ガス漏れ検知器は、天井に付いていれば正しいというものではありません。
はりやフードがあると、ガスがそこまで届かないことがあります。
逆に、湯気や風のせいで置いてはいけない場所もあります。
質疑応答が示したのはガスが実際に届く位置に置くという一貫した考え方です。
厨房の天井にはりがあって、検知器がその向こう側に付いています。
これで問題ないのでしょうか。
確かめる価値があります。
質疑応答にははりの手前側に設ければ足りるという例が出ています。
置いてはいけない場所というのもあるのですか。
あります。
湯気の多い場所と、出入口の気流がある場所です。5つの回答を順に見ていきます。
- はりがある天井では燃焼機器側の部分に設ければ足りる例が示されました
- カウンターの下に通気口やすき間がない場合は手前側のなるべく低い位置に設置します
- フードと排気ダクトがある場合は天井側の位置に設置することとされました
- 水蒸気の多い場所は設けない場所ではなく防水性能を有する検知器を設置します
- 出入口付近で外部の気流が流通する場所はこれらの場所をさけて設置することとされました
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目次
はりがある天井ではどこに置くか

その途中に天井から下がったはりがあると、流れがせき止められます。
(1) 天井にはりがあり、燃焼器から8メートルの範囲内で、はりの手前がⒶ、向こう側の吸気口側がⒷの場合
(2) はりがなく、天井のⒸと吸気口側のⒹがある場合
(3) はりがなく、天井のⒺと吸気口側のⒻがある場合
(2) Ⓒ及びⒹの部分に検知器を設置すること。
(3) Ⓕ部分に検知器を設置するのが適当である。
3つの例で答えが分かれています。共通しているのは、ガスがどこまで流れて溜まるかで位置を決めている点です。
(1)でははりがあるため、燃焼機器側のⒶ部分のみで足りるとされました。はりの向こう側にはガスが回り込みにくいという判断です。
はりがない(2)では、天井側と吸気口側の両方に設置することとされています。さえぎるものがなければ流れが伸びるからです。
自分の建物で確かめたいのは、天井に下がり壁やはりがあるかどうかです。厨房の改装で天井を張り替えると、この前提が静かに変わります。
天井の形が変われば、正しい位置も変わるということですね。
そこが見落とされがちです。
厨房の天井を触る工事のときは検知器の位置も一緒に見てください。
カウンターの下はどう扱うか

その床の上にカウンターのような仕切りがあると、溜まる側が分かれます。
(1) 燃焼器から4メートルの範囲内で、燃焼器側の床上0.3メートルの位置がⒶ、カウンターをはさんだ向こう側のたたき上0.3メートルの位置がⒷの場合
(2) カウンターの下部にaの高さの開口がある場合
(2) カウンターの下部(床から0.3メートル以下の部分)に通気口又はすき間がなく、かつ、aが0.3メートルを超える場合には、Ⓐの部分のなるべく低い位置に設置するように指導されたい。
重いガスは下に溜まります。だから高さはなるべく低い位置と指導されました。
そして左右の選択では、カウンターの向こう側ではなく燃焼機器側が選ばれています。
(2)には条件が細かく書かれています。カウンターの下部、床から0.3メートル以下の部分に通気口又はすき間がなく、かつ開口の高さが0.3メートルを超える場合。この形なら、やはり燃焼機器側に置きます。
つまり足元がふさがっているかどうかで判断が変わります。カウンターの下に幅木が回っているか、抜けているか。現場で膝をついて見る必要があります。
カウンターの足元がふさがっているかまで見るとは思いませんでした。
重いガスは足元を流れますからね。
点検のときに一度しゃがんで見てみてください。
フードや排気ダクトがある場合はどこか

漏れたガスはそこに吸い込まれるのか、それとも天井に広がるのか。
ガス燃焼機器の上にフードがあり、フードから排気ダクトが出ている。天井面がⒶ、フードの外側の上部がⒷ、フードの外側の下部がⒸ、フード内がⒹ。
候補は4つありましたが、選ばれたのは天井面のⒶひとつだけです。
フード内のⒹは選ばれていません。フードは調理の煙を吸うためのもので、常に運転しているとは限らないからだと読めます。
軽いガスは天井に沿って広がります。フードに頼らず天井で受け止めるという考え方です。
自分の建物では、検知器がフードの中や側面に付いていないかを見てください。付いていれば、この回答と食い違っている可能性があります。
フードの中ではなく天井に置くというのは意外でした。
フードは止まっていることもありますからね。
検知器がフードの中や側面に付いていないか見てください。
水蒸気の多い場所には設けてはいけないか

湯気の多い場所は、そこに当たるのか。
問いは「設けてはならないとしてよいか」でした。しかし回答はそれを否定しています。
求められているのは防水性能を有する検知器を設置することです。浴室用等、と例まで書かれています。
つまり環境が厳しいなら機器で対応せよという整理です。監視をやめる方向には向かっていません。
建物側で確かめたいのは、湯気の出る場所に付いている検知器が防水型かどうかです。厨房の食器洗浄機まわりや浴場は要注意です。
置けないのではなく防水型を選ぶということですね。
そのとおりです。
食器洗浄機まわりや浴場の検知器が防水型か確かめてください。
出入口付近の気流はどう扱うか

これは、そういう場所には検知器そのものが要らないという意味なのか。
ここも問いと回答の向きが違います。設置を要しないと読んでよいか、という問いに対して、答えはさけて設置することでした。
外気が吹き抜ける場所ではガスが薄まって検知できません。だからその位置には置かない。しかしその部屋の監視自体をやめてよいわけではありません。
前の項目と同じ構図です。条件が悪いなら、外すのではなく機器や位置で解決します。
自動ドアの真下や大きな搬入口のそばに検知器が付いていないか。図面ではなく現場で確かめてください。
設けてはならない、と書いてあると免除だと思ってしまいますね。
そこが誤解されやすい点です。
自動ドアや搬入口のそばに付いていないか現場で見てください。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
よくある質問
まとめ
厨房で何を見ればいいのか分かってきました。
すっきりしました。
天井の形、足元のすき間、そして湯気と風。
この3つを現場で見れば置き場所の妥当性が判断できます。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- ガス漏れ火災警報設備に係る疑義について(昭和56年12月18日 消防予第299号 消防庁予防救急課長から各都道府県消防主管部長あて回答)
- 消防法施行令第21条の2
- 消防法施行規則第24条の2の3第1項第1号
- 消防実務六法 質疑応答編
※本記事は公表されている法令および通達に基づく一般的な解説です。掲載した回答は昭和56年当時のもので、通知番号や機関の名称等は当時のものです。図を前提とした回答を含むため、個別の事案についての適用は所轄消防署にご確認ください。





