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BCPで社内待機中に加湿器を使ってよいのか|給水ミスと内部漏水による火災を防ぐ運用を解説

社内待機場所でえんじ色の上着と黒い長ズボンの作業員が加湿器の型式と給水タンクを確認する様子

冬の停電や交通障害で従業員が社内待機するとき、乾燥対策として加湿器を使い続けてよいのでしょうか。
人が増え、臨時の給水担当が動く状況では、平常時よりも転倒、誤給水、手入れ不足が起こりやすくなります。
製品評価技術基盤機構は、手入れ不足による機器内部への漏水から火災に至るおそれを示しています。
取扱説明書どおりの水と給水量と手入れ方法を守ります
機種、置き場所、給水、監視、停止、清掃までをBCPの使用手順へ落とし込みます。

社内待機で加湿器を使ってもええんですか?

まず機種と給水方法を確認しましょう。

水なら何を入れても同じですか?

指定外の液体を避け、水道水と満水線を守ります。

この記事の結論
  • 機種と取扱説明書とリコール情報を確認します
  • 給水タンクには指定された水だけを入れます
  • 満水線を超えず安定した場所で使います
  • 本体を丸洗いせず内部への漏水を防ぎます
  • 異臭や発煙や漏水があれば停止し通報と避難を優先します

社内待機中の加湿器について機種確認と正しい給水と使用中の監視と停止後の手入れを示す中央一場面のアイソメ図

社内待機中に加湿器を使ってよいのか

施設担当者が社内待機場所の加湿器と取扱説明書を確認するアイソメ図
加湿器は、取扱説明書どおりに設置し、給水と手入れの担当者を決め、異常時に停止できる場合に限って使用を検討します。
乾燥対策になるという理由だけで、長時間の連続運転を決めてはいけません。
製品評価技術基盤機構は、加湿器等の事故として、高温の蒸気や内部の湯によるやけど、手入れ不足で機器内部へ漏水したことによる火災などを挙げています。取扱説明書と本体表示を確認し、正しく使うよう注意喚起しています。
便利さと事故リスクを一緒に見て使用を判断します
使用前に機種、電源コード、給水タンク、本体、置き場所、周囲の動線を確認します。
使用中は水位、異音、異臭、発煙、漏水を確認し、担当者が異常を見逃さない体制にします。
漏水や焦げ臭さがあるときは無理に触れず、安全にできる場合だけ電源を切ります。
発煙や出火があれば周囲へ知らせ、119番通報と避難を優先してください。

乾燥しているから、ずっと運転でええとは限らないんですね。

はい。
監視できる時間だけ使いましょう。

どの加湿器と設置場所を対象に確認するのか

担当者が加湿器の型式と給水タンクと電源プラグを確認するアイソメ図
対象は加湿器本体だけではありません。
加湿方式、型式、取扱説明書、リコール情報、給水方法、電源、設置台、周囲の人と物まで一組で確認します。
消費者庁リコール情報サイトには、スチーム式加湿器について、ふたを開けた際に熱湯が噴き出すおそれがあるとして交換や回収の対象になった事例が掲載されています。使用前に製品名と型式を確認し、対象品は案内に従って使用を中止します。
製品名と型式と加湿方式を最初に確認します
蒸気や内部の湯が高温になる機種では、吹出口や本体へ人が触れにくい場所を選びます。
床、傾いた台、通行の多い場所を避け、水平で安定した台へ置きます。
書類、段ボール、カーテン、延長コードから離し、避難通路や防火戸の前を塞ぎません。
コードの傷、プラグの変色、コンセントの緩みがあれば使用を中止します。
給水時に本体へ水がかからず、タンクを安全に運べる給水動線も確保します。
  • 製品名と型式と加湿方式
  • 取扱説明書とリコール対象の有無
  • 給水タンクと本体のひびや漏れ
  • 電源コードとプラグとコンセント
  • 水平で安定した設置台
  • 吹出口の周囲と人の動線
  • 避難通路と防火戸を妨げない位置

給水する通り道まで決めるんですね。

水をこぼさない動線も設置条件です。

給水から停止後の手入れまで何を決めるのか

担当者が加湿器の給水と水位と運転状態を確認するアイソメ図
運用はスイッチを入れる時間だけではありません。
給水、設置、通電、監視、交代、停止、排水、手入れ、記録までを一つの手順にします。
内閣府の事業継続ガイドラインは、緊急時の対応を実施する担当者と代行者、対応手順、必要な資源をあらかじめ整理し、訓練や点検を通じて改善する考え方を示しています。
給水担当と監視担当と停止担当を決めます
給水タンクへ取扱説明書で指定された水を入れ、満水線を超えないようにします。
濡れた手でプラグを扱わず、本体周囲の水滴を拭いてから通電します。
運転中は水位、蒸気、音、におい、本体の熱、漏水を確認します。
交代時は残りの水量と異常の有無を口頭と記録で引き継ぎます。
停止後は本体が安全な温度になってからタンクや受け皿の水を処理します。
手入れの範囲は取扱説明書に従い、本体内部へ水を入れない清掃方法を守ります。

止めた後の排水と手入れまで担当を決めるんですね。

はい。
排水と記録までが使用手順です。

指定外の液体と丸洗いを見落とすとどうなるのか

担当者が加湿器の給水タンクへ指定外の液体を入れず本体を水から離すアイソメ図
見落としやすいのは、香りを付ける目的で指定外の液体を入れることと、本体を清潔にしようとして丸洗いすることです。
善意の工夫や清掃が、吹き出しや内部漏水の原因になる場合があります。
製品評価技術基盤機構は、多くの加湿器でアロマオイルなどの使用が禁止されており、指定外の液体で泡立ちや蒸気経路の詰まりが起こると、湯が吹き出すおそれがあると説明しています。また、本体の丸洗いは機器内部への漏水による火災につながるおそれがあるため、行わないよう示しています。
指定されていない液体を自己判断で加えません
水道水以外を使える製品もありますが、使える液体と量は製品ごとに異なります。
香料、薬剤、除菌液などは、取扱説明書に明記されていなければ入れません。
満水線を超えた給水も、あふれや内部への水の侵入につながるため避けます。
清掃ではタンクや受け皿など外せる部品と、本体の電気部分を分けます。
本体を水へ沈めたり蛇口から直接水をかけたりせず、指定された手入れ方法に従います。
漏水、異音、異臭、焦げ跡があれば再使用せず、メーカーへ点検を相談してください。

きれいにするための丸洗いも危ないんですね。

本体は水をかけずに手入れしてください。

明日から加湿器の運用をどう確認するのか

担当者が加湿器の取扱説明書と給水停止清掃の確認表を照合するアイソメ図
まず使用予定の加湿器を一台だけ出し、製品名、型式、加湿方式、取扱説明書を照合します。
次に通電せず、置き場所、給水動線、電源、避難経路、停止後の排水場所を確認してください。
消防法第8条と消防法施行規則第3条は、防火管理者が消防計画に基づき、火気使用設備器具の管理、消火、通報、避難の訓練などを行う枠組みを定めています。消防庁は地震後に電化製品の使用を再開するとき、機器の破損や周囲の可燃物を確認するよう示しています。
最初は水を入れず机上で手順を通します
リコール確認、給水、設置、監視、交代、停止、排水、手入れを読み合わせます。
実際に運転する前に、担当者が不在になる時間と停止条件を決めます。
地震後に再開する場合は本体、タンク、コード、プラグ、設置台の破損を確認します。
漏水や発煙を想定し、周囲への連絡、119番通報、避難を安全な模擬訓練で確認します。
結果は消防計画の出火防止と、BCPの待機環境を維持する機器使用手順へ反映します。
  • 製品名と型式と加湿方式を記録する
  • リコール対象でないことを確認する
  • タンクと本体とコードを点検する
  • 水道水と満水線を確認する
  • 給水と監視と停止の担当者を決める
  • 漏水や発煙時の連絡と避難を確認する
  • 排水と手入れと記録まで通す

水を入れず、担当交代まで試します。

安全な机上と模擬訓練から始めましょう。

よくある質問

Q加湿器なら火を使わないので安全ですか?
A電気機器であり、内部への漏水やコードの損傷から火災に至るおそれがあります。取扱説明書に従い、給水と手入れを管理してください。
Q給水タンクへアロマオイルを入れてもよいですか?
A取扱説明書で明確に認められた製品以外は入れません。指定外の液体は泡立ちや蒸気経路の詰まりを招くおそれがあるため、自己判断を避けます
Q本体の汚れを水で丸洗いしてもよいですか?
A本体内部へ水が入ると漏電や火災のおそれがあります。外せる部品と電気部分を分け、取扱説明書が示す清掃方法を守ってください。
Q消防計画とBCPには何を書き分けますか?
A消防計画には出火防止、通報、初期消火、避難などを、BCPには機器の選定、給水、担当交代、停止条件、手入れ、記録など社内待機の運用を接続して整理します。

まとめ

機種と取扱説明書とリコール情報を確認します。
給水タンクには指定された水を入れます
満水線を超えず安定した場所で使います。
使用中は漏水や異臭や発煙を監視します
本体を丸洗いせず内部への漏水を防ぎます
異常時は無理に触れず通報と避難を優先します。
給水と監視と停止と手入れをBCPへ反映します。

水を入れない確認から始めます!

正しい給水と手入れをBCPへ落とし込みましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

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お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

※本記事は公表されている法令および製品安全に関する公的資料に基づく一般的な解説です。使える水、満水量、設置条件、連続運転時間、排水、清掃方法は製品によって異なります。実際の運用は取扱説明書を確認し、必要に応じてメーカー、電気設備担当者、防火管理者、所轄消防署へご相談ください。

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