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BCPで地震後にガス漏れ検知器が外れていたら厨房を使ってよいのか|火気停止と復旧確認を解説

地震後に外れたガス漏れ検知器と厨房の火気停止を確認する施設管理者

地震のあと、厨房の壁に付いていたガス漏れ検知器が外れていたら、そのまま営業を再開してよいのでしょうか。
ガス臭がしないことや受信機に警報が出ていないことだけでは、安全を確認できたとはいえません
検知器が本来の位置を外れると、漏れたガスを早期に捉えられない未警戒の範囲が生じるおそれがあります。
BCPでは、該当区画の火気とガスを止め、専門点検で作動を確認してから厨房を再開します

壁から外れただけなら、元に戻して使えますか。

あかんで。
位置と作動の両方を確認します。

警報が出ていなければ大丈夫ですか。

鳴らない故障も想定して止めましょう。

この記事の結論
  • 外れた検知器を見つけた区画では火気とガスを止めます
  • 検知器の位置だけでなく配線と受信機の表示も確認します
  • 自己判断で付け直さず専門業者へ引き継ぎます
  • 使用停止中の範囲と代替手段を全勤務帯へ周知します
  • 試験用ガスによる作動確認と記録をそろえて再開を判断します

ガス漏れ検知器が外れたときに火気停止から作動確認と記録まで行う流れを示す図解

ガス漏れ検知器が外れたまま厨房を使ってよいのか

地震で壁から外れたガス漏れ検知器を安全な位置から確認する様子
結論からいえば、影響範囲を確かめないまま厨房を使い続けないでください。
まず人の安全を確保し、ガス臭、シューという音、配管や機器の変形がないかを離れた位置から確認します。
ガス臭や漏えいの疑いがあれば、電気のスイッチを操作せず、火花を生じる行為を避け、施設の緊急手順に従って退避と通報を優先します。
異常が見えなくても検知器が外れた区画は火気使用をいったん停止します
消防法施行令第21条の2は、ガス漏れ火災警報設備について、燃料用ガスの漏れを有効に検知できるよう検知器を設ける考え方を示しています。
消防庁の点検基準でも、検知器の外形に変形、損傷、脱落などがなく、未警戒部分がなく、設置場所と位置が適正であることを確認します。
つまり、壁から外れてぶら下がった検知器は、通電しているように見えても本来の警戒性能が維持されているとは判断できません
検知器を手で戻しただけでは、取付けの固定、配線の損傷、対象ガスへの適合、警戒範囲、受信機との連動を確認できません。
施設担当者は、停止した時刻、区画、ガス機器、検知器番号、受信機表示を記録し、技術的な復旧判定を専門業者へ引き継ぎます

ガス臭がなくても止めるんですね。

せやで。
検知できない状態を先に解消します。

どの厨房と検知器を確認するのか

厨房のガス機器と検知器の警戒範囲を図面で確認する様子
対象は、床に落ちた一台だけではありません。
同じ厨房や機械室にあるガス機器、配管、遮断弁、ほかの検知器、受信機までを一つの監視系統として確認します。
設備図と現場を照合し、どの範囲が警戒されなくなったかを区画単位で特定します
現場では次の対象を洗い出してください。
  • 外れた検知器の機器番号と設置区画
  • 同じ区画にあるコンロ、オーブン、給湯器などのガス機器
  • 検知器の配線、取付け面、周囲のフードや間仕切り
  • 受信機のガス灯、警戒区域表示、主音響装置
  • 地震後に移動した厨房機器や新たに置かれた障害物
検知器は、使用するガスの性状と空気に対する比重を踏まえた位置に設けられます。
機器を移動したり、壁やフードの形が変わったりすると、以前と同じ位置では漏れたガスを有効に捉えられない場合があります。
点検要領は、用途変更、間仕切り変更、ガス燃焼機器の移設などによって未警戒部分が生じていないかも確認対象にしています。
複数の厨房が同じ受信機へつながる施設では、表示された警戒区域と実際の検知器番号が一致するかを確かめます。
外れた一台だけを見て範囲を狭く決めず、系統図と配置図で影響区画を確定してください。

外れた一台だけ見ればよいと思っていました。

同じ警戒区域と受信機まで追いましょう。

火気停止中の代替監視と周知はどう組むのか

ガス栓を閉めて火気を停止し厨房の使用を制限する様子
検知器の復旧を待つ間は、該当区画のガス機器と火気を使用しない状態を保ちます。
「注意して使う」「においを確認しながら使う」といった運用は、正常な検知機能の代わりにはなりません。
停止範囲、代替する業務、監視担当、解除権限を一枚の掲示と引継ぎ表で共有します
次の順番を初動手順へ入れてください。
  1. ガス臭などの危険がない位置から区画と検知器番号を確認する
  2. 該当するガス機器の火を消し、施設手順に従ってガスの供給を止める
  3. 出入口へ火気使用停止と立入制限を表示する
  4. 施設責任者、防火管理者、設備担当、厨房責任者へ連絡する
  5. 専門業者へ検知器、配線、受信機、警報装置の点検を依頼する
  6. ガスを使わない調理、別厨房、外部調達などの代替業務へ切り替える
  7. 各勤務帯へ停止範囲と解除できる責任者を引き継ぐ
BCPでは、厨房が使えないという結果事象から、給食、宿泊、入居者支援などの重要業務への影響を整理します。
内閣府の事業継続ガイドラインも、原因だけでなく施設や設備を利用できない事態を想定し、復旧と代替の戦略を検討する考え方を示しています。
代替監視を行う場合でも、施設担当者だけで恒久運用を決めず、設備不良の継続について所轄消防署と専門業者へ相談します。
厨房の再開時刻を急いで決めるより、食事提供の代替手段を先に動かすほうが安全と事業継続を両立しやすくなります。
停止表示を外せる人を限定し、口頭だけで解除されない承認手順を設けてください。

人が見張れば厨房を使えますか。

自己判断は禁物や。
火気停止を維持して相談します。

見た目が戻っていても復旧と判断できないのはなぜか

専門技術者が試験用ガスで検知器と受信機の作動を確認する様子
検知器が元の位置へ収まり、受信機の表示が通常に戻っても、それだけで復旧とは判断できません。
外観が正常でも、内部素子、端子、配線、警戒区域表示、音響装置のどこかに不具合が残ることがあります。
復旧には適正な位置への固定と試験用ガスによる作動確認、受信機と警報装置の連動確認が必要です
消防庁の点検要領は、試験用ガスを加え、検知器、中継器、表示灯、警報装置が確実に作動することを確認する方法を示しています。
受信機ではガス灯、主音響装置、該当する警戒区域表示が正常かを確認します。
復旧時には次の項目を一続きで確認します。
  • 検知器が適正な位置へ確実に固定されている
  • 配線や端子に損傷や緩みがない
  • 試験用ガスで検知器が確実に作動する
  • 受信機に正しい警戒区域が表示される
  • 主音響装置と警報装置が正常に作動する
試験用ガスを使用する場所に裸火があるときは、あらかじめ裸火を消してから試験するよう注意されています。
施設担当者がライターや実ガスで反応を試すことは、火災や誤作動につながるため行いません。
抽出した検知器に不良が見つかった場合、点検要領では同一回線の全検知器を確認する取扱いも示されています。
一台だけ交換して終わりとせず、同じ回線の影響と受信機表示まで点検結果で確認してください。
さらに、再開後に誰が状態を監視し、異常時にどこへ連絡するかを決め、復旧直後の監視もBCPへ組み込みます。

見た目が直れば終わりではないんですね。

作動と連動まで確かめて復旧や。

明日から初動と復旧手順をどう確認するのか

火気停止から点検と記録を経て厨房を再開する手順を確認する様子
まず、厨房ごとのガス機器、検知器番号、受信機の警戒区域、ガス遮断位置を設備台帳へまとめます。
次に、地震後に外れや損傷を見つけた人が、火気停止から責任者への連絡まで迷わず進められるかを訓練します。
発見、停止、代替、点検、復旧、再開を一枚の記録票でつなぎます
次の順番で確認してください。
  1. 各検知器へ番号を付け、警戒区域とガス機器を配置図で結ぶ
  2. 地震後の目視確認者と火気停止の権限者を決める
  3. ガス臭がある場合の退避、通報、電気操作禁止を共有する
  4. 厨房停止中の代替調理場所と食事提供方法を決める
  5. 消防設備業者、ガス事業者、所轄消防署の連絡先を置く
  6. 作動試験と受信機表示を確認する復旧条件を決める
  7. 再開日時、承認者、試験結果、引継ぎ先を記録する
消防法第17条は、関係者に消防用設備等を技術上の基準に従って設置し維持することを求めています。
消防法第17条の3の3は、消防用設備等の点検と結果報告を定めています。
日常の目視確認で脱落を発見したときも、定期点検まで放置せず、設備の維持と事業継続の両面から対応します。
訓練では、厨房を止める判断、代替食の開始、専門業者への伝達事項を時刻入りで記録してください。
点検結果は消防用設備等の点検記録とBCPの障害記録へひも付け、不具合の原因と再発防止策を残します。
機器の移設や厨房レイアウト変更時にも検知器の警戒範囲を見直し、変更後の作動確認を忘れないようにします。

停止から再開まで一枚で追えるようにします。

ええですね。
解除の承認者も決めておきましょう。

よくある質問

Q検知器を元の位置へ戻せば厨房を使えますか?
A自己判断で再開しません。適正な位置への固定、配線、試験用ガスによる作動、受信機と警報装置の連動を専門点検で確認します。
Q受信機に警報がなければ故障していませんか?
A警報がないことだけでは正常と判断できません。検知器が外れてガスを捉えられない場合もあるため、位置と作動の両方を確認します。
Q復旧まで人がにおいを監視すれば営業できますか?
A人による監視だけで検知設備を代替できるとは限りません。火気停止を保ち、設備不良中の運用は所轄消防署と専門業者へ相談します。
Q復旧記録には何を残しますか?
A発見時刻、区画、機器番号、火気とガスの停止、代替業務、点検内容、作動試験、受信機表示、再開日時と承認者を残します。

まとめ

外れた検知器の区画では火気とガスを止めます
未警戒の範囲を配置図で特定します
検知器を自己判断で付け直しません
停止範囲と代替業務を全勤務帯へ周知します
試験用ガスと受信機表示で作動を確かめます
裸火を消して安全な方法で試験します
点検結果と承認者を記録して厨房を再開します

火気停止から再開までを一枚で確認します!

見た目ではなく作動確認で復旧を判断しましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

※本記事は公表されている法令および公的資料に基づく一般的な解説です。ガス臭や漏えいの疑いがある場合は電気スイッチなどを操作せず安全を確保して施設の緊急手順に従ってください。個別の火気停止、ガス供給の遮断、代替監視、設備点検、復旧、厨房の再開判断は、建物と設備の状況に応じて所轄消防署、建物管理者、消防設備士、ガス事業者へご確認ください。

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