給油取扱所の地下専用タンクは、必ず敷地内に設置しなければならないと思っている方は多いはずです。実は、一定の基準を満たせば敷地外に設けることも認められています。この記事では、地下専用タンクの敷地外設置や、給油取扱所の位置変更、さらに敷地上空への歩道橋設置に関する実務上の考え方を、根拠となる政令の条文構造まで踏み込んで解説します。
- 給油取扱所の地下専用タンクは、基準を満たせば敷地外に設置できる
- 地下専用タンクの位置を変えずに給油取扱所自体の位置を変更することも認められる
- 給油取扱所の敷地内に歩道橋を設置することは認められない
- 隣接して歩道橋が設置される場合は出火防止・利用者保護の対策が求められる
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目次
給油取扱所の地下専用タンクは敷地外に設置できる
給油取扱所の地下専用タンクは、危険物の規制に関する政令第17条第5号により地盤面下に埋設することとされており、その位置・構造・設備は同政令第13条に定める地下貯蔵タンクの基準の例によることとされています。この第13条の基準に適合している限り、地下専用タンクを給油取扱所の敷地外に設けることも可能とされています。
| 誤解しやすいポイント | 実際の扱い |
|---|---|
| 地下専用タンクは給油取扱所の敷地内でなければならない | 誤り。政令第13条の基準に適合すれば敷地外への設置も可能 |
| 給油取扱所の位置を変更する場合、地下タンクも移設が必要 | 誤り。地下タンクの位置を変えずに給油取扱所自体の位置を変更することも認められる |
なぜ地下専用タンクだけ敷地外設置が認められるのか
給油取扱所の空地・建築物・その他の設備の多くは「給油取扱所の敷地内」であることが前提とされていますが、地下専用タンクについては政令第13条という独立した技術基準(地下貯蔵タンクの位置・構造・設備の基準)に従うことが求められているにとどまり、「給油取扱所の敷地内」という場所的な限定が条文上明記されていません。つまり、タンク自体の安全性が政令第13条の基準で個別に担保されている以上、それがどこに埋設されているかは、給油取扱所の空地基準(間口・奥行等)とは別次元の話として扱われている、と理解すると整理しやすくなります。
給油取扱所敷地上空への歩道橋設置
給油取扱所の敷地上空を占用して、道路や鉄道を横断する歩道橋を設置したいという計画が持ち上がることがありますが、これは認められていません。
- 給油取扱所の敷地内に歩道橋を設置することは認められない
- 歩道橋が給油取扱所の敷地に接して設置される場合、歩道橋利用者が給油取扱所に出火原因(たばこの投げ捨て等)を与える危険や、給油取扱所の出火時に歩道橋利用者が被害を受ける危険が考えられる
- このような場合は、歩道橋設置者に対して、対策を講じるよう申し入れることが必要とされている
敷地外の貯蔵タンクに容量制限はかかるのか
地下専用タンクを敷地外に設置する計画に関連して、給油取扱所の専用タンクと配管で接続できる敷地外の貯蔵タンク(屋外タンク、屋内タンク、地下タンク等)の容量について、追加の照会が示されています。専用タンクには危険物の規制に関する政令第17条第1項第5号により1万リットルの容量制限がありますが、これと接続される敷地外の貯蔵タンクにも同じ制限がかかるのか、という疑問です。
| 照会内容 | 回答 |
|---|---|
| 専用タンクと配管接続する敷地外の貯蔵タンクは、1万リットルを超えて設置できるか | できる。当該貯蔵タンクは給油取扱所とは別の危険物施設であり、位置・構造・設備の基準に適合する限り設置できる |
| 専用タンクの1万リットルの容量制限と、敷地外貯蔵タンクの容量に関連はあるか | 関連はない。ただし、貯蔵タンクの注入口等が給油取扱所敷地内にあることは認められない |
よくある質問
まとめ
- 給油取扱所の地下専用タンクは政令第13条の基準に適合すれば敷地外に設置できる
- 地下タンクの位置を変えずに給油取扱所自体の位置変更も認められる
- 地下専用タンクの敷地外設置が認められるのは、政令第13条という独立した基準でタンク自体の安全性が担保されているため
- 給油取扱所の敷地内への歩道橋設置は認められない
- 隣接して歩道橋がある場合は出火防止・利用者保護の対策が求められる
参考・出典
- 危険物の規制に関する政令第13条・第17条第5号 e-Gov法令検索
- 「消防実務六法 質疑応答編」(消防実務研究会編・東京法令出版)給油取扱所の位置・構造及び設備の基準に関する質疑応答を参考に、独自に解説を作成
※本記事は2026年7月時点の法令解釈に基づく一般的な解説です。個別の設置計画については所轄消防署にご確認ください。




