点検で自家発電設備のキュービクルを開けたら、扉裏の防音材がたわみ、端から剥がれていることがあります。
音が少し大きいだけなら運転できるのか、すぐ補修が必要なのか迷う場面です。
BCPでは運転を止め、防音材の位置と固定状態を確認します。
扉裏の防音材が剥がれています。
このまま運転してええですか。
まず運転を止めて状態を残します。
音が少し大きいだけなら大丈夫ですか。
剥がれ方と固定状態を確認します。
- 防音材が剥がれていたら運転を停止します
- 剥がれた位置と範囲を写真で記録します
- 扉、壁、天井と固定部分を点検します
- 補修と判定は製造者の整備要領に従います
- 補修後は管理下で再試験します
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目次
自家発電設備の防音材が剥がれていたら運転してよいのか

防音材が剥がれた状態で運転を続けません。
まず停止し、剥がれた位置、範囲、固定状態を確認します。
消防庁の検討資料は、自家発電設備の不具合事例として防音材の劣化や脱落による騒音増加を挙げ、防音材の状態を目視点検する方法を示しています。
騒音の変化は、見えにくい箇所で防音材が外れている可能性を疑う手掛かりです。
発見時の異常音、振動、臭い、扉の閉まり方も記録します。
剥がれた材料が移動したり落下したりする状態なら、位置と固定方法を専門業者が確認するまで再始動しません。
音が大きくなっただけでも止めるんですね。
防音材の脱落を疑う兆候として扱います。
どの防音材と固定部分を確認するのか

防音材の位置や固定方法は設備で異なります。
完成図書、取扱説明書、整備要領書で、その設備に使われている材料と施工範囲を確認します。
- キュービクルの扉裏
- 側面と背面の内張り
- 天井面と継ぎ目
- 接着面、留め具、押さえ材
- 浮き、割れ、粉化、欠損
- 油や水による汚れと膨れ
- 吸気口や排気口付近の落下物
消防庁資料が示す確認方法は、防音材の状態を目視点検することです。
扉裏だけで終わらせず、壁、天井、継ぎ目、固定部分を一続きで確認します。
扉裏だけ見れば足りますか。
壁と天井の固定部分も見ます。
発見から停止と防音材点検までどう進めるのか

運転停止、状態記録、目視点検、補修、再試験の順で進めます。
- 煙、焦げた臭い、異常音、振動を確認する
- 運転を止めて再始動禁止を周知する
- 触る前に剥がれた状態を撮影する
- 位置、範囲、固定状態を記録する
- 設備責任者と保守事業者へ連絡する
- 製造者の方法で補修する
- 扉を閉めて騒音と負荷を確認する
運転を止めている間は、非常電源を受ける消防用設備への影響を確認します。
必要に応じて巡回、火気制限、代替電源、所轄消防署への相談を組み合わせます。
市販の接着剤で貼り戻すだけでは、材料との相性、耐熱性、振動への耐久性を確認できません。
施設担当者だけで補修方法を決めず、設備を把握した保守事業者へ引き継ぎます。
触る前に剥がれ方を残します。
停止中の安全措置も決めましょう。
剥がれた部分だけを貼り直すと何を見落とすのか

見えている一枚を貼り直しても、周囲の接着面や留め具が同じように劣化していることがあります。
原因を残したままでは、振動や扉の開閉で再び剥がれる可能性があります。
- 浮いた表面だけを接着する
- 周囲の緩みや留め具を確認しない
- 崩れた防音材をそのまま再利用する
- 仕様不明の接着剤を使う
- 油や水の侵入を放置する
- 扉の閉鎖や換気経路を確認しない
- 無負荷で回っただけで復旧を判断する
経年劣化、接着剤の劣化、熱、振動、油や水の付着、扉の繰り返し開閉など、剥がれた原因も調べます。
剥がれた一枚だけで終わらせず、周囲の固定状態と再発原因まで確認します。
貼り直すだけでは終わりやないんですね。
周囲の劣化と原因まで確認します。
明日から防音材の劣化にどう備えるのか

平常時から、扉、壁、天井の防音材を同じ位置から撮影し、同じ運転条件で音の変化を記録します。
正常時と比較できる写真と運転記録があれば、災害後の変化を早く見つけられます。
- 防音材の位置と仕様を図面へ記入する
- 正常な扉、壁、天井を撮影する
- 浮き、割れ、粉化を定期的に確認する
- 同じ条件で運転音を記録する
- 補修事業者と交換材料を確認する
- 停止中の代替電源と安全措置を決める
- 発見から補修、再試験、復旧承認まで訓練する
発見、停止、代替措置、目視点検、補修、再試験、復旧承認までをBCPへ組み込みます。
消防計画の初動とBCPの事業継続をつなぐ担当者も決めます。
正常時の音も確認票へ入れます。
比べられる記録にしておきましょう。
よくある質問
まとめ
音だけで判断せず固定状態を確認します。
防音材と復旧条件を一式で確認しましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- e-Gov法令検索 消防法第17条・第17条の3の3
- 総務省消防庁 自家発電設備の基準 昭和48年消防庁告示第1号
- 総務省消防庁 別表第24 非常電源 自家発電設備の点検の基準
- 総務省消防庁 消防用設備等の点検要領 第24 非常電源 自家発電設備
- 総務省消防庁 自家発電設備の点検方法に関する改善案 資料4-3
- 内閣府 事業継続ガイドライン 令和5年3月
※本記事は公表されている法令および公的資料に基づく一般的な解説です。自家発電設備の防音材に剥がれや脱落を確認した場合は、自己判断で接着、始動、運転継続をせず、設備仕様を把握した専門業者へ相談してください。個別の点検、補修、再始動、負荷試験、代替措置、復旧判断は、設備の仕様と施設の運用状況に応じて所轄消防署や専門家へご確認ください。





