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給油取扱所の中仕切りタンク・廃油タンク・アイランド共有はどこまで認められる?を解説

給油取扱所のタンク運用について、「中仕切りタンクで複数の油種を分けて貯蔵できるか」「廃油タンクをボイラーに接続していいか」「灯油用の注油設備とアイランドを共有できるか」といった疑問は、現場で実際によく出てくる論点です。
この記事では、給油取扱所のタンク運用に関するよくある誤解を、実際の質疑応答をもとに整理して解説します。

中仕切りタンクなら、ガソリンと廃油を1本にまとめられるのでしょうか。

それは認められません
ガソリンと灯油を分けて貯蔵することは認められますが、ガソリンと廃油の組み合わせは認められません。

廃油はボイラーで焚けば片づきますが、隣の工場のボイラーでもよいでしょうか。

敷地内であれば認められますが、敷地外のボイラーへの接続は認められません。
この記事でまとめて解説します!

この記事の結論
  • 中仕切り専用タンクでガソリンと灯油を分けて貯蔵することは認められるが、ガソリンと廃油の組み合わせは認められない
  • 廃油タンクをボイラーに接続することは敷地内であれば認められるが、敷地外のボイラーへの接続は認められない
  • 灯油用固定注油設備と固定給油設備のアイランドの共有は認められない
  • 地下タンクの定期点検のため、残存油をドラム缶等に移し替える行為は認められる

タンク運用のよくある誤解の図解

中仕切り専用タンクでガソリンと灯油は分けられるが、ガソリンと廃油は不可

タンクアイコン

1つのタンクを中仕切りで区切り、複数の油種を別々に貯蔵する「中仕切り専用タンク」について、ガソリンと灯油を組み合わせて取り扱うことができるか、また、ガソリンと廃油の組み合わせでも同様に扱えるか、という照会がありました。

組み合わせ取り扱い
中仕切りタンクでガソリンと灯油を貯蔵認めてさしつかえない
中仕切りタンクでガソリンと廃油を貯蔵認められない
同じ「中仕切りタンク」という設備であっても、組み合わせる油種によって可否が分かれる点に注意が必要です。ガソリンと灯油はいずれも新品の燃料油としての性質が近く、扱いが認められていますが、廃油は性状が不安定で管理上の懸念が大きいため、ガソリンとの組み合わせは認められていないと考えられます。

ガソリンと灯油の組み合わせなら認められるのですね。

その組み合わせは差しつかえありません。
いま何と何を入れているか、タンクの一覧を作って確かめてください。

廃油タンクの取り扱い:ボイラー接続は敷地内なら可、潤滑油タンクとは別扱い

設備アイコン

廃油タンクについても、いくつかの実務上の疑問が示されています。

  • 廃油タンクをボイラーに接続することは認めてさしつかえない
  • ただし、敷地外にあるボイラーに接続するタンクを給油取扱所内に設けることは認められない
  • 廃油タンク等には、潤滑油タンクは含まれない(別のタンクとして扱う必要がある)
廃油タンクとボイラーの接続可否は「敷地内かどうか」が分かれ目になっています。給油取扱所の敷地内で完結する設備配置であれば柔軟に認められますが、敷地の境界を越える配管接続は原則として認められないと考えるべきでしょう。潤滑油タンクを廃油タンクと混同しないことも実務上のポイントです。

ボイラーの位置で扱いが変わるのですね。

敷地の内か外かが分かれ目です。
配管の行き先を図面で追ってみてください。

灯油用固定注油設備とアイランドの共有は認められない

注意アイコン

灯油用固定注油設備が、固定給油設備から4m以上離れ、かつ給油のための空地(間口10m以上・奥行6m以上)の外に設置されている場合、その灯油用固定注油設備のアイランドを固定給油設備のアイランドと共有できるか、あるいは灯油用固定注油設備のアイランド自体を給油のための空地内に入れてよいか、という照会もありました。

  • アイランドの共有は認められない
  • 灯油用固定注油設備のアイランドを給油のための空地内に入れることも認められない
この回答からは、給油のための空地は原則としてガソリン等の給油作業専用の空間として扱われ、灯油用の設備であってもアイランドを含めて明確に区分する必要があるという考え方が読み取れます。レイアウト検討の際は、灯油用注油設備の位置・アイランドの範囲を、給油空地とは独立させて計画する必要があります。

潤滑油タンクは、廃油タンクとは別に数えるのですね。

別のタンクとして扱います。
点検の記録も分けて残しておきましょう。

地下タンクの定期点検時、残存油をドラム缶等に移し替えることは認められる

チェックリストアイコン

地下タンクの定期点検を行う際、タンク内に残った残存油を、指定数量以上であってもドラム缶や移動タンク貯蔵所へ一時的に移し替える行為について、認められるかという照会がありました。

この行為は認めてさしつかえないとされています。定期点検はタンクの安全性を維持するために必要な業務であり、点検のための一時的な残存油の移し替えは、その目的に照らして合理的な行為として扱われていると考えられます。ただし、移し替え後の一時保管や運搬についても、指定数量以上の危険物を扱う際の各種基準(仮貯蔵・仮取扱いの承認等)に留意する必要があります。

点検のときの一時的な移し替えは認められるのですね。

認められています。
移し替える容器と置き場所を、点検の計画に書いておいてください。

よくある質問

よくある質問アイコン

Q. 中仕切りタンクでガソリンと軽油を組み合わせることはできますか?
この記事で紹介した回答はガソリンと灯油、ガソリンと廃油の組み合わせについてのものです。ガソリンと軽油等、他の組み合わせについては、個別に所轄消防署に確認することをおすすめします。
Q. 廃油タンクを敷地外のボイラーに接続したい場合、どうすればよいですか?
敷地外のボイラーへの接続自体が認められていません。ボイラーを給油取扱所の敷地内に設置するか、廃油の処理方法自体を見直す必要があります。
Q. 地下タンクの定期点検で移し替えた残存油は、その後どう扱えばよいですか?
移し替え自体は認められていますが、指定数量以上の危険物を一時的に保管・運搬する場合の基準(仮貯蔵・仮取扱いの承認等)にも留意する必要があります。詳細は所轄消防署に確認することをおすすめします。

まとめ

  • 中仕切り専用タンクはガソリン・灯油の組み合わせなら可、ガソリン・廃油の組み合わせは不可
  • 廃油タンクのボイラー接続は敷地内なら可、敷地外への接続は不可、潤滑油タンクとは別扱い
  • 灯油用固定注油設備と固定給油設備のアイランド共有は認められない
  • 地下タンク定期点検時の残存油のドラム缶等への移し替えは認められる

同じタンクでも組み合わせしだい、同じ配管でも敷地の内か外かで変わるのですね。
すっきりしました。

そのとおりです。
灯油用固定注油設備と固定給油設備のアイランドの共有も認められません

参考・出典

  • 危険物の規制に関する政令・規則 e-Gov法令検索
  • 「消防実務六法 質疑応答編」(消防実務研究会編・東京法令出版)給油取扱所の規制事務に関する執務資料の質疑応答を参考に、独自に解説を作成

※本記事は2026年7月時点の法令解釈に基づく一般的な解説です。個別の運用については所轄消防署にご確認ください。

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

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