地震のあと、廊下の誘導灯が斜めにぶら下がっていませんか。
表示が光っているからと真下を通すと、余震による脱落や落下を見落とすおそれがあります。
一方で、その場でまっすぐに戻すと、取付部や配線の損傷を広げるかもしれません。
BCPでは、まず下を通さず、別の避難経路を示し、固定・表示・点灯の専門確認が終わってから経路を再開します。
光っていたら、その下を通ってもええですか。
まず真下を立入制限しましょう。
手でまっすぐ戻したら早いですよね。
触らずに、取付部まで点検してもらいます。
- 傾いた誘導灯の真下をすぐ立入制限します
- 別の安全な避難経路を確認して案内します
- 手で戻さず取付部と配線を専門業者へ確認します
- 外形・表示・点灯を別々に確かめます
- 写真と措置を残し確認後に経路を再開します
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目次
傾いた誘導灯の下を通ってよいのか

固定金具、吊り金具、天井材のどこが緩んだかは、離れた位置から見ただけでは分からないためです。
最初の判断は点灯しているかではなく落下範囲へ人を入れないことです。
コーンやバーを、誘導灯の直下だけでなく落下時に届き得る範囲の外へ置きます。
天井材の浮き、配線の露出、焦げ臭さ、異音があれば、さらに離れて建物管理者へ連絡してください。
消防庁の誘導灯の点検基準は、外箱・表示面について、変形、損傷、脱落、著しい汚損などがないことを確認対象にしています。
点検要領でも取付状態が適正であることを確認します。
したがって、斜めでも光るという外観だけで安全とせず、落下危険と誘導機能を分けて確認します。
点灯中でも通行を止めるんですね。
せやで。
落下範囲を先に止めるんや。
どの誘導灯と避難経路を確認するのか

同じ天井面、同じ避難経路、経路の先にある避難口誘導灯と通路誘導灯まで連続して見ます。
設備の異常範囲と人が安全に通れる経路を一枚の平面図で重ねます。
現場写真と図面で次を照合してください。
- 傾き、変形、ひび、脱落がある避難口誘導灯と通路誘導灯
- 同じ天井面の仕上げ材、吊り材、照明器具など
- 露出した配線、接続部、点検スイッチ、内蔵非常電源
- 立入制限によって使えなくなる廊下、階段、避難口
- 代わりに使う経路の幅、扉、障害物、誘導表示
代替経路に資材が置かれていたり、扉が開かなかったりすれば、案内先として使えません。
複数テナントが入る建物では、専有部で終わらせず共用廊下から避難階まで歩いて確認します。
管理会社と各テナントで、立入制限区間と代替案内を同じ図面へ反映してください。
傾いた一台だけ見ればいいわけではないんですね。
天井と避難経路を続けて見ましょう。
固定と表示と点灯は何を確かめるのか

消防法第17条は、関係者に消防用設備等を技術上の基準に従って設置し維持することを求めています。
復旧確認は固定・外形と表示・点灯と非常電源の順に切り分けます。
現場では次の順番を共通手順にしてください。
- 離れた位置から傾き、ひび、露出配線を撮影する
- 発見時刻、地震発生後の状況、点灯状態を記録する
- 真下を立入制限し安全な代替経路を案内する
- 消防設備業者へ取付部、外箱、表示面、結線接続の点検を依頼する
- 通常点灯と非常電源への切替機能を確認してもらう
- 必要な修理や交換と措置内容を記録する
- 施設責任者が確認結果をそろえて経路再開を判断する
施設担当者は無理に器具を開けず、位置番号と異常の見え方を伝えてください。
設備の不良が続くときは、在館者数、代替経路、案内方法を整理し、所轄消防署へ相談して運用を決めます。
施設担当者が点検スイッチを押してもええですか。
損傷時は触らず、専門業者へ引き継ぐのが先やで。
見た目だけを戻してはいけないのはなぜか

外箱の奥で端子が緩んだり、配線が引っ張られたりしていても、表示面は光る場合があります。
水平に見えることと安全に固定され機能することは別の確認です。
見落としやすい点を分けて記録します。
- 天井材の割れや浮きと取付金具の緩み
- 外箱の変形、表示面のひび、変色、脱落
- 結線接続の断線、端子の緩み、損傷
- 光源のちらつき、影、点灯不良
- 常用電源から非常電源へ切り替わらない状態
また、火災や煙が迫る実際の避難では、その場で設備点検の完了を待つものではありません。
在館者は放送や係員の指示に従い、落下物と煙を避けた最寄りの安全な出口へ移動します。
平時のBCPでは、その緊急時に迷わないよう、代替経路と案内担当をあらかじめ決めておきます。
水平に戻れば直ったように見えますね。
見た目だけやなく、固定と機能の両方を確認します。
明日から復旧確認をどう進めるのか

地震後に通行を止める範囲、代わりに案内する経路、復旧確認の責任者を決めてください。
発見から立入制限と専門点検を経て再開するまでを一枚の記録票でつなぎます。
次の順番で確認表を作ります。
- 誘導灯と避難経路へ位置番号を付ける
- 傾き、脱落、露出配線を見つけた人の連絡先を決める
- 真下の立入制限範囲を写真で共有する
- 代替経路を歩き、扉と障害物と誘導表示を確認する
- 消防設備業者と管理会社への連絡順を決める
- 固定、外形、表示、点灯、非常電源の結果欄を作る
- 再開日時、判断者、残った制限を記録する
訓練では、昼間だけでなく夜間や少人数時にも代替経路を案内できるかを確かめます。
実際の点検結果と写真は、消防用設備等の点検記録や施設の被害記録とひも付けます。
訓練で見つかった連絡漏れや通行障害は、是正完了まで追跡してください。
代替経路まで実際に歩いてみます。
ええですね。
再開条件まで記録しましょう。
よくある質問
まとめ
立入制限と代替経路を図面に入れます!
下を通さず専門確認から再開へつなぐ手順を備えましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- e-Gov法令検索 消防法第17条・第17条の3の3
- 総務省消防庁 消防用設備等の点検基準・点検要領・点検票
- 総務省消防庁 別表第16 誘導灯及び誘導標識の点検の基準
- 総務省消防庁 第16 誘導灯及び誘導標識の点検要領
- 総務省消防庁 誘導灯及び誘導標識点検票
- 内閣府 事業継続ガイドライン 令和5年3月
※本記事は公表されている法令および公的資料に基づく一般的な解説です。傾いた誘導灯へ自己判断で触れたり真下を通行させたりせず施設の安全手順に従ってください。個別の立入制限、点検、修理、避難経路、業務再開判断は、建物と設備の状況に応じて所轄消防署、建物管理者、消防設備士、建築設備の専門家へご確認ください。





