ガス漏れ火災警報設備は、地階の床面積が1,000平方メートル以上あるとかかってきます。
ただ、その地階が機械室だけということもあります。
不特定多数の人が出入りしない部分にまで、同じ設備が要るのか。
質疑応答が示したのは人の出入りではなく面積と用途で決めるという線引きです。
うちの地階は機械室と管理室だけで、お客様は入りません。
それでもガス漏れ火災警報設備が要るのでしょうか。
要ります。
機械室等のみである場合も設置しなければならないという回答が出ています。
令第32条で省略してもらえないかと考えていました。
そこも明確に否定されています。
地階まわりの5つの回答を順に見ていきます。
- 地階が機械室等のみでも設置しなければならないとされました
- 機械室等とそれ以外が混在する場合も機械室等の床面積のいかんにかかわらず設置します
- 複合用途の地階では機械室等を共用部分として按分して判断します
- 地上から直接出入りできる開口部があっても設置しなければなりません
- 建築基準法上の地階に令第32条を適用して省略することは適当でないと解するとされました
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目次
地階が機械室だけでも設置が要るか

その地階が機械室や管理室だけだったらどうなるのか。
(1) ガス漏れ火災警報設備を設置しなければならない。
(2) 令第32条の規定を適用し、ガス漏れ火災警報設備の設置を要しない。
2つの案のうち、選ばれたのは設置しなければならない側でした。
問いのほうには不特定多数の者が全く出入りしないと書き込まれています。それでも省略は認められませんでした。
理由は書かれていませんが、ガス漏れは人がいるかどうかと無関係に起きます。無人の機械室で溜まったガスのほうが危険だという読み方もできます。
自分の建物でやることは1つです。地階の床面積とガス機器の有無を押さえる。人が入らないから対象外、という説明を受けたら根拠を確かめてください。
人がいないほうが気づかれにくいとも言えますね。
まさにそこです。
人が入らないから対象外という説明には根拠を確かめてください。
機械室と売場が混在する場合はどうか

売場や事務室と混在している場合、面積の数え方が問題になります。
(1) 機械室等の床面積のいかんにかかわらずガス漏れ火災警報設備を設置しなければならない。
(2) 機械室等以外の部分の床面積の合計が500平方メートル未満である場合、令第32条の規定を適用し、ガス漏れ火災警報設備の設置を要しない。
ここでも省略する側の案は退けられました。選ばれたのは機械室等の床面積のいかんにかかわらず設置する、という案です。
問いの(2)は、機械室を除いた部分が500平方メートル未満なら要らないのではないか、という考え方でした。実務では自然な発想です。
しかし機械室等を除いて数えるという運用は認められていません。前の項目と合わせると、機械室等は面積計算から外れないという一貫した扱いになります。
地階の面積を計算した書面を持っているなら、機械室が含まれているかを確かめてください。除外して計算していれば見直しが要ります。
機械室を除いて計算していたら、結論が変わってしまいますね。
だから確かめる価値があります。
地階の面積計算書に機械室が入っているか見てください。
複合用途の地階では按分するのか

その中の機械室を、どの用途のものとして数えるのか。
(1) 当該地階の機械室等は当該防火対象物の共用部分としてその床面積を当該防火対象物の用途ごとの床面積により按分し、その按分した面積のうち特定用途部分に相当するとみなされる部分の面積と当該地階の特定用途部分の床面積との合計が500平方メートル以上になる場合、ガス漏れ火災警報設備を設置しなければならない。
(2) 当該地階の特定用途部分の床面積の合計が500平方メートル未満である場合、機械室等の床面積のいかんにかかわらずガス漏れ火災警報設備の設置を要しない。
複合用途になると計算がひと手間増えます。機械室等は特定の用途に属さないため、共用部分として扱います。
そのうえで用途ごとの床面積の割合で按分し、特定用途に相当するとみなされる部分を取り出します。その面積と地階の特定用途部分の床面積を合計して500平方メートル以上かを見るという順です。
ここでも(2)の「特定用途部分だけで足りなければ要らない」という案は退けられています。前の2問と同じ向きです。
複合用途の建物では、この按分の計算書があるかどうかで話が変わります。設計時の書面が残っているか、確かめておいてください。
3問とも省略する側の案が退けられているのが分かりやすいです。
この通知は一貫しています。
按分の計算書が設計時から残っているか確かめてください。
地上から出入りできる地階も対象か

換気も採光もある地階を、閉じた地下と同じに扱ってよいのか。
問いには、直接地上から出入りできる開口部があるという事情が書かれています。それでも結論は変わりませんでした。
判断の材料は建築基準法上の地階かどうかと、床面積とガス機器の有無です。開けているかどうかは条件に入っていません。
実感としての地下らしさで決まる話ではないということです。傾斜地の建物では特に取り違えやすい点になります。
自分の建物が傾斜地に建っているなら、建築確認の書類でどの階が地階とされているかを確かめてください。感覚と書面が食い違うことがあります。
外に出られるので1階のつもりで考えていました。
そこが取り違えやすい点です。
建築確認の書類でどの階が地階とされているか見てください。
令第32条で省略することはできるか

令第32条は、実情に応じて基準を緩められる規定です。
なお、別図例1〜例3はいずれも消防法施行令第21条の2第1項第3号に該当するものである。(平面図等省略)
例が3つ示されましたが、いずれについても省略は適当でないとされました。
この章を通して見ると、方向がはっきりしています。機械室だけでも要る。混在していても要る。開口部があっても要る。そして令第32条でも省略できない。
つまり地階でガスを使うなら設備を入れるという原則は動かしにくいということです。
省略できる前提で計画を立てると後で崩れます。地階にガス機器を置く計画があるなら、設備の費用を最初から見込んでおくのが安全です。
特例を当てにした計画は危ないということですね。
この章に関してはそのとおりです。
地階にガス機器を置く計画なら設備費を最初から見込んでください。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
よくある質問
まとめ
地階については考え方が一本だと分かりました。
すっきりしました。
地階の面積、機械室の扱い、そして建築確認上の階の呼び方。
この3つを書面で押さえれば判断がぶれません。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- ガス漏れ火災警報設備の設置について(昭和57年1月28日 消防予第24号 消防庁予防救急課長から新潟県総務部長あて回答)
- 同前(昭和57年3月9日 消防予第57号 消防庁予防救急課長から新潟県総務部長あて回答)
- 同前(昭和57年11月12日 消防予第228号 消防庁予防救急課長から広島県総務部長あて回答)
- 消防法施行令第21条の2
- 消防法施行令第32条
- 消防実務六法 質疑応答編
※本記事は公表されている法令および通達に基づく一般的な解説です。掲載した回答は昭和57年当時のもので、通知番号や機関の名称等は当時のものです。図面を前提とした回答を含み、その後の改正により運用が変わっている場合もあります。個別の事案についての適用は、所轄消防署にご確認ください。





