本社が使えないときに備えて、会議室や別の営業所を代替拠点に決めていませんか。
パソコンと回線があっても、非常口や消防用設備等を確認しないまま人を集めると安全に業務を始められません。
元の事業所で使っている消防計画も、建物や人数が変わればそのまま当てはめられない項目があります。
代替拠点は仕事ができるだけでなく安全に避難できる状態まで準備することが大切です。
代替拠点は机と通信回線があれば使えますか?
それだけでは足りません。
用途と避難体制も確認しましょう。
本社の消防計画をコピーしたらええんですか?
建物ごとに違う設備と避難経路を反映してください。
- 代替拠点の消防計画は元の事業所からそのままコピーできません。
- 候補拠点の用途と収容人員を確認します。
- 消防用設備等と避難経路を現地で確認します。
- 一時的な机や荷物で避難通路をふさがない配置にします。
- 担当者と代行者を決め実際に避難訓練を行います。
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目次
BCPの代替拠点で消防計画はそのまま使えるのか

ただし、代替拠点へ移れば元の消防計画が自動的に引き継がれるわけではありません。
元の事業所と代替拠点では、建物の用途、階数、収容人員、設備、管理権原が異なる場合があります。
非常口の位置や自衛消防の役割も、元の建物の配置図を写しただけでは現場と一致しません。
そのため、代替拠点を決めたら建物側の防火管理体制を確認し、自社のBCP担当者とつなぎます。
移転の判断と同時に、安全に使用を開始できる条件を決めておくことが出発点です。
移転先が決まっても、防火管理は別に確認するんですね。
はい。
場所の実態に合う計画へ整えます。
どの代替拠点で防火管理の確認が必要なのか

入居する建物の用途と収容人員などを確認します。
空いている会議室、倉庫の一角、取引先の事務所は、同じ人数で同じ働き方を想定した場所とは限りません。
机を増やしたり厨房機器を持ち込んだりすると、消防用設備等の配置や建物全体の用途に影響する場合があります。
まず建物管理者へ消防法上の用途と設備を確認し、予定する人数と業務内容を伝えます。
必要な届出や防火管理者の選任は、使用開始前に所轄消防署へ相談するのが確実です。
数日だけ借りる会議室でも確認が要りますか?
期間より先に用途と人数を管理者へ伝えましょう。
移転前にどの項目を確認するのか

誰が使い、どこへ避難し、誰へ連絡するかまで一組にします。
建物側から用途、収容人員、非常口、階段、避難経路、消防用設備等、夜間休日の連絡先を受け取ります。
自社側では参集者、責任者と代行者、継続する業務、持ち込む機器、来客の有無を整理します。
二つを突き合わせ、消防計画へ反映する項目とBCPへ反映する項目を分けます。
特に非常口までの通路と初期消火や通報の担当は、現地で歩いて確認します。
| 確認先 | 主な項目 | 反映先 |
|---|---|---|
| 建物管理者 | 用途、設備、非常口、収容人員 | 消防計画 |
| 自社のBCP担当 | 参集者、重要業務、持込機器、代行者 | BCP |
設備の場所だけでなく、担当者まで決めるんですね。
そうです。
設備と行動をつないでください。
短期間の利用でも見落とせない点は何か

その応急的な配置が避難の妨げにならないよう注意します。
予備の机、段ボール、延長コード、通信機器を非常口や消火器の前へ置かない配置にします。
普段は少人数の部屋でも、対策本部員や応援者が集まると収容人員と動線が変わります。
また夜間休日に使う場合は、建物管理者が不在でも通報、解錠、避難誘導ができる体制を確認します。
短期間だからと省略せず、一時配置後の現地確認と営業時間外の連絡先を残しましょう。
段ボールを通路に仮置きするのも危ないですね。
はい。
非常口と消火器の前は必ず空けます。
明日から代替拠点をどう点検するのか

平常時に現地確認と訓練を一度行います。
まず候補拠点の建物管理者へ、用途、収容人員、消防用設備等、非常口、届出の状況を確認します。
次に自社の参集者と持込機器を仮配置し、通路幅と設備への接近性を見ます。
責任者と代行者を決め、火災発見、通報、初期消火、避難誘導、点呼の順で動きます。
最後にBCP担当者が業務立ち上げ時間を測り、消防計画とBCPの両方を更新します。
- 建物の用途と収容人員を管理者へ確認する
- 消防用設備等と非常口を現地で確認する
- 机と荷物を置いた後の避難通路を歩く
- 責任者と代行者の連絡先を登録する
- 避難と業務立ち上げを続けて訓練する
次の訓練は、代替拠点まで実際に移動してみます。
現地で避難と立ち上げ時間を確認しましょう。
よくある質問
まとめ
代替拠点の避難経路を、次の訓練で歩きます!
消防計画とBCPの立ち上げ手順を整えましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- e-Gov法令検索 消防法第8条
- e-Gov法令検索 消防法施行規則第3条
- 内閣府 事業継続ガイドライン 令和5年3月
- 総務省消防庁 令和7年版消防白書 防火管理制度
- 東京消防庁 消防計画に定める事項について
- 東京消防庁 テナント入居の際の手続き
※本記事は公表されている法令および内閣府・消防庁・東京消防庁の資料に基づく一般的な解説です。施設の用途、規模、収容人員、利用方法、地域の条例により必要な対応は異なります。個別の消防計画や届出については所轄消防署に、BCPについては自社の業務とリスクに応じてご確認ください。





