消火用屋外給水施設は、自衛防災組織の大型化学消防車が水を取るための設備です。
消防隊が現場に着いても、水が取れなければ何もできません。
そのため消火栓の位置や圧力や強度に、細かい考え方が示されています。
土台にあるのは実際に取水できるかどうかです。
消火栓は施設の外周に置くのでしょうか。
それとも地区の外周でしょうか。
消火栓は、施設の外周の防災上有効であると認められる通路に沿つて設置するものであるとされています。
媒介金具は、すべての消火栓に付けておかなければならないのでしょうか。
大型化学消防車等に常時積載しているような場合は、必ずしもすべての消火栓に設置していなくても差し支えないとされました。
- 既設ポンプを共用する場合、新しく改修する部分については小規模に該当するものを除き運用指針の第2によります
- 消火栓は施設の外周の防災上有効であると認められる通路に沿って設置します
- 消火栓圧力は運用指針により決定され、大型化学消防車等が有効に放水することのできる圧力です
- 十分な強度とは、ホースを連結して実際に取水した場合に破損等が生じないものとすることです
- 媒介金具は大型化学消防車等に常時積載しているような場合、すべての消火栓に設置していなくても差し支えありません
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目次
既設ポンプを共用する場合の扱い

消火用屋外給水施設を新設するとき、構内にすでにあるポンプを使いたいことがあります。
その場合、運用指針でいう既に消火栓設備が設置されている場合に当たるのか。
既設のものがあるからそのままでよい、とはなりませんでした。
分かれ目は新しく改修する部分かどうかです。手を入れる部分には、原則として運用指針の第2が当たります。第3の既設の緩和ではなく、新設に近い扱いになるということです。
例外は運用方針の第1と第2でいう小規模に該当するものです。前の記事で見たとおり、小規模施設は政令第20条第1項第2号または第3号に該当するような施設で、集合している場合は一の施設とみなされます。
実務での意味ははっきりしています。既設を残す部分と改修する部分を図面上で分けておく。この線引きがそのまま適用条項の線引きになります。
既設のポンプを使う場合にも、扱いがあるのですね。
手を入れるかどうかで分かれます。
いまの設備の状態を、確かめておいてください。
消火栓はどこに設けるか

1つ1つの施設の外周か、それとも施設地区全体の外周か。
あわせて、施設の中にある6メートル以上の通路にも消火栓が要るのかが問われました。
答えは施設の外周です。地区の外周ではありません。
ただし外周ならどこでもよいのではなく、条件が付いています。防災上有効であると認められる通路に沿って設置する。
通路という語が効いています。消火栓は消防車が寄り付いて取水するための設備なので、車が入れない場所に置いても意味がありません。
施設内の6メートル以上の通路については直接の答えがありませんが、外周に沿ってという書き方から、施設の中まで必ず必要とはされていないと読めます。
現場に置き換えると、図面で施設ごとの外周をなぞり、そのうち消防車が通れる通路を拾い、そこに沿って配置していく手順になります。
施設の外周に沿わせるのですね。
通路の条件もあります。
配置の図で、通路との関係を確かめてください。
消火栓の圧力に制限はあるか

そこで制限があるのかが問われました。
数値そのものではなく、決め方が示されました。運用指針の該当箇所により決定される、という形です。
そのうえで、たとえばとして基準の中身が語られています。大型化学消防車等が有効に放水することのできる圧力。
つまり圧力は設備の都合ではなく使う側の車の性能から決まります。自衛防災組織にどの車があるかを先に確かめないと、必要な圧力が定まりません。
車を更新したときに、給水施設側の圧力が合っているかを確かめる必要がある、ということでもあります。
圧力は、使う車から逆算するのですね。
決め方が示されています。
配備している車両の仕様を、確認しておきましょう。
十分な強度とは何を指すか

しかし強度という語だけでは、何をどう確かめればよいのか分かりません。
材質や肉厚の数値ではなく、行為で定義されています。ホースをつないで実際に取水し、破損等が生じないこと。
そして着目点が名指しされました。管と消火栓本体の接続等が確実になされているか。
消火栓が壊れるのは、本体そのものが割れるからではありません。取水時にホースが引かれ、本体が振られ、地中の管との継ぎ目に力がかかるからです。
点検の観点もここから決まります。見るべきは根元です。塗装や外観だけを見ても、この基準を満たしているかは分かりません。
強度は、実際に取水して確かめるのですね。
行為で定義されています。
接続部の状態を、点検の項目に入れてください。
媒介金具はすべての消火栓に要るか

そこで媒介金具でつなぎます。この金具は、すべての消火栓に備え付けておくべきか。
条件付きで緩和されました。大型化学消防車等に常時積載しているような場合、という限定です。
考え方は明快です。求められているのは、現場で確実につながることです。金具が消火栓側にあっても車側にあっても、つながれば目的は達せられます。
逆にいえば、常時積載していなければこの緩和は使えません。常時という語が条件の中心です。必要なときに車庫にあるのでは足りません。
前の記事で見た土のうと門扉の話とは、結論が逆になっています。あちらは人が運ぶものが常設の代わりにならないとされました。こちらは車に積んであれば認められます。
違いは、車が必ず現場に来ることです。媒介金具は消防車と一緒に動きます。土のうは誰かが別に運ばなければなりません。
車に積んであれば足りる場合もあるのですね。
条件つきの緩和です。
積載の状況を、点検で確かめてください。
よくある質問
まとめ
- 既設ポンプを共用する場合、新しく改修する部分は運用指針の第2によります
- ただし運用方針の第1と第2でいう小規模に該当するものは除かれます
- 消火栓は施設の外周の防災上有効と認められる通路に沿って設置します
- 消火栓圧力は大型化学消防車等が有効に放水できる圧力です
- 十分な強度とは実際に取水した場合に破損等が生じないことで、管と本体の接続が要点です
- 媒介金具は大型化学消防車等に常時積載していれば全数設置は不要です
- 圧力も強度も、実際に取水して働くかどうかで見ます
数値ではなく、実際に取水できるかで決まっているのですね。
すっきりしました。
車を更新したら給水施設側の圧力が合っているかも見てください。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 石油コンビナート等における特定防災施設等及び防災組織等に関する省令の運用に係る資料の送付について(昭和53年3月9日 消防地第42号 消防庁地域防災課長から関係都道府県消防防災主管部長あて回答)
- 消火用屋外給水施設の設置に関する運用指針について(昭和52年10月6日付け 消防地第204号 消防庁地域防災課長通達)
- 石油コンビナート等における特定防災施設等及び防災組織等に関する省令
- 危険物の規制に関する政令第20条第1項
- 消防実務六法 質疑応答編
※本記事は公表されている法令および通達に基づく一般的な解説です。掲載した回答には昭和50年代のものが含まれ、条番号や機関の名称等は当時のものです。個別の事案についての適用は、所轄消防署または自治体にご確認ください。




