地震後の試運転で、自家発電設備から「シュッ」という鋭い音が聞こえ、シリンダヘッドの合わせ面に黒い筋が残っていることがあります。
運転は続けられるのか、停止してどこを確認すべきか迷う場面です。
BCPでは運転を止め、異音と漏れ跡を一組で確認します。
エンジンの合わせ面から鋭い音がします。
このまま運転してええですか。
まず停止して状態を残します。
黒い筋だけ見れば原因は分かりますか。
異音と合わせ面を専門点検します。
- 吹抜けが疑われたら運転を停止します
- 異音と漏れ跡を触る前に記録します
- シリンダヘッドの合わせ面を点検します
- 補修と判定は製造者の整備要領に従います
- 補修後は管理下で再試験します
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目次
シリンダヘッドガスケット吹抜けが疑われたら運転してよいのか

吹抜けが疑われる状態で運転を続けません。
まず停止し、音が出た時刻、負荷の状態、音の場所、合わせ面の汚れを記録します。
消防庁の検討資料は、自家発電設備の不具合としてシリンダヘッドガスケットの吹抜けによる異音を挙げています。
高圧の燃焼ガスがガスケットの不良部分から急速に漏れ、異音が発生する事象です。
同資料は、ガス漏れ跡の目視確認と無負荷運転による聴音確認を検出方法として示しています。
見た目だけ、音だけの一方で復旧を決めず、設備を把握した保守事業者へ引き継ぎます。
黒い筋と鋭い音が手掛かりなんですね。
両方を記録して専門点検へ渡します。
どの兆候と部位を確認するのか

確認するのは、シリンダヘッドの合わせ面だけではありません。
音の発生位置、漏れ跡、周囲の変色や汚れを一続きで見ます。
- シリンダヘッドとシリンダブロックの合わせ面
- ガスケット周囲に残る黒い筋や焼け跡
- 鋭い噴出音が聞こえる位置
- ボルト周辺の汚れや変色
- 排気、冷却水、潤滑油に伴う異常
- 発生時刻と運転時間と負荷状態
- 直近の点検記録と整備履歴
汚れが古いものか、今回の運転で生じたものかも記録します。
拭き取る前の写真と音の記録を残すと、原因を切り分けやすくなります。
黒い筋を先に拭いてもええですか。
触る前に位置と状態を残します。
発見から停止と点検までどう進めるのか

運転停止、状態記録、目視点検、専門補修、再試験の順で進めます。
- 異音、煙、臭い、振動、漏れを確認する
- 運転を停止して再始動禁止を周知する
- 音が出た位置と負荷状態を記録する
- 合わせ面の漏れ跡を撮影する
- 非常電源を受ける設備への影響を確認する
- 保守事業者が原因を診断して補修する
- 管理下の再試験結果で復旧を承認する
停止中は、非常電源を受ける消防用設備が使用できるかを確認します。
必要に応じて火気制限、巡回、代替電源、所轄消防署への相談を組み合わせます。
ガスケットの交換やシリンダヘッドの締付けは、設備仕様と整備要領に従う作業です。
施設担当者がボルトへ触れず、製造者または保守事業者の診断へつなぎます。
停止中の消防用設備も確認します。
代替措置と復旧条件も決めましょう。
異音だけで判断すると何を見落とすのか

異音は重要な手掛かりですが、音の大きさだけで吹抜けの有無や程度を決められません。
機関音、排気音、振動音、歯車音など、別の音と重なって聞こえることがあります。
- 音が小さいから運転できると決める
- 漏れ跡を清掃してから記録する
- ガスケットだけを原因と決めつける
- 周辺の排気や冷却系統を確認しない
- 負荷状態と発生時刻を残さない
- 停止中の非常電源影響を整理しない
- 始動できただけで復旧完了とする
消防庁資料は、ガス漏れ跡の目視確認と無負荷運転による聴音確認の組合せを示しています。
この組合せで、30%負荷運転と同水準の確認ができると整理されています。
目視と聴音を組み合わせ、別の異常も切り分けます。
再試験は補修後に専門業者の管理下で行います。
無負荷での確認結果と必要な機能確認を記録し、復旧責任者が運転再開を承認します。
音が消えただけでは終われへんのですね。
漏れ跡と機能も確認します。
明日から吹抜けの兆候にどう備えるのか

平常時から、同じ位置でシリンダヘッドの合わせ面を撮影し、同じ運転条件で機関音を記録します。
正常時の写真と音を比較できる状態にしておくと、災害後の変化を見つけやすくなります。
- シリンダヘッドの合わせ面を同じ角度で撮影する
- 正常な機関音を同じ位置で記録する
- 点検記録へ運転時間と負荷状態を残す
- 漏れ跡と異音を報告する基準を決める
- 保守事業者と交換部品の調達手順を確認する
- 停止中の代替電源と安全措置を決める
- 発見から補修と再試験まで訓練する
発見、停止、記録、代替措置、専門点検、補修、復旧承認までをBCPへ組み込みます。
消防計画の初動とBCPの事業継続をつなぐ担当者も決めます。
点検票には、異音の種類だけでなく、発生位置、漏れ跡、運転条件、確認者を残します。
正常時との差を追える記録にすることが、早期発見と再発防止につながります。
正常時の音と写真も残します。
比べられる記録にしておきましょう。
よくある質問
まとめ
異音と漏れ跡を一組で残します。
停止から再試験までを一式で確認しましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- e-Gov法令検索 消防法第17条・第17条の3の3
- 総務省消防庁 自家発電設備の基準 昭和48年消防庁告示第1号
- 総務省消防庁 別表第24 非常電源 自家発電設備の点検の基準
- 総務省消防庁 消防用設備等の点検要領 第24 非常電源 自家発電設備
- 総務省消防庁 自家発電設備の点検方法に関する改善案 資料4-3
- 内閣府 事業継続ガイドライン 令和5年3月
※本記事は公表されている法令および公的資料に基づく一般的な解説です。自家発電設備でシリンダヘッドガスケットの吹抜けが疑われる異音や漏れ跡を確認した場合は、自己判断で締付け、始動、運転継続をせず、設備仕様を把握した専門業者へ相談してください。個別の点検、補修、再始動、負荷試験、代替措置、復旧判断は、設備の仕様と施設の運用状況に応じて所轄消防署や専門家へご確認ください。





