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大型店舗駐車場内の給油取扱所はどう判断する?構内通路・貯留設備の基準を解説

大型店舗の駐車場内にある給油取扱所は、周囲の構内通路をどう扱えばよいか、また給油空地・注油空地からの危険物の漏えいに備える貯留設備(排水溝・油分離装置)はどのような設計であれば基準を満たすのか、実際の質疑応答をもとに解説します。

大型スーパーの駐車場にあるスタンドは、周りが全部通路になっています。
出入口の基準はどう見るのでしょうか。

ちゃんと条件を満たせば大丈夫なんですよ。
通路が自動車の通行専用で、給油所の周りで駐停車させず、閉店時には通路を封鎖する運用なら、周囲全体を出入口側とみなしていいんです。

油が漏れたときの排水溝や油分離装置は、どう考えればよいのでしょうか。

そこも大事なポイントです。
ただ設置するだけじゃなくて、各設備の漏えい量に見合った容量・経路になってるかがちゃんと問われるんですよ。
この記事で詳しく解説しますね!

この記事の結論
  • 大型店舗駐車場内の給油取扱所は周囲の構内通路をすべて自動車等の出入りする側とみなしてよい
  • 構内通路は給油取扱所・駐車場利用者の自動車通行専用とし、周囲部分での駐停車はさせない
  • 大型店舗の閉店時には構内通路を封鎖する運用が前提となる
  • 排水溝と油分離装置を組み合わせた貯留設備は各給油・注油設備の漏えい量を踏まえた収容量を確保すれば基準を満たす

大型店舗駐車場内の給油取扱所は周囲の構内通路を出入口側とみなせる

大型店舗等の駐車場内に給油取扱所が設置されており、給油取扱所の周囲が構内通路に面している場合、これら周囲についていずれも自動車等の出入りする側とみなしてよいかどうか、照会がありました。

大型店舗駐車場内の給油取扱所において、周囲の構内通路はいずれも自動車等の出入りする側とみなして差しつかえないとされています。ただし、これには次の前提条件が伴います。
  • 構内通路は、給油取扱所及び駐車場利用者の自動車の通行の用に供するためのものであること
  • 給油取扱所周囲の構内通路部分において、駐停車をさせないこと
  • 構内通路はいずれも幅員4メートル以上であること
  • 大型店舗等と給油取扱所の営業時間は同じであり、閉店の際には構内通路が封鎖されること
大型店舗の駐車場に囲まれた立地であっても、通路が自動車の通行専用に運用され、駐停車が排除され、営業時間外は封鎖されるという条件が満たされていれば、周囲全体を出入口側として扱える、という整理です。逆にいえば、これらの運用が担保されていない構内通路は、同様の扱いを受けられない可能性がある点に注意が必要です。

閉店時に通路を封鎖する運用まで含めて見るのですね。

運用も条件のうちです。
誰がいつ封鎖するのかを、手順書に書いておいてください。

排水溝と油分離装置を組み合わせた貯留設備は要件を満たせば基準に適合する

給油取扱所における貯留設備(排水溝と油分離装置とした場合)について、「給油空地又は注油空地に存するいずれの固定給油設備又は固定注油設備から危険物が漏えいした場合においても、当該危険物が給油取扱所の外部に流出することなく貯留設備に収容されることが必要である」とされているが、一定の設計に基づく貯留設備の設置は当該基準を満たすものと考えてよいか、照会がありました。

図に示すような、排水溝の勾配と油分離装置の収容量を組み合わせた貯留設備の設置は差しつかえないとされています。ポイントは、給油空地・注油空地に存在するすべての固定給油設備・固定注油設備について、それぞれの想定漏えい量を踏まえたうえで、排水溝が危険物を油分離装置まで導き、油分離装置がその収容量内で危険物を収容できるように設計されているかどうかです。単に排水溝と油分離装置を設ければよいのではなく、給油取扱所内のどの設備から漏えいしても、外部に流出する前に貯留設備へ収容できる容量・経路になっているかを個別に確認する必要があります。

容量や経路まで問われるのですね。

漏えい量に見合っているかで判断します。
設計の根拠資料を保管しておきましょう。

よくある質問

Q. 大型店舗の駐車場に囲まれた給油取扱所なら、周囲はすべて出入口として扱えますか?
構内通路が自動車の通行専用に運用され、給油取扱所周囲での駐停車がなく、閉店時に通路が封鎖されるなどの条件を満たせば、周囲の構内通路をすべて自動車等の出入りする側とみなせます。
Q. 排水溝と油分離装置さえ設置すれば貯留設備の基準を満たしますか?
設置するだけでは不十分です。給油空地・注油空地内のすべての固定給油設備・固定注油設備の想定漏えい量に対して、排水溝の経路と油分離装置の収容量が十分であるかを個別に確認する必要があります。
Q. 構内通路の幅員に決まりはありますか?
今回の事例では構内通路はいずれも幅員4メートル以上とされています。実際の設計にあたっては個別の現場条件に応じて所轄消防署に確認することをおすすめします。

まとめ

  • 大型店舗駐車場内の給油取扱所は、通行専用・駐停車排除・閉店時封鎖などの条件を満たせば周囲の構内通路を出入口側とみなせる
  • 排水溝と油分離装置を組み合わせた貯留設備は、各給油・注油設備の想定漏えい量に対応した容量・経路であれば基準を満たす
  • いずれも「設置すればよい」のではなく、運用条件や漏えい想定に対する適合性を個別に確認することが重要

設備を置くだけでなく、運用の条件まで見るのですね。
すっきりしました。

そのとおりです。
通路の使い方と貯留の容量は、あわせて確認してください。
㈱防災屋でもご相談を承っています。

参考・出典

  • 危険物の規制に関する政令第17条 e-Gov法令検索
  • 「給油取扱所の技術上の基準に係る運用上の指針について」(平成18年5月10日付け消防危第113号消防庁危険物規制課長通知)
  • 「消防実務六法 質疑応答編」(消防実務研究会編・東京法令出版)大型店舗駐車場内の給油取扱所の構内通路・貯留設備(排水溝・油分離装置)に関する質疑応答を参考に、独自に解説を作成

※本記事は2026年6月時点の法令解釈に基づく一般的な解説です。個別の設計内容については所轄消防署にご確認ください。

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

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