停電や地震の直後、非常放送設備の操作部が動かないと分かったら、避難案内をどう続ければよいのでしょうか。
携帯用拡声器を持っていても、広い建物では案内の重複や抜けが起こります。
大切なのは、設備の停止を共有し、放送区域ごとに人と代替手段を割り当てることです。
非常放送が使えないときは直接案内へ切り替え避難誘導を止めません。
放送が止まったら、まず何をしますか。
停止を共有して区域担当を配置します。
拡声器が一台あれば足りますか。
届く範囲と聞こえにくい場所まで決めます。
- 非常放送の停止を全担当者へすぐ共有します
- 放送区域ごとの担当者を配置します
- 携帯用拡声器、肉声、掲示を組み合わせて案内します
- 聞こえにくい場所と支援が必要な人を取り残しません
- 点検結果を受けるまで復旧済みと扱いません
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目次
停電で非常放送設備が使えないとき避難誘導をどうするのか

火災を発見したときは、周囲へ大声で知らせることや消防機関へ通報することが公的な訓練資料でも示されています。
非常放送の代わりに人が情報を運ぶ体制へ切り替えます。
まず、自衛消防隊長や防火管理者へ設備停止と確認できた範囲を伝えます。
同時に、火災の発生場所、危険な経路、安全な階段、集合場所を短い言葉でそろえます。
区域担当者は携帯用拡声器や肉声で案内し、扉を開けた室や巡回を終えた区画を記録します。
機器を繰り返し操作するより、避難誘導と119番通報を優先してください。
設備の復旧操作は担当者と専門家へ引き継ぎます。
放送の復旧を待たずに動くんですね。
せやで。
直接案内へ切り替えるんや。
どの放送区域と代替手段を対象に確認するのか

一部のスピーカーだけが聞こえない場合と、操作部を含めて全館で使えない場合では対応範囲が違います。
平面図へ放送区域と代替案内の担当範囲を重ねます。
次の場所を実際に歩いて確認してください。
- 居室、売場、事務室など人が滞在する区画
- 階段、廊下、防火戸の付近
- 機械室、厨房、地下など音が届きにくい場所
- 屋外、別棟、テナントの専有部
- 聴覚障害者や外国人など情報支援が必要な人のいる場所
デジタルサイネージや翻訳機器は補助になりますが、停電中に使えるかを確かめます。
それぞれに保管場所、使用者、電源、届く範囲を記載します。
担当区域には予備担当者も決めておきましょう。
建物を区域に分けるのが先ですね。
案内の空白区域をなくせます。
発見から避難案内まで何をどの順番で伝えるのか

誤った場所へ誘導しないよう、指揮者から区域担当者へ共通文を渡します。
事実、危険区域、安全な経路、取るべき行動の順に伝えます。
現場では次の順番を基本に整えます。
- 火災や設備停止を確認した時刻と場所を共有する
- 119番通報と初期消火の担当を確認する
- 使えない放送区域と危険な経路を伝える
- 区域担当者を安全な経路から配置する
- 在館者へ出口、階段、禁止経路を短く案内する
- 居室やトイレなどを巡回し、完了を報告する
- 消防隊へ設備停止と未確認区域を引き継ぐ
推測で出火場所や復旧時刻を伝えず、確認済みの情報だけを使います。
担当者の報告先を一本化すると、未確認区域が見えやすくなります。
長い説明は要らないんですね。
はい。
場所と行動を短く伝えます。
携帯用拡声器があれば十分と思いやすいのはなぜか

壁や防火戸、騒音、階段、別棟によって音の届き方が変わります。
道具の有無ではなく情報が人へ届いたかを確認します。
見落としやすい点は次のとおりです。
- 電池切れや保管庫の施錠で拡声器を使えない
- 同時に複数の区域へ案内できる人数が足りない
- 防火戸を閉めたあとに声が届かない
- 聴覚障害者や外国人へ音声だけで伝えている
- 誘導担当者が危険区域へ入り直してしまう
- 設備が一度動いただけで復旧済みと判断する
携帯用拡声器を用意しても、非常放送設備そのものの点検が不要になるわけではありません。
設備停止中の体制や施設利用の可否は、停止範囲と建物用途を示して所轄消防署と専門家へ相談します。
拡声器を置くだけでは足りませんね。
届いたかの確認までが避難誘導です。
明日から非常放送停止時の代替誘導をどう訓練するのか

訓練では、実際に非常放送を壊すのではなく「操作部が使えない」と想定して直接案内へ切り替えます。
停止の連絡から全区域の完了報告までを通して試します。
次の手順で確認してください。
- 放送区域図へ担当者と予備担当者を記入する
- 携帯用拡声器、電池、掲示板の保管場所を示す
- 設備停止を伝える連絡文と報告先を決める
- 各区域で案内が聞こえる範囲を歩いて確かめる
- 聞こえにくい場所は掲示と直接声掛けを加える
- 巡回完了と未確認区域を指揮者へ報告する
- 設備点検、復旧確認、消防隊への引継ぎまで記録する
設備担当者だけでなく、テナント責任者や夜間勤務者も参加させてください。
訓練後は届かなかった区域と不足した人数を修正します。
非常放送設備は法定の点検と専門的な復旧確認を行い、結果を業務再開判断へ渡します。
使えない想定で歩いてみます。
ええですね。
空白区域が見つかります。
よくある質問
まとめ
放送なしの避難訓練から始めます!
区域担当と代替手段を備えましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- e-Gov法令検索 消防法第17条・第17条の3の3
- e-Gov法令検索 消防法施行令
- 総務省消防庁 消防用設備等の点検基準・点検要領・点検票
- 総務省消防庁 別表第14 非常警報器具及び設備の点検の基準
- 総務省消防庁 非常警報設備の基準
- 総務省消防庁 小規模雑居ビル等における自衛消防訓練実施マニュアル
- 大阪市消防局 消防計画作成例 自衛消防活動
- 大阪市中央消防署 災害時に効果を発揮するフリップボード
- 内閣府 事業継続ガイドライン 令和5年3月
※本記事は公表されている法令および公的資料に基づく一般的な解説です。火災時は身の安全を確保し施設の消防計画と消防機関の指示に従ってください。個別の設備停止時の体制、代替案内、点検、修理、施設利用、業務再開判断は、建物用途と停止範囲に応じて所轄消防署、建物管理者、消防設備士へご確認ください。





