災害後の外壁復旧で足場と養生シートを設けたところ、連結送水管の送水口まで隠れてしまうことがあります。
送水口は、火災時に消防ポンプ自動車から建物内へ水を送るための設備です。
結論からいえば、送水口を見つけにくい状態のままにせず、接続作業と消防車の接近に必要な動線を確保します。
足場シートの奥に、
送水口があります。
隠したままにしないでください。
開口と動線を確保します。
目印を付ければ、
大丈夫ですか。
表示だけでは足りません。
ホース接続の空間も必要です。
- 足場シートで連結送水管の送水口を隠したままにしない
- 送水口の前面だけでなく消防車の接近経路まで確認する
- シートは送水口まわりを開口し確実に固定する
- 資材と足場材を移しホース接続の作業空間を確保する
- 工事計画と消防計画へ位置と確認担当者を残す
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目次
災害復旧工事の足場シートが連結送水管の送水口を隠したらどうするのか

送水口を隠した状態はその日のうちに是正します。
連結送水管は、高層階や地下など消防隊がホースを延ばしにくい部分へ送水するための設備です。
消防法施行令第29条は、送水口を双口形とし、消防ポンプ自動車が容易に接近できる位置に設けることを求めています。足場シートが送水口を覆うと、設備を発見して接続するまでの時間を失いかねません。
復旧工事の都合で一時的に覆う必要があっても、現場だけで処理しません。防火管理者、施設管理者、工事責任者が位置を共有し、開口方法と確認時刻を決めて管理します。
火災のときに、
消防隊が使う設備なんですね。
そうです。
見つけやすさも機能の一部です。
どの送水口と消防隊動線を確認対象にするのか

送水口単体ではなく消防車から接続口までの一連の動線を確認します。
シートを少しめくって見えるようにしても、車両やホースが近づけなければ使用に支障が残ります。
- 連結送水管の送水口本体と保護キャップ
- 直近の見やすい場所にある設備の標識
- 消防ポンプ自動車が部署できる道路と敷地
- 車両から送水口までホースを延ばす経路
- 接続操作を行うための送水口前面の空間
消防庁の試験基準は、送水口を消防ポンプ自動車が容易に接近でき、送水に支障のない位置に設けることを確認項目としています。足場の控え材や仮囲いも接近障害として確認してください。
連結送水管と連結散水設備では送水先が異なります。標識、完成図、消防用設備等点検結果報告書を照合し、どの送水口を開口するのか誤認しないようにします。
シートだけでなく、
足場材も見るんですね。
はい。
車両から接続までを見ます。
発見から開口確保と消防署への共有までどう進めるのか

発見したら工事を止めて位置確認から開口固定までを順番に進めます。
風でシートが戻る状態では、見えていても安定した接続作業ができません。
- 送水口が隠れた位置と発見時刻を記録する
- 防火管理者と施設管理者と工事責任者へ連絡する
- 設備図で連結送水管の送水口だと確認する
- シートを開口して風で戻らないよう固定する
- 足場材と資材を移し接続空間を確保する
- 消防車の部署位置から送水口まで歩いて確認する
- 必要に応じて所轄消防署へ工事状況を共有する
東京消防庁は、工事によって消防用設備等の機能を停止させる場合や著しく影響を及ぼす場合、工事中の消防計画で代替措置を定めることを示しています。巡回や火気管理だけでなく消防活動上の支障も計画へ反映します。
送水口本体へ足場材を固定したり、キャップを工事業者が外したりしないでください。変形や詰まりが疑われる場合は、消防設備士や保守事業者へ点検を依頼します。
シートを切るだけでは、
終わりではないんですね。
そうです。
固定と接近経路まで確認します。
シートに表示を付ければよいと思うと何を見落とすのか

表示が見えていても送水操作ができなければ支障は解消していません。
消防隊は到着後、消防車を部署し、ホースを延ばし、送水口へ結合して送水します。
- 表示は見えるが送水口本体がシートの奥にある
- 開口部の前へ足場材や資材を置いている
- 足場の筋交いや控え材が接続操作を妨げる
- シートが風で戻り送水口へ張り付く
- 消防車の部署位置を工事車両が占有している
消防庁の点検基準では、送水口の周囲に使用上と点検上の障害がないこと、キャップの着脱が容易であること、標識が適正であることなどを確認します。表示と周囲の状況を別々の点検項目として確認してください。
送水口の前だけ空けても、工事車両や仮囲いで消防車が近づけない場合があります。敷地入口から部署位置までの幅と曲がりも確認しておくと、部分的な是正で終わるのを防げます。
見えるだけでは、
使えるとは限らないんですね。
その通りです。
接続できる空間が必要です。
明日から足場と送水口をどう確認するのか

足場を組む前に消防活動上必要な設備を仮設計画図へ重ねます。
設置後の手直しより、施工前に送水口と進入経路を避ける方が確実です。
- 完成図で連結送水管の送水口を特定する
- 足場計画図へ送水口と標識の位置を記入する
- 消防車の部署位置と敷地内の進入経路を記入する
- シートの開口寸法と固定方法を施工会社と決める
- 送水口前へ資材を置かない範囲を床へ表示する
- 始業前と終業時の確認担当者を決める
- 変更点と是正結果を工事日報へ残す
消防計画では、工事中の防火管理と消防用設備等の代替措置を具体化します。BCPでは、復旧工事と事業再開の条件を整理し、送水口の使用可能状態を再開判断へ組み込むようにしてください。
内閣府の事業継続ガイドラインは、重要資源の復旧目標と対応手順を見直す考え方を示しています。足場の位置が変わるたびに、設備と消防隊動線を再確認する工程を入れます。
足場図へ送水口を、
入れておきます。
ええですね。
組む前なら調整しやすいです。
よくある質問
まとめ
送水口は普段ほとんど使わなくても、火災時に消防隊の活動を支える重要な設備です。足場とシートの計画へ送水口の位置を重ね、工事の最初から隠さない施工にしてください。
設備を見つけられることと消防車から実際に接続できることを一体で確認するのが、復旧工事中の安全管理の基本です。
送水口の位置を、
足場図へ入れます!
施工前の照合が大切です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- e-Gov法令検索 消防法第17条
- e-Gov法令検索 消防法施行令第29条
- e-Gov法令検索 消防法施行規則第31条
- 総務省消防庁 連結送水管の試験基準
- 総務省消防庁 連結送水管の点検基準
- 東京消防庁 工事中の消防計画
- 東京消防庁 工事中の防火管理
- 内閣府 事業継続ガイドライン 令和5年3月
※本記事は公表されている法令および公的資料に基づく一般的な解説です。送水口の開口寸法、消防車の部署位置、工事中の代替措置、所轄消防署への届出や共有方法は建物と工事内容により異なります。個別の判断は所轄消防署、消防設備士、設計者、工事責任者などへご確認ください。





