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BCPで社内待機中に空気清浄機を使ってよいのか|洗えないフィルターと電源コードの火災を防ぐ運用を解説

社内待機場所でえんじ色の上着と黒い長ズボンの作業員が空気清浄機のフィルターと電源コードを確認する様子

地震や交通障害で従業員が社内待機するとき、空気環境を整えるために空気清浄機を使い続けてよいのでしょうか。
臨時の待機場所では、機器を壁へ寄せたり、コードを家具で挟んだり、フィルターを誤った方法で洗ったりしがちです。
製品評価技術基盤機構は、洗えないフィルターの水洗いや電源コードの折れ曲がりによる出火事例を示しています。
取扱説明書どおりの設置と手入れ方法を守ります
機種、置き場所、フィルター、コード、監視、停止までをBCPの使用手順へ落とし込みます。

社内待機で空気清浄機を使ってもええんですか?

まず機種とフィルターを確認しましょう。

フィルターは水洗いした方がきれいになりますよね?

洗えるかどうかは製品ごとに違います。
自己判断の水洗いは避けましょう。

この記事の結論
  • 機種と取扱説明書とリコール情報を確認します
  • 吸気口と吹出口の周囲から火種と水と物を離します
  • フィルターは指定された方法だけで手入れします
  • コードを折り曲げず壁や家具で挟みません
  • 異音や発煙があれば停止し通報と避難を優先します

社内待機中の空気清浄機について機種確認と安全な設置と正しいフィルター手入れと異常時停止を示す中央一場面のアイソメ図

社内待機中に空気清浄機を使ってよいのか

社内待機場所で空気清浄機と取扱説明書を確認する担当者のアイソメ図
空気清浄機は、取扱説明書どおりに設置し、フィルターとコードを確認し、異常時に停止できる場合に限って使用を検討します。
空気をきれいにする機器だから安全だと決めつけてはいけません。
製品評価技術基盤機構は、空気清浄機の事故として、洗って再利用できないフィルターを水洗いした後にスパークして出火した事例と、電源コードが繰り返し折れ曲がって断線し、短絡して出火した事例を示しています。
空気清浄機も電気火災の原因になり得ます
使用前に本体、フィルター、吸気口、吹出口、電源コード、プラグ、置き場所を確認します。
使用中は異音、異臭、振動、過熱、発煙を確認し、担当者が異常を見逃さない体制にします。
地震後や停電復旧後に再開するときは、転倒、本体の破損、水濡れがないことを見ます。
発煙や出火があれば周囲へ知らせ、119番通報と避難を優先してください。

空気をきれいにする機器でも、火災はあり得るんですね。

はい。
監視できる時間だけ使いましょう。

どの空気清浄機と設置場所を対象に確認するのか

担当者が空気清浄機の型式とフィルターと電源プラグを確認するアイソメ図
確認対象は、社内待機場所で使う空気清浄機の一部ではなく、持ち込み品を含むすべてです。
同じ外観でも、フィルターの手入れ方法や壁から離す距離は機種によって異なります。
消費者庁のリコール情報サイトには、特定のポータブル空気清浄機で発煙に至るおそれがあるとして、製品交換が行われた事例が掲載されています。使用前に製品名と型式を照合し、メーカーの案内も確認します。
製品名と型式とフィルターの種類を最初に確認します
製品評価技術基盤機構は、吸気口に水、ほこり、火のついたたばこや線香などを近づけないよう注意を促しています。
臨時の待機場所では、机の下、カーテンのそば、出入口、給湯場所の近くを避け、吸気口と吹出口を塞がない位置に置きます。
  • 製品名、型式、製造番号
  • 取扱説明書とリコール情報
  • フィルターの種類と交換時期
  • 吸気口と吹出口の周囲
  • 壁や家具との間隔
  • 電源コードとプラグの状態
  • 水濡れや火種がない置き場所
避難経路を狭める位置や、転倒して通路を塞ぐ位置も避けます。
誰かが一度確認しただけで終わらせず、配置を変えたときは再確認します。

吸気口の近くに火種を置かないことも大事なんですね。

吸い込む風の先まで確認しましょう。

運転開始から停止後の手入れまで何を決めるのか

担当者が空気清浄機の運転状態とフィルター清掃記録を確認するアイソメ図
空気清浄機を置くだけでは、BCPの手順になりません。
運転前、運転中、停止時、手入れ時に誰が何を見るかを決めます。
内閣府の事業継続ガイドラインは、重要業務の継続に必要な資源や手順を整理し、訓練と見直しを重ねる考え方を示しています。空気清浄機も、社内待機を支える設備として担当と確認手順を具体化します。
運転担当と監視担当と手入れ担当を決めます
運転前は、本体の転倒や破損、水濡れ、フィルターの装着、コードの損傷を確認します。
通電前に吸気口と吹出口が塞がれていないことも見ます。
コードは束ねたまま使わず、折り曲げたり家具で踏んだりしません。
  • 運転前に本体と設置場所を確認する
  • 取扱説明書で連続運転の条件を確認する
  • 運転中は異音、異臭、振動、過熱を監視する
  • 移動前と手入れ前は停止してプラグを抜く
  • フィルターは指定方法で清掃または交換する
  • 異常と対応内容を点検記録へ残す
停止後も、本体の熱やにおいに異常がないかを確認します。
異常が続く場合は再使用せず、メーカーや電気設備担当者へ点検を依頼します。

つけっぱなしにせず、見る人も決めるんですね。

はい。
停止まで担当を明確にします。

洗えないフィルターと折れ曲がったコードを見落とすとどうなるのか

水洗いできないフィルターと壁で折れ曲がった電源コードを担当者が確認するアイソメ図
空気清浄機の事故は、目立つ炎がある場所だけで起きるとは限りません。
フィルターの誤った手入れと、背面で見えないコードの折れ曲がりが火災につながることがあります。
製品評価技術基盤機構が示した事故では、水洗いできないフィルターを水洗いして再使用したところ、フィルターが導電性を帯び、スパークして出火しました。別の事故では、壁に押し付けられた電源コードが繰り返し折れ曲がって断線し、発熱、短絡して出火しました。
洗える部品と洗えない部品を先に分けます
「汚れているから水で洗う」という判断ではなく、取扱説明書に水洗い可と記載された部品だけを指定方法で洗います。
洗える部品も、乾燥条件や取り付け方法を取扱説明書で確認します。
本体を壁へ押し付けず、コードが背面で折れ曲がらない隙間を確保します。
  • 表示が読めないフィルターは自己判断で洗わない
  • 変形、焦げ、濡れ、破れがあれば再使用しない
  • コードを本体と壁の間で挟まない
  • 移動時にコードを引っ張らない
  • プラグのほこりと緩みを確認する
異臭、異音、過熱、発煙、火花があれば、可能な範囲で電源を切り、再使用を中止します。
外見に異常がなくても、コードを強く挟んだり水がかかったりした場合は、使用前に点検を相談してください。

フィルターが汚れていても、勝手に洗ったらあかんのですね。

はい。
水洗い可の表示を確認しましょう。

明日から空気清浄機の運用をどう確認するのか

担当者が空気清浄機の取扱説明書と設置運転停止手入れの確認表を照合するアイソメ図
最初の確認は、災害が起きていない日に行います。
空気清浄機を実際の待機場所へ置き、取扱説明書と確認表を照合します。
消防法第8条は一定の防火対象物で防火管理者に消防計画の作成などを求め、消防法施行規則第3条は地震時の活動や訓練など消防計画に定める事項を示しています。消防庁は地震後の電気火災対策として、停電中にプラグを抜き、再通電前に電気製品の破損や配線の損傷を確認するよう案内しています。
最初は通電せず机上で手順を通します
型式、設置場所、担当者、停止条件、手入れ方法を確認表へ記載します。
その後、周囲の安全を確保して短時間の模擬訓練を行います。
  1. 使用する機種と取扱説明書をそろえる
  2. リコール情報とフィルターの種類を確認する
  3. 待機場所で吸気口と吹出口の周囲を確認する
  4. コードとプラグに損傷や挟み込みがないか確認する
  5. 異常時の停止、通報、避難の順序を決める
  6. 監視と停止の担当者を決める
  7. 訓練結果を消防計画とBCPへ反映する
停電復旧後は、転倒、水濡れ、配線の損傷を確認してから再開を判断します。
確認表は更新日と担当者を残し、機種や配置が変わるたびに機器使用手順を見直します。

確認表は、機種や置き場所が変わったら更新ですね。

そのとおりです。
現物と手順を合わせましょう。

よくある質問

Q空気清浄機は火を使わないので安全ですか?
A電気製品であり、フィルターの誤った手入れやコードの損傷が出火につながることがあります。取扱説明書どおりに設置し、運転中の異常を監視してください。
Qフィルターはすべて水洗いできますか?
A水洗いできるかどうかは製品とフィルターの種類によって異なります。表示と取扱説明書を確認し、水洗い不可の部品は自己判断で洗いません
Q壁に接する位置へ置いてもよいですか?
A吸気口と吹出口を塞がず、コードが壁との間で折れ曲がらない距離を確保します。必要な間隔は取扱説明書で確認してください。
Q消防計画とBCPにはどう分けて書けばよいですか?
A消防計画には通報、初期消火、避難などの初動を、BCPには社内待機を続けるための機器運用を整理します。担当者と停止条件は両方で整合させます。

まとめ

製品名と型式と取扱説明書とリコール情報を確認します。
吸気口と吹出口から火種と水と物を離します
フィルターは指定された方法で手入れします。
コードを挟まず折り曲げません
異音、異臭、過熱、発煙を監視します
異常時は停止し通報と避難を優先します。
確認手順と訓練結果をBCPへ反映します。

まずは通電しない確認から始めます!

正しい設置と手入れをBCPへ落とし込みましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

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監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

※本記事は公表されている法令および製品安全に関する公的資料に基づく一般的な解説です。設置条件、連続運転時間、フィルターの交換時期、清掃方法は製品によって異なります。実際の運用は取扱説明書を確認し、必要に応じてメーカー、電気設備担当者、防火管理者、所轄消防署へご相談ください。

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