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BCPの備蓄品はどこに保管するのか|避難経路と消防用設備を塞がない配置を解説

専用保管室で水や毛布などの備蓄品を点検する施設管理者

水や非常食をまとめて買ったものの、置き場所がなくて廊下や機械室へ積んでいませんか。
備蓄品は災害時に役立つ一方、置き方を誤ると避難を妨げ、防火戸や消防用設備の機能を損ないます。
必要なときに取り出せなければ、数量だけそろえてもBCPは動きません。
備蓄品は、避難経路と消防用設備を塞がず、安全に取り出せる専用場所へ保管します。

廊下の端なら置いてもええですか。

避難経路には置きません

空いているポンプ室はどうですか。

設備室も避けます

この記事の結論
  • 備蓄量と同時に保管場所を決めます。
  • 廊下、階段、避難口、防火戸の周囲へ置きません
  • パイプシャフトや消火用ポンプ室を倉庫にしません。
  • 棚の転倒と荷崩れを防ぎ、取り出す動線を残します。
  • 配置図、担当者、点検日をBCPと消防計画で共有します

備蓄品の必要量を決めて安全な専用場所へ収め取り出し動線を点検する流れのアイソメ図

BCPの備蓄品はどこに保管するのか

廊下の備蓄箱を専用保管室へ移す施設管理者のアイソメ図
備蓄品は、空いている場所へ仮置きするのではなく、保管に使える場所を先に確保します。
避難や消防活動に使う空間は候補から外します。
東京消防庁の消防計画作成例は、備蓄品の保管方法が消防法違反とならないようにし、避難通路、パイプシャフト、消火用ポンプ室などへ置かないよう示しています。
消防法第8条の2の4は、廊下、階段、避難口などへ避難の支障となる物件を置かず、防火戸の閉鎖を妨げないよう管理することを求めています。
備蓄品は、避難と消防設備の機能を残せる場所へ置きます。
廊下、階段、避難口は、箱を寄せればよい場所ではありません。
防火戸や防火シャッターの閉鎖範囲にも置きません。
消火器、屋内消火栓、自動火災報知設備の受信機などへ近づく通路と操作空間を空けます。
パイプシャフトや消火用ポンプ室は、消防用設備が免除される場合や保守に必要な空間があるため、備蓄倉庫に転用しません
専用倉庫が難しい場合は、執務室内の安全な収納や複数区画への分散を検討します。
ただし、分散した場所は配置図へ記載し、誰でも迷わず取り出せる状態にします。
保管場所を決められないまま大量購入することは避けます。

空き場所と保管場所は違うんですね。

機能を妨げない場所を選びます。

どの備蓄品と保管場所を確認するのか

水と食料と毛布と衛生用品を保管場所別に確認する管理者のアイソメ図
確認するのは水と非常食だけではありません。
施設内待機、救護、情報収集、衛生管理に使う物品を、使用場所と結び付けます。
内閣府の事業所向け帰宅困難者対策ガイドラインは、従業員などが施設内に待機できるよう、3日分の水、食料、毛布、簡易トイレなどを備蓄する考え方を示しています。
東京消防庁の「職場の地震対策」は、資器材や非常用物品を階層・ゾーンごとに分散し、すぐ使える場所へ保管することや、3日分を目安に備蓄することを示しています。
物品ごとに、使う場所、運ぶ人、保管条件を決めます。
水と食料は対象人数と待機日数を基に数量を決め、賞味期限と重量を確認します。
毛布、簡易トイレ、衛生用品は、待機場所やトイレへ運ぶ経路を確認します。
救出救護用品、ヘルメット、手袋、ライトは、被災直後に取り出せる場所へ分けます。
携帯ラジオ、充電器、電池は、管理責任者が所在と残量を確認します。
重い水は棚の下段へ置き、箱を高く積み上げません。
熱、湿気、浸水、直射日光の影響を受ける場所は、製品の保管条件と照合します。
事業継続に必要な予備部品や記録用紙も、一般備蓄と区別して所在を一覧化します。
備蓄品配置で見る点
水・食料数量・期限・重量・温湿度
救護・安全用品初動で取り出せる位置
衛生・待機用品使用場所までの搬送経路

全部を一か所に置かなくてもよいんですね。

用途別に安全に分散できます。

安全な保管場所はどう決めるのか

固定した収納棚と空いた避難経路と備蓄品配置図を確認するアイソメ図
保管場所は、平常時の邪魔にならないことだけで決めません。
地震後も棚が倒れず、停電時にも取り出せるかを確認します。
東京消防庁の「職場の地震対策」は、非常用物品の保管数、使用期限、点検方法、保管方法を定め、損壊のおそれがある場合は分散して保管するよう示しています。
内閣府の事業継続ガイドラインは、重要業務に必要な人員、設備、物資などの資源を把握し、教育、訓練、点検、見直しを継続する考え方を示しています。
専用場所、転倒防止、取り出し動線を一体で設計します。
まず平面図へ避難経路、防火戸、消防用設備、設備室を記入し、保管禁止範囲を決めます。
次に安全な収納室やキャビネットを選び、棚を壁や床へ確実に固定します。
重い物は下、軽い物は上に置き、扉や落下防止バーで荷崩れを防ぎます。
扉の前には箱を積まず、停電時にも鍵を開けられる管理方法を決めます。
一か所が使えない事態に備え、救護用品やライトなど初動品は適切に分散します。
ただし、各保管場所から使用場所までの経路が避難者と衝突しないか確認します。
配置図には品名、数量、管理者、更新日を記載し、現物と一致させます。

棚の固定も保管計画なんですね。

倒れない収納にします。

空いている機械室へ置いてはいけないのはなぜか

備蓄箱を消火用ポンプ室とパイプシャフトから専用倉庫へ移すアイソメ図
機械室に床の余裕があっても、物置として使ってよいとは限りません。
消防用設備の点検、操作、修理に必要な空間を残す必要があります。
東京消防庁の消防計画作成例は、備蓄品を避難通路だけでなく、自動火災報知設備が免除されているパイプシャフトや消火用ポンプ室などの機械室へ置かないよう明記しています。
消防法施行規則第3条は、消防計画へ消防用設備等の点検・整備、避難施設の維持管理、火災予防上の自主検査などを定める仕組みを置いています。
設備室の空床は、備蓄品の保管余地ではありません。
消火用ポンプ室では、ポンプ、制御盤、配管、弁へ近づき、点検や応急対応を行います。
箱があると操作を妨げ、漏水や故障の発見も遅れるおそれがあります。
パイプシャフトは配管や配線の点検空間であり、一般の収納場所ではありません。
受信機、屋内消火栓、消火器の前も、扉を開けて操作できる空間を確保します。
発電機室や電気室などは、熱、漏電、燃料、保守動線の条件を施設管理者へ確認します。
「鍵が掛かる」「普段は人が入らない」ことを、安全な保管場所の根拠にしません。
現在置いてある場合は、設備管理者と移動先を決めて速やかに移します

設備を触る場所まで必要なんですね。

操作と点検の空間を残します。

明日から備蓄品の配置をどう確認するのか

備蓄品配置図と期限一覧を使って保管場所を点検する管理者のアイソメ図
備蓄品一覧と建物の平面図を持って、保管場所を一つずつ歩きます。
数量確認だけでなく、避難、防火、設備操作、取り出しの四方向から判定します。
東京消防庁の「職場の地震対策」は、避難の確保、家具類の転倒防止、資器材・非常用物品、教育訓練を一つの事前計画として確認する構成です。
内閣府の事業継続ガイドラインは、計画を作るだけでなく、教育・訓練と点検・評価を行い、事業継続の取組を改善することを示しています。
配置図と現物を照合し、取り出す訓練まで行います。
まず廊下、階段、避難口、防火戸、消防用設備、設備室に箱がないか確認します。
次に棚の固定、積載、鍵、照明、浸水、温湿度を点検表へ記録します。
一覧の数量と期限を現物に合わせ、使用済みや移動済みの品を修正します。
担当者と代理者を決め、夜間や休日の解錠方法も確認します。
訓練では停電を想定し、初動用品を持ち出して使用場所まで実際に運びます
通路が狭くなる、避難者と交差する、箱が重過ぎる箇所は配置を変えます。
結果を消防計画の自主検査とBCPの物資管理へ同じ配置図で反映します。
  1. 備蓄一覧と平面図を用意する
  2. 保管禁止範囲から物を移す
  3. 棚と荷崩れ防止を確認する
  4. 数量・期限・鍵を記録する
  5. 持ち出し訓練で配置を見直す

運んでみると問題が分かりそうです。

持ち出し訓練が有効です。

よくある質問

Q廊下の幅が残れば備蓄箱を置けますか?
A避難経路へ恒常的に置く運用は避けます。消防計画と建物の管理条件を確認し、専用の保管場所へ移します。
Qすべて一つの倉庫へ集めた方が管理しやすいですか?
A数量管理はしやすくなりますが、その区画が使えないと全品を失います。初動用品などは、安全を確認したうえで用途別に分散します。
Q消火用ポンプ室の空いている棚を使えますか?
A使いません。消防用設備の点検と操作を妨げないよう、ポンプ室などの機械室を備蓄倉庫にしない運用にします。
Q消防計画とBCPには何を書き分けますか?
A消防計画には避難施設や消防用設備の維持管理と自主検査を、BCPには必要量、調達、配布、更新など事業継続の物資管理を接続して整理します。

まとめ

備蓄量と保管場所を同時に決めます。
避難経路と防火戸の周囲へ置きません
消防用設備と機械室の操作空間を残します。
棚を固定し、重い物を下段へ置きます。
初動用品は安全に分散保管します。
数量、期限、鍵を定期点検します。
持ち出し訓練で配置図を更新します。

備蓄品の配置図を作ります!

避難経路と設備室から確認しましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

※本記事は公表されている法令および東京消防庁・内閣府の資料に基づく一般的な解説です。備蓄品を避難経路、消防用設備の操作場所、設備室へ安易に置かないでください。実際の保管場所、必要数量、設備周囲の管理は、建物の消防計画、管理会社、設備保守会社、所轄消防署へご確認ください。

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