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BCPで地震後に火災通報装置が119番へつながらなかったらどうするのか|代替通報と復旧確認を解説

地震後に火災通報装置を黒い長ズボンの施設担当者が確認する写真を使ったアイキャッチ

地震のあと、火災通報装置のボタンを押しても119番へつながらなかったら、どうしますか。
何度も同じ操作を繰り返すだけでは、通報の遅れが大きくなるおそれがあります。
一方で、装置が使えないことを知った担当者だけが携帯電話で補う運用では、夜間や担当者不在時に代替通報が途切れます
BCPでは、装置の不通を確認したら別の電話で119番通報し、復旧まで代替手段を引き継げる状態にします

通報装置が反応しなかったら、もう一度押しますか。

反応が確認できなければ、別の電話で119番へ通報します。

携帯電話を一台置けば十分ですか。

場所と担当者と伝える内容まで決めましょう。

この記事の結論
  • 火災時は装置の復旧を待たず別の電話で119番へ通報します
  • 建物名・住所・出火場所を読み上げられるようにします
  • 装置の表示と電源を確認し自己判断で分解しません
  • 通報担当と消防車の誘導担当を分けます
  • 専門点検と通報試験を終えて復旧を記録します

地震後に火災通報装置がつながらないとき別の電話で119番通報し専門点検から復旧へ進めるアイソメ図

火災通報装置がつながらなかったらどうするのか

火災通報装置がつながらず担当者が別の電話で119番へ通報するアイソメ図
火災を発見して装置による通報を確認できないときは、装置の前で復旧作業を始めません。
館内へ火災を知らせ、初期消火と避難誘導を進めながら、別の固定電話や携帯電話で119番へ通報します。
優先するのは装置を直すことではなく消防機関へ火災を確実に知らせることです
通報者は建物名、住所、出火場所、燃えている物、逃げ遅れの有無を伝えます。
住所を言い終えたら、消防からの質問と呼返しに応答できる状態を保ってください。
消防庁の点検基準は、火災通報装置の起動信号、通報信号、蓄積音声情報、再呼出し、通話機能などを個別に確認対象としています。
ボタンが光っただけでは、消防機関まで通報が届いたとは断定できません。
したがって、応答や通報完了を確認できない場合は不通として代替通報へ切り替えます
実火災でない設備異常を発見した場合は、誤って119番へ発信しないよう、表示内容と管理記録を確認して専門業者へ連絡します。

ランプが点けば通報済みとは限らないんですね。

せやで。
消防への到達を確かめることが大事や。

どの装置と代替通報手段を確認するのか

防災センターの火災通報装置と固定電話と携帯電話を確認する担当者のアイソメ図
対象は火災通報装置の本体だけではありません。
本体へつながる電話回線、常用電源と予備電源、遠隔起動装置、消防からの呼返しを受ける電話まで一つの通報経路として確認します。
通常の通報経路と代替経路を同じ設備配置図へ重ねておきます
現場では次の対象を洗い出してください。
  • 防災センターや事務室にある火災通報装置本体
  • 自動火災報知設備と連動する場合の連動起動機能
  • 本体へ接続される電話回線と回線終端装置
  • 常用電源、予備電源、遠隔起動装置
  • 代替通報に使う固定電話と携帯電話、その充電手段
消防庁の点検要領は、回線種別への適合、回線契約の変更、試験装置の使用なども留意事項に挙げています。
電話サービスや構内交換機を変更したときは、装置が以前と同じように通報できるとは限りません。
複数棟の施設では、どの棟の装置がどの回線を使うかを装置番号と回線番号で整理します。
代替電話は鍵の掛かった事務室だけに置かず、災害時に通報担当が到達できる場所とします。
建物の住所、代表電話、入口の位置は電話のそばへ掲示し、担当者が替わっても読み上げられる形にしてください。

本体だけ見ても足りないんですね。

回線と電源と代替電話まで一続きで見ます。

不通の発見から復旧まで何をするのか

担当者が火災通報装置の表示を記録し専門業者へ引き継ぐアイソメ図
地震後の確認では、装置の外形や表示に異常があっても、施設担当者がカバーを開けて内部を触らないようにします。
余震、感電、誤通報、配線損傷の危険を避けながら、見える範囲の状態を記録します。
不通の発見から代替通報と専門点検を経て復旧するまでを時系列で残します
次の順番を施設の手順書へ入れてください。
  1. 火災の有無を確認し、火災なら館内周知と避難誘導を始める
  2. 通報装置の応答を確認できなければ代替電話で119番へ通報する
  3. 通報日時、通報者、出火場所、消防からの指示を記録する
  4. 装置の表示、外形、異音、異臭、電源状態を離れて確認する
  5. 装置へ使用停止表示を付け、全勤務帯へ代替手段を引き継ぐ
  6. 消防設備業者へ回線、起動、通報、呼返し、予備電源の確認を依頼する
  7. 所轄消防署との調整を含む試験結果を確認して復旧を記録する
消防法第17条は、関係者に消防用設備等を技術上の基準に従って設置し維持することを求めています。
また、消防法第17条の3の3は、消防用設備等の点検と結果報告を定めています。
火災通報装置の点検基準には、予備電源、本体、起動機能、通報機能、通話機能、回線終端装置などが並びます。
担当者はどの段階で止まったかを伝え、技術的な判定は専門業者へ引き継ぎます。
実際の通報試験は消防機関へ影響するため、所轄消防署との連絡を含む手順で実施してください。

確認のため勝手に試験通報してもええですか。

あかんで。
消防署と専門業者の手順で確認します。

携帯電話があれば十分と思うと何を見落とすのか

停電した建物で携帯電話の圏外表示と充電不足を確認する担当者のアイソメ図
携帯電話は有力な代替手段ですが、一台置くだけでは通報体制になりません。
停電による充電切れ、通信混雑、圏外、端末の施錠、担当者の不在を同時に考える必要があります。
代替手段は端末ではなく誰がどこから何を伝えるかまで決めて初めて機能します
見落としやすい点を確認します。
  • 建物内で携帯電話がつながる場所を実測していない
  • 端末の暗証番号や保管場所を夜間勤務者が知らない
  • 停電が長引いたときの充電手段がない
  • 建物名と住所を見ずに伝えられる掲示がない
  • 通報担当と避難誘導担当が同じ人に集中している
119番通報後は、消防車が迷わず進入できるよう入口で誘導する役割も要ります。
通報担当が電話を持って入口へ走ると、消防からの質問への応答や館内との連絡が途切れることがあります。
そのため通報担当と消防車誘導担当を分離し、無線や社内電話で情報をつなぎます。
火災通報装置が自動火災報知設備と連動していても、地震後は回線や電源を含む機能確認が必要です。
連動しているから必ず届くと決めつけず、不通時の手動通報を消防計画とBCPの両方へ反映します。

携帯電話があっても使えない場合があるんですね。

圏外と充電切れと担当不在まで想定しましょう。

明日から代替通報と復旧手順をどう確認するのか

復旧した火災通報装置と代替通報カードを点検記録へまとめる担当者のアイソメ図
まず、火災通報装置の位置、装置番号、使用回線、点検業者、所轄消防署の連絡先を一覧にします。
次に、各勤務帯で代替電話へ到達できるか、建物情報を読み上げられるかを訓練します。
設備異常の発見から代替通報と専門点検を経て復旧するまでを一枚の記録票でつなぎます
次の順番で確認してください。
  1. 火災通報装置と遠隔起動装置へ位置番号を付ける
  2. 回線、常用電源、予備電源の情報を設備台帳へ記録する
  3. 各勤務帯の通報担当と代行者を決める
  4. 代替電話の保管場所、充電、電波状況を確認する
  5. 建物名、住所、出火場所を伝える通報カードを置く
  6. 専門業者と所轄消防署へ連絡する順番を決める
  7. 復旧試験の結果、確認者、日時を記録する
内閣府の事業継続ガイドラインは、事前対策、教育・訓練、点検・評価、是正・改善を継続する考え方を示しています。
訓練では実際の119番へ誤発信せず、通報カードを読んで模擬連絡を行います。
夜間や少人数時にも、通報と避難誘導と消防車誘導を役割分担できるかを確かめてください。
点検や回線変更の記録は、消防用設備等点検の資料とBCPの障害記録へひも付けます。
見つかった不備は担当者と期限を定め、是正完了まで追跡します。

夜間担当でも住所を読めるようにしておきます。

ええですね。
代行者まで訓練しておきましょう。

よくある質問

Q通報装置のランプが点けば119番へ届いていますか?
A表示だけで到達を断定しません。消防との応答や通報完了を確認できなければ、火災時は別の電話で119番へ通報します。
Q地震後に施設担当者が装置を開けてもよいですか?
A自己判断で分解しません。表示、外形、異音、異臭など見える範囲を記録し、消防設備業者へ引き継ぎます。
Q携帯電話があれば通常運用へ戻せますか?
A携帯電話は一時的な代替手段です。電波、充電、担当者、住所掲示を整え、設備不良が続く場合は所轄消防署へ相談します。
Q復旧記録には何を残しますか?
A発見時の表示、代替通報、点検した回線・起動・通報・呼返し・電源、修理内容、復旧日時と確認者を残します。

まとめ

火災時は別の電話で119番へ通報します
建物名・住所・出火場所を伝えます
装置を分解せず専門業者へ引き継ぎます
本体・回線・電源を一続きで確認します
通報担当と消防車誘導担当を分けます
夜間勤務者と代行者まで訓練します
専門点検と試験結果をそろえて復旧します

代替電話と通報カードを各勤務帯で確認します!

不通でも消防への連絡を止めない手順を備えましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

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お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

※本記事は公表されている法令および公的資料に基づく一般的な解説です。実火災では装置の復旧を待たず安全を確保して別の電話から119番へ通報してください。個別の代替通報、点検、通報試験、設備の復旧、業務再開判断は、建物と設備の状況に応じて所轄消防署、建物管理者、消防設備士、通信事業者へご確認ください。

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