地震のあと、事務所や厨房の冷蔵庫が数センチ動いていたら、そのまま電源を戻してよいのでしょうか。
中身を守りたい気持ちはあっても、背面で電源コードが挟まれたり、プラグやコンセントが傷んだりしている可能性があります。
再通電の前に転倒・移動と電源まわりを確認します。
異常を見つけたときは、冷蔵庫を動かして確かめず、使用停止と立入管理を優先します。
冷えてへんと困るし、すぐ電源を戻したいです。
先にコードと設置状態を見ましょう。
少し動いただけでも確認が要るんですか?
背面で挟み込みが起きることがあります。
- 災害後は冷蔵庫の移動と傾きを先に確認します
- 電源コード、プラグ、コンセントの損傷と挟み込みを確認します
- 異常があれば再通電せず使用禁止にします
- 大型・業務用機器は無理に動かさず専門者へ連絡します
- 代替保冷と食品・医薬品の扱いをBCPで決めます
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目次
BCPで災害後に冷蔵庫をすぐ再通電してよいのか

冷蔵庫が動くと、背面の電源コードが本体や壁に押し付けられ、被覆の損傷や半断線が生じることがあります。
傾き、移動、転倒物、水濡れ、焦げ臭、異音を安全な位置から確認します。
コンセント付近に火花、変色、発熱、煙があれば、近づかず119番通報と周囲の避難を行います。
異常が見えなくても、冷蔵庫が大きく動いたときは背面へ手を入れません。
分電盤の回路表示が正しく、操作する人の安全が確保できる場合は該当回路を切った状態で保持します。
電源の確認方法が分からない場合は、無理に操作せず管理会社や電気工事業者へ連絡します。
まず冷蔵庫を元へ戻す、ではないんですね。
はい。
動かさず電源を管理します。
どの冷蔵庫と電源を対象に確認するのか

給湯室、休憩室、店舗厨房、福祉施設、医務室などで使う冷蔵・冷凍機器を一覧にします。
同じ冷蔵庫でも、プラグ式、専用回路、直結式では停止と復旧の担当者が異なります。
- 冷蔵庫と冷凍庫の設置場所
- プラグ式か直結式か
- 分電盤の回路名と遮断位置
- 転倒防止金具や固定ベルト
- 背面と側面の必要な空間
- 食品・検体・医薬品などの保管物
- 保守会社と電気工事業者の連絡先
延長コードやテーブルタップを使っている機器は、過負荷や損傷の確認対象に含めます。
水濡れしたコンセントやプラグは乾いて見えても使用せず、有資格者等の確認を待ちます。
医薬品や検体を保管する機器は、温度逸脱時の扱いを所管部署と決め、設備の安全確認と保管物の品質判断を分けます。
業務用機器の直結部や制御盤は、施設担当者が開けず専門者の範囲とします。
中身の管理も一緒に決めるんですね。
設備の安全と保冷の継続を分けて整理します。
停止から再通電まで何を決めるのか

停電中に確認を後回しにすると、電力復旧と同時に損傷したコードへ電気が流れるおそれがあります。
安全確保、停止、外観確認、専門者確認、再開承認の順番を固定します。
- 人命危険、煙、火花、水濡れを確認する
- 異常区域への立入りを止める
- 安全に操作できる範囲で電源を停止する
- 機器の移動とコードの挟み込みを記録する
- 必要に応じて電気工事業者やメーカーへ連絡する
- 再通電の可否と承認者を記録する
- 代替保冷へ切り替えて重要業務を継続する
本体が傾いていたり背面へ手が届かなかったりするときは、無理に抜かず分電盤側で停止状態を保ちます。
再通電前には、コード、プラグ、コンセント、固定部、本体外装、周囲の可燃物を確認します。
異常のないことを確認した記録がそろうまで、冷蔵庫へ使用禁止表示を付けます。
再開後もしばらくは異臭、異音、異常な発熱を監視し、異常時は直ちに停止します。
復電したら自動で再開、にせん方がええんですね。
確認してから戻す流れを決めます。
見た目が無事でも何を見落としやすいのか

本体を押し戻すと、すでに傷んだコードへさらに力を加えるおそれがあります。
まず安全な角度から、コードの引っ張り、プラグの傾き、コンセントの浮き、棚や荷物の転倒を確認します。
- 本体の脚やキャスターが台から外れていないか
- コードが本体や棚の下に入っていないか
- プラグが斜めに抜けかけていないか
- コンセント周辺に変色や焦げがないか
- 床や壁に漏水がないか
- 避難通路や防火戸をふさいでいないか
- 固定金具やベルトが外れていないか
プラグ周辺のほこりは平常時の点検項目であり、災害直後に狭い背面へ入って清掃するものではありません。
異臭や熱を感じたら、確認を続けずその場を離れます。
外観で判断できない損傷は、メーカーや電気工事業者へ点検を依頼します。
固定方法を追加するときは、建物側の下地と機器メーカーの指定を確認し、避難経路を狭めないようにします。
裏を見ようとして動かす方が危ないこともあるんですね。
はい。
見える範囲で止める判断も必要です。
明日から冷蔵庫の災害対応をどう確認するのか

次に、停止担当、点検担当、再開承認者、保管物の判断担当を割り当てます。
停電していない日に、現物と図面を見比べます。
- 冷蔵庫と冷凍庫へ管理番号を付ける
- 設置場所と電源回路を配置図へ記載する
- 固定金具と周囲の空間を確認する
- 停止・点検・再開の担当者を決める
- 使用禁止札とコーンの保管場所を決める
- 代替保冷先と搬送手順を確認する
- 地震後の再通電訓練を行い記録を残す
担当者が無理に機器を戻さず、回路を特定し、使用禁止表示と連絡ができるか確認します。
配置変更や機器更新のたびに、固定部、回路名、保守連絡先を同時に更新します。
保冷箱、蓄冷材、非常用電源を使う場合も、接続可能な負荷と使用場所を事前に確認します。
訓練の未達事項は担当者と期限を決め、消防計画とBCPへ反映します。
冷蔵庫の番号と回路名から見直します。
ええですね。
止めて待つ訓練も入れましょう。
よくある質問
まとめ
まずは配置図と回路名を確認します!
再通電を急がない仕組みを作りましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- e-Gov法令検索 消防法第8条
- e-Gov法令検索 消防法施行規則第3条
- 東京消防庁 電気設備機器・製品の火災事例
- 東京消防庁 令和4年版火災の実態 電気冷蔵庫の電源コードから出火した火災
- NITE 地震で転倒したロッカーによる電源コードのショート
- 資源エネルギー庁 あらためて学ぶ停電の時にすべきこと・すべきでないこと
- 内閣府 事業継続ガイドライン 令和5年3月
※本記事は公表されている法令および消防機関・行政機関等の資料に基づく一般的な解説です。冷蔵庫は機種、電源方式、固定方法、保管物、被災状況によって必要な対応が異なります。実際の停止、点検、再通電、修理、保管物の使用可否は、機器の取扱説明書、施設の電気管理手順、保管物の管理基準を確認し、メーカー、電気工事業者、建物管理者、所轄消防署、関係部署へご相談ください。





