屋内給油取扱所では、可燃性蒸気の漏えいを検知する警報設備の仕様や、上階への延焼を防ぐひさしの設置範囲について、条文だけでは判断しづらい細かな基準があります。
この記事では、警報設備の設定値・取付位置・受信機の設置場所と、ひさし・上階開口部の範囲に関する実際の質疑応答をもとに解説します。
可燃性蒸気を検知する警報設備は、どのくらいの濃度で鳴らせばよいのでしょうか。
周囲の温度でおおむね爆発下限界の4分の1以下の値で警報を発するように設定する必要がありますよ。
検知部の高さにも決まりはあるのでしょうか。
地盤面からおおむね15センチメートル以下の、可燃性蒸気を有効に検知できる位置に設置してくださいね。
- 可燃性蒸気検知警報設備は、警報設定値が周囲温度で爆発下限界のおおむね4分の1以下・防爆性能を有する・警報が継続する機能を備える必要がある
- 検知部は地盤面からおおむね15センチメートル以下の可燃性蒸気を有効に検知できる位置に設置する
- 受信機の設置場所・警報音を発する区域は、いずれも常時従業員等がいる事務所等とする必要がある
- 上階への延焼防止のためのひさしは、上階の窓がある部分だけでなく開口部の全面に設置する必要がある
- 規則第25条の10第4号に規定する「上階の開口部」は、作業場の用途に供する部分の開口部の直上部のみと考えてよい
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目次
可燃性蒸気検知警報設備は爆発下限界の4分の1以下で警報を発する
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規則第25条の10第2号に規定する「可燃性蒸気を検知する警報設備」とはどういうものか、取付位置・受信機の取付場所・警報音を発する区域はどこが適当か、という照会がありました。
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 検知・警報の仕組み | 可燃性蒸気の漏えいを検知し、一定の濃度に達した場合に警報を発するもの |
| 警報設定値 | 設置場所における周囲の雰囲気の温度において、おおむね爆発下限界の4分の1以下の値 |
| 性能 | 防爆性能を有すること |
| 警報の継続 | 警報を発した後、濃度が変化しても所要の措置を講じない限り警報を発し続けること |
爆発下限界の4分の1以下で鳴らすのですね。
その設定です。
設定値が合っているか、点検のときに記録を確認してください。
検知部は地盤面からおおむね15センチメートル以下の位置に設置する
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可燃性蒸気検知警報設備の検知部を、具体的にどの高さに設置すればよいかという点についても照会がありました。
低い位置で検知するのは、蒸気が下に溜まるからでしょうか。
そのとおりです。
検知部の周りに物を置かないよう、現場で周知しておいてください。
受信機の設置場所と警報音を発する区域は常時従業員等がいる事務所等とする
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受信機の取付場所、警報音を発する区域については、いずれも同じ考え方が示されています。
- 受信機の取付場所は、常時従業員等がいる事務所等とする必要がある
- 警報音を発する区域も、同様に常時従業員等がいる事務所等とする必要がある
受信機は、人がいる事務所に置くのですね。
常時従業員がいる場所が要件です。
無人になる時間帯がないか、シフトと合わせて確認しましょう。
上階延焼防止のひさしは開口部の全面に設ける必要がある
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上階への延焼防止のためのひさしについて、上階の窓がある部分にのみ設ければよいのか、という照会がありました。
ひさしは開口部の全面に要るのですね。
窓の部分だけでは足りません。
改修の見積りを取るときは、範囲を図面で示してもらってください。
上階の開口部とは作業場の直上部のみを指す
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規則第25条の10第4号に規定する「上階の開口部」とは、建築物の給油又は灯油の詰替えのための作業場の用途に供する部分の開口部の直上部のみと考えてよいか、という照会もありました。
上階の開口部は、作業場の直上だけを見ればよいのですね。
その範囲です。
どこまでが作業場かを、図面で線引きしておいてください。
よくある質問
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まとめ
- 可燃性蒸気検知警報設備は爆発下限界の4分の1以下で警報を発し、防爆性能と警報継続機能を備える
- 検知部は地盤面からおおむね15センチメートル以下の位置に設置する
- 受信機の設置場所・警報音を発する区域は常時従業員等がいる事務所等とする
- 上階延焼防止のひさしは開口部の全面に設置し、規制対象の上階の開口部は作業場の直上部のみを指す
ひさしは窓のところだけでよいと思っていました。
すっきりしました。
窓の部分だけでは足りません。
開口部の全面に設置する必要がありますよ。
参考・出典
- 危険物の規制に関する規則第25条の4、第25条の10 e-Gov法令検索
- 「消防実務六法 質疑応答編」(消防実務研究会編・東京法令出版)屋内給油取扱所の可燃性蒸気検知警報設備・上階延焼防止のひさしに関する質疑応答を参考に、独自に解説を作成
※本記事は2026年6月時点の法令解釈に基づく一般的な解説です。個別の設計内容については所轄消防署にご確認ください。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)




