避難訓練は毎年しているのに、その後の業務再開は担当者の判断に任せていませんか。
火災を想定した消火・通報・避難と、BCPが扱う安否集約・被害確認・重要業務の継続判断は別々に行われがちです。
しかし、実際の災害では安全確認が終わった瞬間から、休業するか、代替手段へ切り替えるかの判断が始まります。
消防訓練の終了点をBCP訓練の開始点にすると一回の訓練で連携を確かめられます。
避難できたら訓練は終わりですか?
そこからBCPの判断訓練へつなげられます。
二つを一緒にしても消防訓練になりますか?
消火・通報・避難を省かず続きにしましょう。
- 消防訓練とBCP訓練は一続きに実施できます。
- 前半は消火・通報・避難を消防計画どおりに確認します。
- 安全確認の結果をBCP担当へ引き継ぎます。
- 後半は被害集約と継続判断を訓練します。
- 目標時間と記録を残し両方の計画を更新します。
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目次
消防訓練とBCP訓練は一緒にできるのか

大切なのは、消防計画に基づく訓練を短縮せず、BCPの判断手順をその後へ接続することです。
火災発見、初期消火、119番通報、避難誘導、点呼までは消防訓練の流れです。
点呼と被害情報がまとまったら、情報をBCP対策本部へ渡します。
そこから重要業務を続けるか、停止するか、代替手段へ切り替えるかを判断します。
二つの訓練を混ぜるのではなく、安全確認という引継点を置くのがコツです。
消防訓練の実施内容と届出は、所轄消防署の案内に従ってください。
前半と後半の区切りを決めるんですね。
はい。
安全確認後に引継ぎます。
どの事業所で合同訓練を行うのか

特に、建物管理者とテナント、消防担当とBCP担当が分かれている施設では効果的です。
参加者には、防火管理者、自衛消防の担当者、施設管理者、各部署の点呼担当、BCP対策本部の責任者を入れます。
テナントビルでは、建物全体の放送や避難を担う側と、専有部の従業員を確認する側を分けます。
夜間や休日に重要業務が続く施設は、通常より少ない人数でも動けるかを確認します。
経営者が参加できない場合に備え、判断の代行順位も試してください。
外部の設備会社や取引先への連絡が必要なら、連絡先と受付時間をシナリオへ入れます。
参加者を増やす前に、誰から誰へ渡す情報を決めると訓練が散らかりません。
BCP担当だけの訓練では足りないんですね。
初動担当との連携まで見てください。
合同訓練では何をどの順番で行うのか

同じ時刻から始めても、担当ごとの役割と記録を分けると評価しやすくなります。
前半では、発見時刻、通報時刻、避難完了時刻、点呼結果、負傷者の有無、使用できない区画を記録します。
後半では、その情報だけを使って重要業務の優先順位と再開場所を判断します。
現場から情報が来ない場合は、勝手に無事とせず確認担当へ差し戻します。
訓練終了後は、消防計画の行動記録とBCPの判断記録を分けて保管します。
一枚のシナリオでも、評価欄は初動と継続の二段に分けましょう。
| 段階 | 主な確認 | 記録する結果 |
|---|---|---|
| 消防訓練 | 発見、通報、初期消火、避難、点呼 | 時刻、人数、使用不可区画 |
| 引継ぎ | 安全確認票の受渡し | 情報元、受領者、未確認事項 |
| BCP訓練 | 重要業務、要員、拠点、再開判断 | 判断時刻、根拠、次の指示 |
点呼結果をBCP担当へ渡せばええんですね。
はい。
未確認事項も一緒に渡します。
合同訓練で見落としやすい点は何か

しかし、最も大切なのは安全確認が終わる前にBCP側が業務再開を急がないことです。
避難途中でBCP会議を始めると、点呼担当が会議へ移って未確認者が残るおそれがあります。
安全確認票には、全員確認済み、負傷者対応中、立入禁止区画ありなどの状態を書きます。
設備の異常や火気の残存がある場合は、訓練上も業務再開を保留する分岐を用意します。
また、消防訓練として必要な事前の通報や届出を、BCP訓練の社内案内だけで済ませないでください。
結果を良く見せるための誘導を避け、判断に迷った場面を記録します。
想定外の行動こそ、計画を直す材料になります。
全員確認前の再開判断は止めるんですね。
安全確認を先に完了させましょう。
明日から合同訓練をどう準備するのか

既存の消防訓練に安全確認票と短いBCP判断を追加するところから始めます。
まず防火管理者とBCP責任者が、災害想定、参加者、開始時刻、引継条件を一枚にまとめます。
次に点呼結果と建物の使用可否を記す安全確認票を作ります。
訓練当日は、消防計画に沿って消火・通報・避難を行い、確認票をBCP担当へ渡します。
BCP担当は重要業務を一つ選び、要員と場所と期限を判断します。
終了後は記録を並べ、目標時間との差と情報の欠落を確認します。
改善点には担当者と期限を付け、消防計画とBCPの両方へ反映します。
- 消防訓練の目的と実施要領を確認する
- BCPで判断する重要業務を一つ選ぶ
- 安全確認票と引継条件を決める
- 消防訓練後に十五分の判断訓練を行う
- 記録から両方の計画を更新する
次の避難訓練に十五分だけ追加してみます。
一つの重要業務から試しましょう。
よくある質問
まとめ
避難後の十五分を次の訓練に足します!
消防訓練から継続判断までつなげましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- e-Gov法令検索 消防法第8条
- e-Gov法令検索 消防法施行規則第3条
- 内閣府 事業継続ガイドライン 令和5年3月
- 総務省消防庁 令和7年版消防白書 防火管理制度
- 総務省消防庁 小規模ビル避難等訓練マニュアル
- 東京消防庁 自衛消防訓練
※本記事は公表されている法令および内閣府・消防庁・東京消防庁の資料に基づく一般的な解説です。施設の用途、規模、収容人員、消防計画、地域の条例により必要な訓練や手続は異なります。個別の訓練通報や消防計画については所轄消防署に、BCPについては自社の業務とリスクに応じてご確認ください。





