
  • 被災した太陽光発電設備へむやみに近づきません
  • 建物が停電中でも発電の可能性があると考えます
  • 破損箇所と浸水区域を立入禁止にします
  • 電気主任技術者や電気工事士など専門者へ連絡します
  • 消防隊へ設備の位置と遮断箇所を到着時に伝えます

被災した太陽光発電設備に触れず立入禁止として専門者へ連絡する流れを示す中央一場面のアイソメ図

BCPで災害後に破損した太陽光パネルへ近づいてよいのか

破損した屋上の太陽光パネルを安全線の外側から確認する施設担当者のアイソメ図
結論からいうと、施設担当者が自己判断で近づいたり触れたりするのは避けます。
建物側の停電やブレーカーの遮断だけでは、太陽電池モジュールから接続箱までの直流側が無電圧になったとは限りません。
経済産業省は、太陽電池発電設備が破損・浸水した場合でも、光が当たれば発電することがあり、破損箇所やケーブルへの接触で感電する危険があると注意喚起しています。
最初の行動は接近ではなく離隔と連絡です
割れたパネル、垂れ下がった配線、浸水したパワーコンディショナー、焦げ臭、煙を遠方から確認します。
異常を見つけたら周囲を立入禁止にし、電気主任技術者、電気工事士、販売施工業者などへ連絡します。
発煙や火災のおそれがある場合は119番通報し、近くにいる人を安全な場所へ避難させます。
設備に水をかけたり、切れたケーブルを動かしたりしません。

停電表示だけでは判断できへんのですね。

太陽電池側は別に考えるのが大切です。

どの設備と被害を対象に確認するのか

浸水したパワーコンディショナーと接続箱を立入禁止にするアイソメ図
確認対象は屋上のパネルだけではありません。
架台、配線、接続箱、パワーコンディショナー、キュービクル、自立運転用コンセントまでを設備一式として扱います。
経済産業省の水没設備に関する周知は、モジュール、架台・支持物、集電箱、パワーコンディショナー、送電設備を太陽電池発電設備の確認対象として挙げています。
設備台帳には設置場所と遮断箇所と連絡先をまとめます
屋上、外壁、電気室など場所が分かれるため、図面上で位置を示します。
  • 太陽電池モジュールの設置範囲
  • 架台と固定金具の変形
  • 露出・断線・垂れ下がった配線
  • 接続箱とパワーコンディショナー
  • 浸水や泥水が残る範囲
  • 主開閉器と系統連系の遮断位置
  • 保守会社と電気担当者の連絡先
ひび割れ、飛散、傾き、焦げ跡、異臭、水没のいずれかがあれば異常ありとして扱います。
夜間も炎や投光器などの光で発電する可能性があるため、暗いから安全とは決めません。
落下や飛散のおそれがある区域も立入範囲に含めます。

パネルだけ見たら終わりやないんですね。

はい。
配線と周辺機器まで一式で管理します。

発見から専門者の確認まで何を決めるのか

施設担当者が太陽光発電設備の周囲へコーンとロープを設置し専門者へ連絡するアイソメ図
災害後の現場では、復旧を急ぐ人が危険区域へ入ることがあります。
発見、隔離、通報、専門者確認、再開判定の順序をBCPへ書きます。
内閣府の事業継続ガイドラインは、重要業務と必要資源を特定し、代替戦略、手順、教育、訓練、点検と是正によって事業継続能力を高める考え方を示しています。
現場担当者の役割は設備へ触ることではなく危険区域を管理することです
安全な位置から写真と時刻を記録し、コーンやロープで立入禁止を示します。
  1. 人命危険と発煙の有無を安全な位置から確認する
  2. 周囲の人を離して立入禁止にする
  3. 119番通報または設備担当者へ連絡する
  4. 設備図面と被害状況を共有する
  5. 専門者が絶縁・損傷・浸水を確認する
  6. 使用禁止または復旧可の判定を記録する
  7. BCPと消防計画の連絡先を更新する
ロープを張るために危険区域へ入る必要がある場合は、さらに外側から立入りを止めます。
現場担当者へ遮光や配線切断をさせず、作業範囲は専門者が判断します。
自立運転の再開も、設備が健全と確認されるまで禁止します。

まず囲って、人を近づけへんようにします。

その判断を担当者の共通ルールにしましょう。

ブレーカーを切れば安全と思いやすいのはなぜか

施設担当者が消防隊へ太陽光パネルとパワーコンディショナーの位置図を示すアイソメ図
建物の主電源を切ると、すべての配線が無電圧になったように見えます。
しかし太陽光発電設備には発電側の直流回路があり、パネルへ光が当たる間は電圧が生じる可能性があります。
消防庁の消防活動上の留意点は、外部から発電を遮断できないこと、破損したモジュールでも光が当たると発電すること、切断配線を介して建物の金属部などへ危険が及ぶ可能性を示しています。
ブレーカー操作だけを安全確認の完了にしません
復旧作業者が金属架台、濡れた床、切断配線へ触れれば感電のおそれがあります。
破損パネルはガラス片の落下や飛散もあるため、電気以外の危険も確認します。
  • 建物停電を太陽電池側の無電圧とみなさない
  • 切れた配線や金属部へ触れない
  • 浸水区域へ入らない
  • 破損パネルを持ち上げない
  • 現場担当者が放水や遮光を試さない
火災時は消防隊へ太陽光発電設備の有無と位置を到着時に伝えます。
図面、パワーコンディショナー、接続箱、主開閉器の位置を示し、担当者の推測ではなく設備情報を渡します。
消防活動区域へ施設側の作業者が戻らないよう人数管理も行います。

ブレーカーを切ったから触れる、ではないんですね。

そのとおり。
専門者の確認まで待つ運用です。

明日から太陽光発電設備の災害対応をどう確認するのか

施設担当者と電気工事士が太陽光発電設備の図面と点検表を照合するアイソメ図
最初の確認は、災害が起きていない日に行います。
屋上へ誰を上げるかではなく、異常時に誰が立入禁止を判断し、誰へ連絡するかを決めます。
経済産業省は、強風前の固定金具や架台接合部の点検、大雨前の外郭や排水の確認、異常の早期対処を求めています。災害後だけでなく災害前の予防点検もBCPへ組み込みます。
設備図面と連絡網と立入禁止資材を同じ訓練で確認します
コーンやロープを安全な場所に保管し、危険区域へ入らず設置できる範囲を確かめます。
  1. 太陽光発電設備の位置を図面へ記載する
  2. パワーコンディショナーと遮断箇所を確認する
  3. 保守会社と電気担当者の連絡先を更新する
  4. コーンとロープの保管場所を決める
  5. 安全な位置から被害報告する訓練を行う
  6. 消防隊へ渡す設備情報を一枚にまとめる
  7. 専門者の確認前は再開しない停止条件を定める
訓練では、屋上、電気室、外壁のどこを立入禁止にするかを図上で確認します。
設備を増設・交換したときは、消防計画、BCP、設備台帳、連絡先を同時に更新します。
点検結果は日付と担当者を残し、未確認箇所を次回へ持ち越さないよう管理します。

図面と連絡先から確認してみます。

ええですね。
近づかない訓練も実際に行いましょう。

よくある質問

Q建物が停電中なら太陽光パネルへ触れてもよいですか?
A触れません。太陽光が当たれば発電する可能性があるため、破損箇所や配線から離れ、専門者へ連絡します。
Q浸水が引けばパワーコンディショナーを操作できますか?
A泥や水分が残り、絶縁性能が低下している可能性があります。乾いて見えても操作せず、有資格者等の確認を待ちます。
Q夜間なら発電しないので近づけますか?
A消防庁資料は炎などの光でも発電継続の可能性を示しています。暗さだけで判断せず、立入禁止を継続します。
Q消防計画とBCPにはどう分けて書けばよいですか?
A消防計画には火災時の通報・避難・情報提供を、BCPには被害確認、立入管理、専門者連絡、復旧判定を整理し、図面と担当者を整合させます。

まとめ

被災した太陽光発電設備へむやみに近づきません。
停電中でも発電の可能性があると考えます。
破損箇所と浸水区域を立入禁止にします。
切れた配線と浸水設備へ触れません
設備図面と被害情報を消防隊へ伝えます
復旧と再開は専門者の確認後に判断します。
図面・連絡網・立入禁止資材を訓練で照合します。

まずは設備図面と連絡先を確認します!

触らず離れる運用をBCPへ落とし込みましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

※本記事は公表されている法令および消防庁・経済産業省・内閣府等の資料に基づく一般的な解説です。太陽光発電設備は構成、電圧、遮断方法、浸水・損傷の状態が施設ごとに異なります。実際の立入範囲、停止、復旧、事故報告は設備の取扱説明書と保安規程等を確認し、電気主任技術者、電気工事士、販売施工業者、所轄消防署、所管の産業保安監督部へご相談ください。

BLOGカテゴリ
最新の記事
防火管理者代行サービス
無料1分概算見積
被災した太陽光パネルを立入禁止にして確認する施設担当者の現場写真を使ったアイキャッチ
地震や台風のあと、屋上の太陽光パネルが割れたり傾いたりしていたら、施設担当者が近づいて確認してよいのでしょうか。建物が停電していても、太陽光発電設備は光が当たれば発電することがあります。破損や浸水を見つけたら触らず立入範...
リクルート 採用情報はこちら →
採用ページ 一緒に働く仲間を募集中 → フランチャイズ (株)防災屋と一緒に開業する → 協力業者 協力業者さん募集中 →