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BCPで地震後の試運転で自家発電設備の排気温度が高ければ運転を続けてよいのか|空気冷却器と復旧判断の手順を解説

汚れた空気冷却器と冷却水と排気温度計を写したアイキャッチ

地震後、自家発電設備を試運転すると、いつもより排気温度が高くなりました。
警報が出ていなければ運転を続けてよいのか、いったん止めて冷却系統を調べるのか迷う場面です。
消防庁の検討資料は、過給空気を冷やす空気冷却器の劣化により燃焼用空気の冷却が不足し、排気温度が異常に高くなる場合があることを示しています。
BCPでは運転を保留する消防用設備の代替電源を確保する空気冷却器と冷却水を点検する整備後の試験結果で復旧を判断するという順番を固定します。

警報がなければ続けてもええですか?

高温の原因を確認するまで運転を保留します

どこから確認したらええんですか?

空気冷却器と冷却水系統を一組で確認します

この記事の結論
  • 排気温度が異常に高ければ運転を続けません
  • 自家発電設備を運転保留にします
  • 空気冷却器と冷却水の状態を確認します
  • 消防用設備の代替電源と運用制限を決めます
  • 整備と試験後に復旧を承認します

排気温度の異常高を確認して運転保留と冷却系統点検と試験後の復旧判断を行う4工程の横長アイソメ図

地震後の試運転で排気温度が異常に高ければ運転を続けてよいのか

自家発電設備と空気冷却器と排気温度計を一つの系統で示したアイソメ図

排気温度が平常値より異常に高ければ運転を保留します
一時的な表示だと決めつけず、警報、異音、振動、煙、漏れ、各部温度を記録し、専門業者へ引き継ぎます。

消防庁の検討資料では、排気温度が異常に高くなる原因の一つとして空気冷却器の劣化が挙げられています。過給器で圧縮された燃焼用空気を十分に冷やせないと、機関の状態に影響するためです。
警報がないことだけで継続可とは判断しません

消防庁の「自家発電設備の点検方法に関する改善(案) 資料4-3」は、空気冷却器の劣化による排気温度の異常高について、無負荷運転時の冷却水温度と冷却水の分析による確認方法を示しています。

地震後は配管や支持部のずれ、ホースや接続部の損傷も重ねて確認します。設備番号、試運転時刻、負荷状態、排気温度、冷却水温度を同じ記録に残します。

警報より先に温度の変化を見るんですね。

はい。
平常値との差を記録して止めます

どの空気冷却器と冷却水系統を確認するのか

過給器から空気冷却器を通り機関へ入る燃焼用空気と冷却水配管を示したアイソメ図

空気の通り道と冷却水の通り道を分けて確認します
対象は過給器の出口から空気冷却器を通って機関へ入る系統と、空気冷却器へ冷却水を送って戻す系統です。

  • 設備が空気冷却器付きの機関か
  • 空気冷却器の外面や接続部に損傷がないか
  • コアに汚れ、目詰まり、腐食がないか
  • 冷却水配管とホースに漏れや変形がないか
  • 冷却水の量、色、濁り、異物に変化がないか
  • 無負荷運転時の冷却水温度が平常範囲か
  • 冷却水分析の結果に異常がないか

点検範囲と判定値は、機種の取扱説明書やメーカーの整備基準で確認します。施設担当者が高温部を開放せず、停止、冷却、圧力解放を確認できる専門業者へ依頼します。
記録は空気冷却器の状態冷却水温度冷却水分析に分けます。

冷却器だけ見ても足りませんね。

空気側と冷却水側を一組で確認します。

異常発見から運転保留と代替電源確保までどう進めるのか

異常のある自家発電設備を運転保留にして仮設発電機から消防用設備へ給電するアイソメ図

高温確認、運転保留、影響確認、代替措置、点検、整備、復旧の順番を固定します
発見者は冷却水を急いで足したり、警報をリセットして再始動したりせず、表示値と設備状態を防火管理者へ伝えます。

  1. 設備番号、運転時間、負荷、各温度を記録する
  2. 運転と再始動を保留し立入りを管理する
  3. 非常電源を受ける消防用設備を確認する
  4. 代替電源と必要な施設運用制限を決める
  5. 専門業者へ空気冷却器と冷却水系統の点検を依頼する
  6. 清掃、部品交換、冷却水処置の結果を記録する
  7. 試運転と負荷確認後に復旧を承認する

自家発電設備を使えない間は、消防用設備への電源をどう維持するかを先に決めます。仮設電源を使用する場合も、容量、接続先、切替方法、燃料、監視体制を専門担当者が確認します。
関係者には使用できない設備と範囲代替措置の開始時刻と責任者を共有します。

点検中の電源も先に考えるんですね。

そうです。
消防用設備を止めない段取りが先です

冷却水の補給だけで復旧すると何を見落とすのか

汚れた空気冷却器と清浄な空気冷却器および変色した冷却水と正常な冷却水を比較するアイソメ図

冷却水を規定量まで補給しても空気冷却器の劣化原因は解消しません
水量の不足だけでなく、コアの目詰まり、内部腐食、熱交換性能の低下、配管の変形、冷却水自体の劣化が残る可能性があります。

  • 空気冷却器のコアに汚れや目詰まりが残る
  • 内部の腐食や熱交換性能の低下を見落とす
  • 冷却水配管やホースの損傷が残る
  • 冷却水の変色、濁り、異物を記録しない
  • 排気温度と冷却水温度の推移を比較しない
  • 冷却水分析をせず劣化原因を切り分けない
  • 代替電源を試験前に解除してしまう

補給が必要な場合も、指定された冷却水と濃度、補給量、漏れの有無を確認します。補給後は空気冷却器を含む冷却系統を点検し、無負荷運転と必要な負荷確認で温度推移を確かめます。
補給量だけでなく原因整備後の温度推移を残してから復旧します。

水を足して終わりではないんですね。

冷やせない原因まで切り分けます

明日から空気冷却器の劣化にどう備えるのか

整備後の自家発電設備と空気冷却器で排気温度と冷却水温度を確認するアイソメ図

平常時の排気温度と冷却水温度を設備台帳へ残します
異常値だけでなく、同じ負荷と運転時間で比較できる基準値があれば、地震後の試運転で変化を早く見つけられます。

  1. 設備番号と空気冷却器の型式を台帳へ記入する
  2. 同じ負荷で排気温度と冷却水温度を記録する
  3. 冷却水の量、色、濁り、交換履歴を記録する
  4. 空気冷却器の清掃と整備履歴を残す
  5. 消防用設備の供給先を系統図で確認する
  6. 代替電源と施設運用制限を決める
  7. 専門業者と復旧承認者の連絡先を更新する

内閣府の事業継続ガイドラインは、重要な経営資源の被害確認、代替手段、復旧手順、教育・訓練、見直しを継続する考え方を示しています。
非常電源についても運転保留から代替電源へ切り替える訓練誰が点検結果を確認して復旧を承認するかを決めておきます。

まず平常値を台帳に残します。

比較できる記録が復旧判断を支えます

よくある質問

Q排気温度が少し高いだけでも運転を止めますか?
A平常値やメーカーの判定値と比較し、異常な上昇なら運転を保留します。負荷、運転時間、各温度を記録して専門業者へ伝えます。
Q冷却水を補給すれば再始動できますか?
A補給だけで再始動しません。漏れ、空気冷却器の汚れや劣化、配管、冷却水の状態を確認し、原因を切り分けます
Q冷却水分析はいつ行いますか?
A異常高の原因確認や定期整備の際に、機種とメーカー手順に従って実施します。結果は採取日、運転状態、温度記録と一緒に残します。
Q復旧前に何を確認しますか?
A清掃・整備の結果、漏れの有無、試運転中の排気温度と冷却水温度、負荷時の状態を確認し、復旧承認を記録します

まとめ

排気温度が異常に高ければ運転を続けません
自家発電設備を運転保留にします
空気冷却器と冷却水系統を確認します
平常時と異常時の温度を比較します
消防用設備の代替電源を確保します
整備後の試運転と負荷状態を確認します
復旧承認と代替措置の解除を台帳へ残します

高温のまま運転を続けんようにします。

代替電源と冷却系統の点検まで確認しましょう
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

※本記事は公表されている法令および公的資料に基づく一般的な解説です。排気温度の異常高を確認した場合は自己判断で運転継続や冷却水補給をせず消防用設備の専門業者へ相談してください。個別の運転保留、代替措置、空気冷却器と冷却水の点検、清掃・整備、試運転、復旧判断は、設備の仕様と施設の運用状況に応じて所轄消防署や専門家へご確認ください。

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