給油取扱所の固定給油設備や門型洗車機の取替工事がどこまで「軽微な変更工事」として扱われるか、メタノールを含む危険物を給油する場合の基準、尿素水溶液供給機のアイランド上設置、自動ドアの引分け使用など、日常の維持管理で判断に迷いやすい論点を、実際の質疑応答をもとに解説します。
洗車機のブラシを交換するだけでも、いちいち書類を出さなあかんのですか?
いえいえ、ブラシの更新だけなら資料提出も不要な軽微な変更工事として扱われるんです。
ただしレールの更新や電光看板の設置は資料提出が必要になりますよ。
ほな給油ホースの長さを変えるくらいは平気ですよね?
それが逆で、給油ホースの長さや吐出量の変更は軽微な変更工事に該当しないんです。メタノール混合燃料や尿素水溶液供給機の扱いもあわせてこの記事で整理しますね!
- 固定給油設備の給油ホース長さ変更など6項目の工事は資料提出を要さない軽微な変更工事には該当しない
- 門型洗車機の取替に伴う変更工事は軽微な変更工事として扱ってよい(一部は資料提出が必要)
- メタノール50%を含む危険物を給油する給油取扱所は令17条4項の基準を満たす必要がある
- 尿素水溶液供給機は危険物の規制に関する政令第23条を適用してアイランド上に設置できる
- 給油取扱所の出入口に自動ドア(引分けドア)を使用しても差しつかえない
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目次
固定給油設備の給油ホース関連の変更工事は軽微な変更工事に該当しない
危険物保安技術協会が行う型式試験確認に合格した固定給油設備の取替工事に併せて行う、以下の変更工事が資料提出を要さない軽微な変更工事に該当するかどうか、照会がありました。
- ア 固定給油設備の給油ホースの長さを変更する工事
- イ 給油ホースの先端における最大吐出量を変更する工事
- ウ ホーススライド機能の追加工事
- エ 固定給油設備の外装を大きくする工事等に伴い危険場所の範囲が変更前より拡大される工事
- オ 固定給油設備の給油ホースの数を変更する工事
- カ 油種判定機能の追加工事又は削除工事
門型洗車機の取替工事に伴う変更工事は軽微な変更工事として扱ってよい
門型洗車機の取替工事に併せて行う、以下の変更工事の取り扱いについても照会がありました。
| 変更工事 | 内容 | 資料提出の要否 |
|---|---|---|
| ア | レールの更新等により洗車機の可動範囲が変わる工事 | 資料提出を要する軽微な変更工事 |
| イ | 洗車機に電光看板を設置する工事(危険場所の範囲外に設けるものに限る) | 資料提出を要する軽微な変更工事 |
| ウ | 洗車機の洗車用ブラシの更新工事 | 資料提出を要しない軽微な変更工事 |
メタノール50%を含む危険物を給油する給油取扱所の基準
第四類第一石油類(非水溶性)に該当する以下の危険物を自動車に給油する給油取扱所が、令17条4項の基準を満たす必要があるかどうか、照会がありました。
| 危険物の成分 | 含有率 |
|---|---|
| メタノール(第4類アルコール類) | 50% |
| その他混合物(第4類第1石油類・非水溶性) | 50% |
尿素水溶液供給機はアイランド上に設置できる
大型トラック向けに、軽油の燃料タンクとは別に排出ガス処理用の尿素水溶液(尿素32.5%・非危険物)専用タンクを備える車両が増えており、トラックターミナル等の給油取扱所のアイランド上に尿素水溶液の供給機(600リットル以下のタンク内蔵)を設置したいという相談がありました。
給油取扱所の出入口に自動ドア(引分けドア)を使用できる
給油取扱所の出入口に自動ドアを設ける場合、引分けドアの使用を認めてよいかどうかも照会されています。
よくある質問
まとめ
- 固定給油設備の給油ホース関連の変更工事は資料提出を要さない軽微な変更工事に該当しない
- 門型洗車機の取替に伴う変更工事は軽微な変更工事として扱ってよいが、内容により資料提出の要否が異なる
- メタノール50%を含む危険物を給油する給油取扱所は令17条4項の基準を満たす必要がある
- 尿素水溶液供給機は危険物の規制に関する政令第23条を適用してアイランド上に設置できる
- 給油取扱所の出入口の自動ドアは、規則の構造要件を満たせば引分けドアも使用できる
結局、同じ「軽微な変更工事」でも中身によって資料提出の要否が変わるんですね。
はい。
工事の種類ごとに扱いが違うので、判断に迷ったらまず所轄消防署に相談するのが確実ですよ。
参考・出典
- 危険物の規制に関する政令第17条、第23条 e-Gov法令検索
- 「消防実務六法 質疑応答編」(消防実務研究会編・東京法令出版)給油取扱所の変更工事の軽微該当性・メタノール給油取扱所・尿素水溶液供給機・自動ドアに関する質疑応答を参考に、独自に解説を作成
※本記事は2026年6月時点の法令解釈に基づく一般的な解説です。個別の設計内容については所轄消防署にご確認ください。




