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BCPで浸水した生石灰乾燥剤へ水をかけてよいのか|発熱と火災を防ぐ分別と仮置きを解説

浸水した生石灰乾燥剤を確認する施設担当者の現場写真を使ったアイキャッチ

水害後の倉庫で、濡れた段ボールから小袋の乾燥剤が大量に出てきました。
湯気のようなものが見えると、冷やすために水をかけたくなるかもしれません。
しかし生石灰を主成分とする乾燥剤は、水分と反応して熱を出すため、追加の放水が危険を広げる場合があります。
中身を確認できない乾燥剤へ自己判断で水をかけません
人を離し、製品表示を確かめて種類ごとに分けて管理します。

乾燥剤が濡れただけでも、熱くなるんですか?

生石灰なら水との反応熱が出ます。

ほな、湯気が出ても水は足したらあかんのですね?

はい。
近づかず通報と相談を優先します。

この記事の結論
  • 濡れた乾燥剤へ自己判断で水をかけません
  • 袋や外箱の表示で生石灰か確認します
  • 普通ごみと分けて乾いた場所へ隔離します
  • 処理方法は製造事業者と回収先へ確認します
  • 発熱・蒸気・煙があれば近づかず119番通報します

浸水した生石灰乾燥剤へ水をかけず乾いた容器へ分けて相談する一場面のアイソメ図

浸水した生石灰乾燥剤へ水をかけてよいのか

浸水した倉庫で濡れた乾燥剤の箱へ近づかず確認する施設担当者のアイソメ図
結論からいうと、生石灰乾燥剤が疑われる小袋へ、冷却のつもりで水をかけません。
生石灰は水分と反応すると熱を出し、周囲の可燃物を加熱するおそれがあります。
東京消防庁は、工事現場で保管していた生石灰に雨水等が触れ、反応熱が蓄積して周囲の合板が焼損した火災を紹介しています。現場で湯気のような蒸気を見た警備員が定期的に放水しており、その放水も反応を進めた可能性が示されています。
熱の原因が生石灰なら追加の水が反応を進めます
見た目が同じ小袋でも、生石灰、シリカゲル、塩化カルシウムなど中身は異なります。
そのため「乾燥剤」という呼び名だけで、濡らす、開封する、普通ごみへ混ぜる判断はできません。
外箱や小袋の表示が読める場合は、まず成分表示を確認します。
表示が読めない、袋が破れている、熱を感じる場合は、無理に拾い集めません。
段ボール、木材、紙くずから人を離し、可能なら安全な位置から周囲への立入を止めます
湯気、強い熱、煙、焦げ臭さを確認したら、自己判断の消火を続けず119番通報します。

水で冷やすのが逆効果になるんですね。

まず水を増やさないことが大切です。

どの乾燥剤と保管場所を対象に確認するのか

複数種類の乾燥剤と外箱と安全資料を作業台で照合する施設担当者のアイソメ図
対象は、食品の小袋だけではありません。
機器、精密部品、衣類、医薬品、輸送梱包に入っていた乾燥剤を、置き場所と製品表示から洗い出します。
NITEの用途分類資料は、乾燥剤に生石灰や塩化カルシウムなどの化学的乾燥剤と、シリカゲルやゼオライトなどの物理的乾燥剤があると説明しています。外観だけでは中身を特定できないため、袋や外箱の表示を確認する必要があります。
小袋の形ではなく中身の成分で対応を分けます
  • 食品、菓子、海苔などの外箱と小袋
  • 精密機器や電子部品の輸送箱に入った乾燥剤
  • 衣類、革製品、靴の包装に入った乾燥剤
  • 医薬品、試薬、検査用品の包装に入った乾燥剤
  • 設備部品や工具の防錆包装に入った乾燥剤
  • 倉庫で予備保管している未使用の乾燥剤
  • 外袋が破れ成分表示を確認できない小袋
同じ見た目でも、水との反応、液化、粉の飛散、廃棄区分は異なります。
製品名、メーカー、用途、保管数、保管場所を確認し、表示や安全データシートを現物と対応させます。
外箱が流失して成分を特定できない小袋は、生石灰でないと決めつけません。
倉庫担当だけでなく、テナント、厨房、物流、設備担当にも保管状況を確認します。
種類不明品は確認が終わるまで普通ごみから分け、担当者以外が動かさないよう立入と表示を管理します。

食品の小袋だけ見ればええんですか?

設備部品の箱や予備在庫も対象です。

発見から回収まで何を決めるのか

濡れた生石灰乾燥剤を普通ごみから分け乾いた金属容器で管理する施設担当者のアイソメ図
BCPには、片付けを始める前に、誰が成分と異常を確認して回収へつなぐかを書きます。
発見者がその場で処理方法を決めず、立入管理、表示確認、相談、引渡しへ進む流れにします。
廃棄物処理法第3条は、事業者に対し、事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任で適正に処理することを求めています。災害時でも、種類と状態を回収先へ伝え、受入条件を確認して引き渡します。
拾い集める前に水との反応と周囲の可燃物を確認します
  1. 作業を止め、乾燥剤の発熱・蒸気・煙を離れて確認する
  2. 水、火気、段ボール、木材から人を離す
  3. 小袋と外箱の成分表示や安全データシートを照合する
  4. 生石灰または種類不明品を普通ごみから分ける
  5. 製品表示に従い乾いた管理場所と容器を確認する
  6. 製造事業者、回収業者、自治体へ受入条件を確認する
  7. 数量、状態、仮置き場所、確認者、引渡日を記録する
仮置き場所は、雨水が入らず、避難経路、消防用設備、分電盤を塞がない位置にします。
段ボールや木材を周囲から離し、無関係な廃棄物を追加しないよう管理します。
容器を完全密閉するか、どの材質を使うかは、発熱の有無や製品の指示で変わります。
すでに熱や蒸気が出ている物を、担当者だけで容器へ移し替えません。
まず製品表示と安全データシートを読み、分からなければ製造事業者へ相談します。
回収先には、生石灰である可能性、量、濡れ方、袋の破損を伝えて受入条件を確認します。
異常がある乾燥剤へ近づいたり開封したりせず、避難と通報を優先します。

拾う前に、表示と熱を確認するんですね。

はい。
触らない判断も手順に入れます。

湯気を見て水を足すと何を見落とすのか

発熱して蒸気が出る生石灰乾燥剤から離れて通報する施設担当者のアイソメ図
湯気のような蒸気は、冷えている合図とは限りません。
生石灰と水の反応が続き、内部や接触面の温度が上がっている可能性があります。
消防研究センターの論文概要は、生石灰乾燥剤が水と反応して発熱すること、洗剤を含む水溶液では製品内部へ短時間で水分が浸透し、発熱が起こる条件があることを示しています。水分の種類や袋の状態でも反応の進み方は変わります。
蒸気が見える場所へ近づいて追加の水をかけません
濡れ方が少なく見えても、小袋の内部まで反応しているかは外から判断できません。
  • 湯気を冷ますつもりでホースの水をかける
  • 濡れた小袋を段ボール箱へまとめ直す
  • 木材、紙、布など可燃物のそばへ置く
  • 袋の破れを確かめるため素手で触る
  • 反応が終わったと決めつけて無人の場所へ置く
  • 床洗浄の洗剤水を乾燥剤へ流しかける
  • 数量と場所を記録せず別の人が追加する
また、生石灰でない乾燥剤には別の性質があるため、すべてを同じ反応で説明しません。
成分、濡れたときの措置、保管と廃棄の注意を製品表示で確認します。
生石灰に水をかけてしまった場合は、反応を止めようとしてさらに触らず、人を遠ざけます。
周囲の段ボールや木材へ熱が伝わっていないか、安全な距離から確認します。
担当者だけで安全と決めず、状況を消防へ正確に伝えます
発熱、蒸気、煙、焦げ臭さを見つけた場合は、袋を開けず、周囲へ知らせて避難します

湯気が出たら、水で冷やしたくなりますね。

そこで近づかない判断が要ります。

明日から生石灰乾燥剤の災害対応をどう確認するのか

高い棚で乾燥剤を水濡れから守り在庫表を確認する施設担当者のアイソメ図
最初に、施設内で乾燥剤を含む製品と、予備在庫の保管場所を一覧にします。
小袋の表示が読めるうちに、成分、メーカー、相談先、回収先をひも付けます。
消防法第8条に基づく消防計画には、火災予防、通報、初期消火、避難など防火管理上必要な事項を定めます。BCPでは、水害後の立入管理、製品確認、分別、回収、重要業務の再開までを具体化し、消防計画の初動と担当者・連絡先をつなぎます。
保管場所と水濡れ時の連絡手順を一つの訓練で確認します
  1. 乾燥剤を含む製品と予備在庫を場所別に一覧化する
  2. 成分表示、安全データシート、緊急連絡先をそろえる
  3. 床置きを避け水が届きにくい保管場所へ移す
  4. 水道、床排水、段ボール、避難経路との位置を確認する
  5. 発熱、蒸気、煙、焦げ臭さの立入停止基準を決める
  6. 製造事業者と回収先へ容器と受入条件を事前確認する
  7. 発見から避難・通報・引渡しまで訓練して記録する
訓練では、外箱が見つかる場合と、成分不明の小袋だけが出る場合を分けて試します。
清掃員やテナントが普通ごみへ追加せず、現場を離れて連絡できるか確認します。
夜間に熱や蒸気を見つけた人が、水をかけずに避難と通報へ移れるか確認します。
火災時の通報、初期消火、避難は消防計画と整合させます。
復旧作業の中止、製品確認、立入、分別、委託、再開判断はBCP側に整理します。
製品や回収先が変わったら、容器、場所、連絡先を更新します。
訓練後は迷った場面と判断時間を残し、次回までに是正します。

乾燥剤の種類と保管場所を一覧にします。

ええですね。
水をかけない基準も入れましょう。

よくある質問

Q濡れた生石灰乾燥剤へ水をかけてもよいですか?
A自己判断で追加の水をかけません。生石灰は水分と反応して発熱するため、人を離し、異常があれば119番通報してください。
Q乾燥剤は全部同じ扱いでよいですか?
A同じではありません。生石灰、シリカゲル、塩化カルシウムなどがあるため、外箱や小袋の成分表示を確認します。
Q湯気が止まれば拾ってもよいですか?
A湯気が止まっただけでは反応終了を確認できません。袋を開けたり素手で触ったりせず、製造事業者や消防へ状態を伝えて相談します。
Q消防計画とBCPにはどう分けて書きますか?
A消防計画には火災時の通報、初期消火、避難などを、BCPには復旧作業、製品確認、分別、回収、再開判断を整理します。担当者と連絡先を相互に整合させます。

まとめ

濡れた乾燥剤へ自己判断で水をかけません。
袋や外箱で成分を確認します。
普通ごみと混ぜず種類ごとに分けます。
水と可燃物を避けて仮置き場所を管理します。
移し替えや密閉を一律に決めず製品ごとに確認します。
発熱・蒸気・煙があれば避難して通報します。
発見から避難・回収まで訓練します。

まずは乾燥剤の在庫一覧から始めます!

水濡れ時の通報手順まで決めましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

※本記事は公表されている法令および行政機関等の資料に基づく一般的な解説です。乾燥剤は成分、包装、濡れ方、量、周囲の可燃物、施設の被災状況によって必要な対応が異なります。実際の立入、移動、容器、仮置き、回収、廃棄は、製品表示と安全データシートを確認し、製造事業者、建物管理者、回収業者、自治体、所轄消防署へご相談ください。発熱、蒸気、煙、焦げ臭さ、火災のおそれがある場合は袋や容器を開けず、人命を優先して安全な場所から119番通報してください。

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