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BCPで地震後に自家発電設備の潤滑油温度上昇警報が出たら運転を続けてよいのか|冷却系統と復旧判断を解説

潤滑油温度上昇警報が出た自家発電設備を示すアイキャッチ

地震後、自家発電設備の制御盤に潤滑油温度上昇の警報が出ることがあります。
警報だけを消して運転を続けると、油量不足や冷却不良を残したまま軸受や原動機を傷めるおそれがあります。
BCPでは運転を止め、油温上昇の原因と潤滑油系統を確認します

潤滑油温度の警報が出ています。
このまま運転してええですか。

運転を止めて状態を残します

表示灯だけ確認したら足りますか。

油量と冷却系統も確認します

この記事の結論
  • 油温上昇警報が出たら運転を停止します
  • 油温と油圧と発見時刻を操作前に記録します
  • 油量と油冷却器と保護回路を確認します
  • 油温は製造者の管理値で判定します
  • 整備後は管理下で油温と油圧と負荷を確認します

潤滑油温度上昇を確認して運転停止から状態記録と油系統点検を経て管理下で試験する4工程の横長アイソメ図

潤滑油温度上昇警報が出たら運転を続けてよいのか

潤滑油温度上昇警報で停止した自家発電設備の横長アイソメ図

油温上昇の原因を確認するまで運転を再開しません
潤滑油は軸受や摺動部を保護し、オイルクーラーは運転中に油から熱を逃がします。

消防庁の点検要領は、潤滑油の量、汚れ、漏れ、圧力、油系統の機器と保護装置を確認する構成です。
油温上昇は油量不足、冷却不良、流量低下、過負荷などを切り分ける必要があります。

警報の解除は原因の除去ではありません。
実際の油温、油圧、油量、オイルクーラー、油温センサーを照合します。

点灯だけでは判断できへんのですね。

指示値まで確認しましょう

どの設備と条件を確認するのか

潤滑油タンクとポンプとオイルクーラーとフィルタをつないだ横長アイソメ図

潤滑油系統の構成と管理値は機種で異なります。
完成図書、取扱説明書、潤滑油の指定表で、その設備に何が付いているかを確認します。

  • 警報名、発生時刻、油温と油圧の推移
  • 油量、油質、漏れの有無
  • 油温計と油温センサー
  • オイルクーラーと冷却風路
  • オイルポンプとバイパス弁
  • 油温警報の保護回路と端子
  • 製造者が指定する油種、油量、温度範囲

油温は単独で見ず、油圧、負荷、冷却状態と組み合わせて確認します。
油の循環側と計測側を一続きで確認します。

表示灯だけ見ても足りませんか。

油量と冷却器まで見ます

油温上昇警報が出たら何をするのか

潤滑油温度と油圧と保護回路を確認する横長アイソメ図

運転停止、状態記録、連絡、専門点検、再試験の順で進めます

  1. 異音、振動、煙、油漏れがないか離れて確認する
  2. 運転を止めて再始動禁止を周知する
  3. 油温、油圧、負荷、発見時刻を記録する
  4. 設備責任者と保守事業者へ連絡する
  5. 油量、油質、オイルクーラー、フィルタ、ポンプ、センサーを点検する
  6. 整備後に油温と油圧を管理値と照合する
  7. 管理下で始動し、油温、油圧、電圧、負荷を確認する

運転を止めている間は、非常電源を受ける消防用設備への影響を確認します。
必要に応じて巡回、火気制限、代替電源、所轄消防署への相談を組み合わせます。

停止前の油温と負荷を残します。

停止中の安全措置も決めましょう

見落としやすい点はどこか

潤滑油系統の油温計とセンサーとオイルクーラーを点検する横長アイソメ図

実際に油温が上昇した場合と、油温計やセンサーの異常で警報が出た場合は、表示だけでは区別できません。
地震後はオイルクーラーの変形、配管の損傷、端子の緩み、センサー損傷も確認します。

  • 油温表示を消すだけで復旧扱いにする
  • 停止前の油温、油圧、負荷を記録しない
  • 油量不足や油の劣化を見落とす
  • オイルクーラーと冷却風路の損傷を見落とす
  • フィルタ詰まりやポンプ不良を確認しない
  • 油温計とセンサーの指示を照合しない
  • 無負荷運転だけで温度推移を確認しない

消防庁の点検要領は、油系統の状態と保護装置の表示、警報、停止を確認する考え方です。
始動できただけで正常と決めず、負荷時の油温と油圧が安定することまで確認します

始動できても確認は終わりやないんですね。

装置の性能まで確認します

明日から何を確認すればよいのか

整備後に油温と油圧を監視して自家発電設備を試験する横長アイソメ図

平常時から、油温、油圧、負荷、外気温を同じ条件で記録します。
正常時と比較できる記録があれば、災害後の異常を早く絞り込めます。

  1. 警報名、発生時刻、油温と油圧の推移を確認する
  2. 正常な油温、油圧、負荷を記録する
  3. オイルクーラーとフィルタの位置を図示する
  4. 油温センサーと保護回路を確認項目にする
  5. 指定油、交換履歴、管理値をそろえる
  6. 停止中の代替電源と安全措置を決める
  7. 専門点検から復旧承認まで訓練する

運転停止から代替措置、点検、再試験、復旧承認までをBCPへ組み込みます
消防計画の初動とBCPの事業継続をつなぐ担当者も決めます。

正常値を確認票へ入れます。

迷わない手順にしておきましょう

よくある質問

Q油温上昇警報を解除すれば運転できますか?
A解除だけでは原因を除去できません。運転を停止し、油量と冷却系統と油温センサーを点検します。
Q実際に油温が上がったか表示だけで分かりますか?
A表示だけでは判定できません。停止前後の記録と点検結果から、実油温とセンサー指示を確認します。
Q施設担当者が油を足して再始動してよいですか?
A原因不明のまま復帰操作はしません。資格者と保守事業者の管理下で点検します。
Q復旧は始動できれば完了ですか?
A油温、油圧、始動、電圧確立、負荷作動を確認し、復旧責任者が承認して完了です。

まとめ

油温上昇時は運転を停止します
油温と油圧と時刻を記録します
油量と冷却系統を一式確認します
製造者の管理値で判定します
実油温と計器指示を照合します
停止中は代替電源と安全措置を実施します
負荷作動まで確認して復旧を承認します

表示だけで判断せず状態を残します

潤滑油系統を一式で確認しましょう
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

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監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

※本記事は公表されている法令および公的資料に基づく一般的な解説です。潤滑油温度上昇警報が出た場合は、自己判断で警報解除、油の継ぎ足し、再始動をせず、設備仕様を把握した専門業者へ相談してください。個別の点検、整備、再始動、負荷試験、代替措置、復旧判断は、設備の仕様と施設の運用状況に応じて所轄消防署や専門家へご確認ください。

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