給油取扱所の運営を続けていると、「利用者サービスのために電話ボックスを置きたい」「従業員用にシャワー室を作りたい」「空いたスペースに自動販売機を置きたい」といった要望が出てくることがあります。
しかし、給油取扱所は危険物を扱う施設であるがゆえに、一般の店舗とは異なる制約があります。
この記事では、給油取扱所に設置できるもの・できないものについて、実際の質疑応答をもとに整理して解説します。
給油空地の外なら、公衆電話ボックスや郵便ポストは置けるのでしょうか。
いずれも認められません。
給油空地の外への設置についても認められないとされています。
長距離のドライバー向けにシャワー室を作るのはどうでしょうか。
公衆浴場的なものは認められません。
犬走り部分での自動販売機による販売も認められません。
この記事でまとめて解説します!
- 公衆電話ボックス・郵便ポストを給油空地の外に設置することは認められない
- 長距離トラック運転手用の風呂場・シャワー室など公衆浴場的なものは認められない
- 犬走り部分での自動販売機による販売は認められない
- 洗車機は道路境界線から2m以上離すのが原則だが、防火塀があれば緩和される場合がある
- 店舗内での指定数量未満の家庭用塗料の販売は認められる
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目次
公衆電話ボックス・郵便ポストは給油空地の外にも設置できない
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利用者サービスの一環として、公衆用電話ボックスや郵便ポストを給油のための空地の外に設置したいという要望は少なくありませんが、これは認められていません。空地の外であっても、給油取扱所の敷地内であれば同様に扱われると考えられます。
空地の外でも、敷地内なら同じ扱いになるのですね。
そう考えられています。
設置したい物があるときは、置く前に可否を確認してください。
長距離トラック運転手用の風呂場・シャワー室は「公衆浴場的なもの」として認められない
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給油取扱所内に、長距離トラック運転手向けの風呂場やシャワー室を設置することはできないか、という照会もありました。
- 公衆浴場的なもの(不特定多数が入浴・シャワーを利用する施設)は認められない
- 給油取扱所の業務範囲は、給油及びこれに付随する業務に限定されるという考え方が背景にある
業務の範囲は、給油とこれに付随するものに限られるのですね。
その考え方が背景にあります。
新しいサービスを足すときは、まず所轄に相談しましょう。
犬走りでの自動販売機による販売は認められない
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建物の周囲の犬走り(建物の外壁に沿った細長い舗装部分)において、自動販売機を設置して飲料等を販売することはできないか、という照会もありましたが、これも認められていません。
自動販売機も、犬走りには置けないのですね。
認められていません。
すでに置いている物がないか、一度敷地を見て回ってください。
洗車機は道路境界線から2m、防火塀があれば緩和される
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洗車機については、道路境界線から2m以上離れた場所に設けることとされていますが、道路境界線に防火塀を設けている場合の扱いについても照会されています。
| 状況 | 取り扱い |
|---|---|
| 防火塀がない場合 | 洗車機は道路境界線から2m以上離す |
| 道路境界線に防火塀を設けている場合 | 防火塀があれば道路境界線とはみなさない。ただし防火塀の先端から2m以上の距離をとること |
防火塀があれば、洗車機の距離が緩和される場合があるのですね。
条件付きで扱いが変わります。
設置場所を決める前に、塀の位置と合わせて確認してください。
店舗内での指定数量未満の家庭用塗料の販売は認められる
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ここまで紹介した設備とは対照的に、比較的柔軟に認められている例もあります。給油取扱所に併設する店舗内で、指定数量未満の家庭用塗料を販売することについては、認めてさしつかえないとされています。
- 取扱量は、潤滑油・灯油等の容器に収納された数量と合算して、指定数量未満に収まっている必要がある
- 塗料そのものも危険物(第四類等)に該当し得るため、店舗内の他の危険物の取扱量との合算管理が重要になる
認められる例もあるのですね。
指定数量未満なら販売できます。
ほかの容器入り危険物と合算して、数量を管理してください。
よくある質問
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まとめ
- 公衆電話ボックス・郵便ポストは給油空地の内外を問わず設置できない
- 風呂場・シャワー室など公衆浴場的なものは認められない
- 犬走りでの自動販売機による販売は認められない
- 洗車機の道路境界線からの距離は、防火塀があれば緩和される場合がある(先端から2m以上)
- 指定数量未満の家庭用塗料の店舗内販売は認められる
サービスを足すつもりが、そもそも置けないものが多いのですね。
すっきりしました。
そのとおりです。
ただし店舗内での指定数量未満の家庭用塗料の販売は認められます。
洗車機も防火塀があれば緩和される場合があります。
参考・出典
- 危険物の規制に関する政令・規則 e-Gov法令検索
- 「消防実務六法 質疑応答編」(消防実務研究会編・東京法令出版)給油取扱所の規制事務に関する執務資料の質疑応答を参考に、独自に解説を作成
※本記事は2026年7月時点の法令解釈に基づく一般的な解説です。個別の設置計画については所轄消防署にご確認ください。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)




