救助隊には一般の救助隊から特別救助隊・高度救助隊・特別高度救助隊まで段階があります。
段階が上がるごとに、装備も静かに厚みを増していきます。
高度救助隊だけが持つ高度救助用器具には、がれきの下の声を聞く機械や、煙の中の体温を映す機械まで含まれます。
どの装備が、どの段階から備えられるのかを条文から整理します。
特別高度救助隊って、普通の救助隊と何が違うんですか。
簡単に言うと、装備の中身が段階ごとに増えていきます。
とくに高度救助隊からは、特殊な探査装置が加わります。
探査装置って、具体的にはどんな機械なんですか。
がれきの下の音を拾う機械や、体温を映す機械などです。
この記事で一つずつ整理します。
- 救助隊は人口や地域特性に応じて特別救助隊・高度救助隊・特別高度救助隊の段階に分かれます
- 装備は別表第一から別表第三まで、段階を追って積み上がる仕組みになっています
- 高度救助隊からは画像探索機や地中音響探知機などの高度救助用器具が加わります
- 煙や暗闇の中でも熱画像直視装置や夜間用暗視装置で要救助者を探せます
- ※印の装備は地域の実情に応じて備えるとされ、一律の義務ではありません
▼
目次
救助隊の装備はどのように積み上がっていくのか

そこに段階ごとの追加装備が積み重なっていく仕組みです。
(同省令第五条・抜粋)(略)高度救助隊(人命の救助に関する専門的かつ高度な教育を受けた隊員五人以上で編成し、別表第一から別表第三までに掲げる救助器具及び当該救助器具を積載することができる救助工作車一台を備えた救助隊をいう。)とする。
(同省令第六条・抜粋)(略)特別高度救助隊((略)別表第一から別表第三までに掲げる救助器具、救助工作車一台及び特殊災害対応自動車一台を備え、地域の実情に応じてウォーターカッター及び大型ブロアーを備えた救助隊をいう。)とする。
すべての救助隊は別表第一の基本的な救助器具を備えます。
特別救助隊になると、重量物排除用や切断用の器具を定めた別表第二が加わります。
高度救助隊からは、より専門的な探査機器を定めた別表第三が加わり、特別高度救助隊ではさらに特殊災害対応自動車などが上乗せされます。
自分の住む地域の救助隊がどの段階にあるかは、所轄の消防本部に確認すると分かります。
うちの近くの消防署は、特別救助隊止まりなんですが大丈夫ですか。
はい、人口や地域特性で配置段階が決まる仕組みです。
気になる方は所轄の消防本部に尋ねてみてください。
倒壊した建物の下の声をどう探し当てるのか

高度救助隊はこの場面のために専用の探査機器を備えています。
画像探索機はすき間に差し込んで内部を映す小型の探索機器です。
地中音響探知機は、がれきの下からのかすかな音をとらえる装置とされています。
電磁波探査装置や検知型遠隔探査装置は、目視や音だけでは分からない場所の手がかりを補うものです。
これらは人の目と耳の延長として使われる装備です。
がれきの下にいる人の声も、機械で拾ってもらえるんですね。
音や電波を使って居場所を絞り込みます。
目や耳だけに頼らない探し方です。
煙や暗闇の中で要救助者をどう見つけるのか

こうした場面に備えて、高度救助用器具には専用の映像機器も含まれます。
熱画像直視装置は、煙で視界がきかない場所でも体温の輪郭をとらえるとされる装置です。
夜間用暗視装置は暗闇の中での捜索を助けます。
いずれも、現場の視界が確保できない状況を補うための器具です。
煙で何も見えない時はどうするんですか。
熱を映す機械で体温の輪郭を捉えます。
暗闇でも同じように使えます。
二次災害や水難の危険にはどう備えるのか

高度救助用器具には、こうした二次災害に備える機器も含まれます。
地震警報器は、活動中の余震を察知して隊員に知らせる役割が想定されています。
二酸化炭素探査装置は、閉ざされた空間に残る気配を探る手がかりになります。
水中探査装置は水難事故の捜索に備えるものです。
いずれも※印が付き、地域の実情に応じて備えるとされています。
水の事故や地震の後の揺れも心配です。
水中探査装置や地震警報器がその場面に備えます。
二次災害への備えも装備に含まれています。
※印の装備は必ず備えなければならないのか

印の有無によって、備える義務の強さが変わります。
二 ※※印のものは、地域の実情に応じて備えるものとする。
三 表中の救助器具については、はん用器具によることができ、また、同種の機能を有する器具により代替することができるものとする。
印の無い器具(画像探索機・熱画像直視装置・夜間用暗視装置・地震警報器など)は、高度救助隊・特別高度救助隊に共通して備えるものとされています。
※印(電磁波探査装置・二酸化炭素探査装置・水中探査装置)は、高度救助隊について地域の実情に応じて備えるとされています。
※※印(検知型遠隔探査装置)は、特別高度救助隊を含めて地域の実情に応じて備えるとされています。
同じ段階の救助隊でも、地域によって保有する装備には差が出得ます。
じゃあ、地域によって装備が違うこともあるんですね。
はい、※印の装備は地域の実情で判断されます。
すべて一律に揃うわけではありません。
よくある質問
まとめ
救助隊の装備って、ここまで考えられているんですね。
日頃の点検や備えが、人命救助を支える土台になります。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第三十六条の二
- 救助隊の編成、装備及び配置の基準を定める省令(昭和六十一年自治省令第二十二号)第四条・第五条・第六条・第七条・別表第一・別表第二・別表第三
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





