飲食店等の厨房でIH調理器や家庭用のガスコンロを使いたい場合、消防法上どのような扱いになるのか気になる方も多いはずです。
特に家庭用ガスコンロを業務用として使う場合は、届出や安全機能の要件を満たす必要があります。
この記事では、IH調理器と家庭用ガスコンロ、それぞれの消防法上の扱いを解説します。
厨房をIHに替えたら、消防への届出は要らなくなるのでしょうか。
IH調理器や電気こんろは「火を使用する設備又は器具」に含まれないという整理です。
それなら家庭用のガスコンロを店で使うのも自由でしょうか。
それは「防火上有効な措置」が講じられていることが必要です。
グリル過熱防止機能や消し忘れ消火機能などが該当します。
この記事でまとめて解説します!
- IH調理器・電気こんろなど電気を熱源とする設備・器具は「火を使用する設備又は器具」に含まれない
- 家庭用ガスコンロを飲食店等の厨房で使う場合は「防火上有効な措置」が講じられている必要がある
- 防火上有効な措置とは、グリル過熱防止機能・消し忘れ消火機能・炎あふれ防止機能などを指す
- 機能の有無は取扱説明書等で確認できる
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目次
IH調理器・電気こんろは「火を使用する設備」にあたらない
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消防法施行令第10条第1項第1号ロは、「火を使用する設備又は器具」について一定の規制を定めています。
電磁誘導加熱式調理器(IH調理器)や電気こんろのように、電気を熱源とする設備・器具は、炎を発生させないため、この「火を使用する設備又は器具」には含まれないと整理されています。
炎が出ないから、火を使用する設備には当たらないのですね。
そう整理されています。
ただし電気容量や配線の安全は別の話なので、そちらも確認してください。
家庭用ガスコンロを厨房で使う場合の要件
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一方、家庭用のガスコンロを飲食店等の厨房設備・器具として使用する場合は、火を使用する設備にあたるため、消防法施行規則第5条の2に規定する「防火上有効な措置」が講じられている必要があります。具体的には、次のような機能が備わっているかどうかがポイントになります。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| グリル過熱防止機能 | グリル庫内やグリル受け皿の温度が過度に上昇したことを感知し、自動的にガスの供給を停止して火を消す機能 |
| グリル消し忘れ消火機能 | グリルの火を消し忘れた場合でも、一定時間経過後に自動的にガスの供給を停止して火を消す機能 |
| 炎あふれ防止機能 | グリル庫内で発火した場合でも、グリル庫内からの炎あふれを防止する機能 |
うちのコンロにその機能が付いているか分かりません。
取扱説明書で確認できます。
型番を控えて、グリル過熱防止と消し忘れ消火の記載を探してみてください。
実務上のポイント
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- IH調理器のみを使用する厨房であれば、「火を使用する設備又は器具」としての規制は基本的にかからない
- 家庭用ガスコンロを業務用に転用する場合は、上記3機能の有無を必ず確認する
- いずれの機能も備わっていない家庭用ガスコンロは、防火上有効な措置が講じられているとは言えない可能性がある
- 最終的な適合可否の判断は、所轄消防署に確認することが望ましい
3つの機能がそろっていないと、認められない可能性があるのですね。
そう見られます。
買い替えのときは業務用か、機能が付いた機種を選んでください。
なぜ「火を使用する設備」の区分が重要なのか
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消防法令上、「火を使用する設備」に該当するかどうかは、防火管理上の届出義務や、防火対象物点検の対象範囲、内装制限の要否など、複数の規制に影響する重要な分岐点です。
IH調理器・電気こんろが「火を使用する設備」に含まれないと整理されることで、これらの機器を使用する店舗では、直火式のガスコンロを使う場合と比べて求められる防火上の措置が異なってきます。
ただし、これは「火災リスクがゼロ」という意味ではなく、あくまで消防法令上の設備区分の話である点は理解しておく必要があります。
区分が変わると、点検や届出の範囲まで動くのですね。
内装制限にも関わります。
厨房の設備を入れ替えるときは、着工前に一度相談してください。
よくある質問
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まとめ
- IH調理器・電気こんろは「火を使用する設備又は器具」に含まれない
- 家庭用ガスコンロを厨房で使う場合は防火上有効な措置(グリル過熱防止・消し忘れ消火・炎あふれ防止機能)が必要
- 機能の有無は取扱説明書等で確認できる
- 判断に迷う場合は所轄消防署に確認する
熱源が電気かガスかで、扱いが変わるのですね。
すっきりしました。
そのとおりです。
機能の有無は取扱説明書等で確認できますので、導入前にご確認ください。
参考・出典
- 消防法施行令第10条第1項第1号ロ・消防法施行規則第5条の2 e-Gov法令検索
- 「消防実務六法 質疑応答編」(消防実務研究会編・東京法令出版)火を使用する設備又は器具・防火上有効な措置に関する質疑応答(令和5年3月改正反映)を参考に、独自に解説を作成
※本記事は2026年7月時点の法令解釈に基づく一般的な解説です。個別の適合可否は所轄消防署にご確認ください。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)




